【シンガポール】マリーナベイサンズの傾きを現地調査してきた
2016.03.19

あなたはシンガポールといえば何を思い浮かべられますか?「マーライオン」はもちろん「カジノ」も有名だと思います。そしてカジノがある施設といえば屋上に船が乗っかったビルがある「マリーナベイサンズ」。SMAPがCMで利用したのもインパクトがありましたね。そのマリーナベイサンズが「傾いている」という真実かもデマかもわからないニュースが飛び交っています。由々しき事態ですね。一部では2020年には建物の老朽化が進んでいき、あわよくば…という話も出ています。
真横から見ると新幹線にも見えます。
改めてみても、ビル全体が若干斜めに傾いているような気がしてなりません。
Googleで「マリーナベイサンズ」と検索する恐ろしい光景が広がります。傾きはともかく倒壊はシャレになりません。マリーナベイサンズに憧れを抱く日本国民の命を守るためにも、なんとしてでも調査をしなければならない問題です。
ということで、実際に来てみました(1人で)。
右側で淡々と水を吐き出しているのが観光名所とされているマーライオン。「世界三大がっかり」に名を連ねてしまっているマーライオンですが、実際に見てみると「まぁこんなもんだろうな…」という印象。がっかりというか、「こいつはなぜ水を吐き続けているのだろうか」という疑問が頭から離れない。
ホテルの隣には高級デパート「ショッパーズ・イン・ザ・ベイ」が。これがなかなか広く、越谷レイクタウンの半分くらいあります。24時間楽しめるカジノもあります。「物価が高すぎてホテルに泊まれなかった…」という方はこちらで時間を潰すのもおすすめです。


転がりました。ここは一階なのに。。建物自体には問題がないと願いたいです。。。
イカれたデザインは誰が設計し、どんな企業が建設したのでしょうか…。

こちらはマリーナベイサンズの対岸に位置するコンドミニアム。名前もそのまま「マリーナベイ・レジデンス」。4棟ほど集まったコンドミニアムです。品川区のワールドシティタワーズのようですね。まずはこちらで検証してみます。
エントランスには怖そうなおじさまがいたので考える人の隣でやってみます。
こちらでは転がりませんでした。地面が若干ゴツゴツしていたからでしょうか。何はともあれ良かったです。それでは次いってみましょう。
六本木にある高級タワーマンションも魅力的ですが、それに負けないぐらい立派なタワーマンションですね……!!まるで”縦に伸びすぎてしまったコロッセウム”のよう。その勢いは天をも穿ちそう…!!!
やっぱり似てますね。
隣のビルとアベックにしてみると見覚えのある形に。これはまさか…?
出典:http://www.animegoods.info/news/kagome_eva/”ロンギヌスの槍”ですね。このマンションが奏でるのは、神の鎮魂歌(レクイエム)なのか…。
エレベータールームにて検証します。
つるつるの大理石の上に置きましたが転がりませんでした。良かったです。「スプリングリーフタワー」という柔らかな名前からは想像も出来ないシャープなフォルムのコンドミニアムでした。左手でカメラを抱えているのはなぜなのか。
イメージ画像はこんな感じ。レゴブロックのようですがマンションです。電車の最寄り駅からは徒歩で15分ほどかかるのですが、バスの最寄り駅からは3分圏内です。バスを乗り継ぎ、最寄り駅で降りると木々の奥に…………
ほんとにあった!!!!
本当に積み木かレゴブロックかテトリスにしか見えません。シンガポールはほとんど地震が来ない国として有名ですが、万が一地震がきたらどうなってしまうのだろうか…。さっそく検証に移りたいところですが、事件はここで起きました。
ロックがかかっていて住民以外は入れません。メインエントランスに警備員がいたので拙い英語で「シャシン トリタイ イレテホシイ」と伝えてみましたが跳ね返されました。というかなにを言っているのか分かりませんでした。セキュリティもバッチリで安心して住めますね。仕方ないので外から撮れる限りの外観を撮影して退散しました。他にも新国立競技場のデザインが白紙になったことで有名なザハ・ハディド氏が設計したマンションなども見に行ってみたのですが、いずれのマンションも部外者完全立ち入り禁止の盤石のセキュリティでした。
なんというか、日常に全く溶け込めていないような気がするのは僕だけでしょうか。海外のサイトで相場をみてみると、賃貸で1ヶ月30万円〜、分譲で1億2000円〜6億といった感じでした。日本の超高級マンション「六本木ヒルズレジデンス」の最高分譲価格が9億9000万円ほどなので、思ったよりは高くないような印象。
マリーナベイサンズとは
傾きの実態を検証する前に、まずはマリーナベイサンズがどういった施設なのかを簡単におさらいしておきましょう。ラスベガスのカジノリゾート運営会社・ラスベガス・サンズによって開発され、500のテーブルと1,600のスロットマシーンが並ぶ、単独としては世界最大のカジノを中心に、2,561室のホテル、12万平方メートルのコンベンションセンター、7万4千平方メートルのショッピングモール、美術館、シアター、グラスパビリオンなどを含んだ複合リゾートとなっている。wikipediaより57階建て、高さ200mの堂々たる面構え。ビルの上に船を乗せるなんて、なにを考えていたらそのような発想に至るのでしょうか。

マリーナベイサンズが傾いている!?

Googleのサジェストが恐ろしい




マリーナベイサンズの傾きを検証
観光(カジノで惨敗)を楽しんだところで傾きの検証に移ります。
ちなみにシンガポールでは電車内へのドリアンの持ち込みは違法なので気をつけてください。
今回検証した場所は3つあるビルの中の真ん中のビル。真ん中の方が安定してそうなのでこちらにしてみました。
時刻は午前4時。にも関わらずホテルのロビーにあるバーでは談笑を楽しむ人々も。
マリーナベイサンズに宿泊するくらいの人々になると睡眠という概念が消滅するのかもしれません。
検証に使うツールはこちら!!!
「ビー玉」です。ビー玉を地面においてみて、転がったら「傾いている可能性がある」ということにします。古典的な方法でいきましょう。
ただし、全ての建物に言えることですが建物自体が傾いていなくても、床材のちょっとした傾きなどでビー玉が転がることは良くあるので、あくまで目安です。
↑ホテルのロビー(全体を撮る勇気はありませんでした)



マリーナベイサンズは誰がデザインしてどこが建設したのか
衝撃の事実が発覚してしまったマリーナベイサンズ。この設計はモシェ・サフディ氏が担当した
設計はモシェ・サフディ(en) 、建設は双竜建設[1]。3棟のホテルは屋上にある1ヘクタールの空中庭園「サンズ・スカイパーク」(Sands Sky Park)で繋がった形となっており、これはシンガポールを一望できる展望台として観光名所となっている。屋上プール(150メートル)もあり、世界一高い場所にあるプール(地上200メートル)を謳っている。wikipediaより
デザインはカナダの建築家、モシェ・サフディ氏が担当されたみたいですね。
マリーナベイサンズも十分ぶっ飛んだ外観ですが氏がデザインされた建物はどれもこれもクレイジーな形をしていたので是非検索してご覧になってみてください。
建設を受注したのは韓国の双竜(サンヨン)建設
建築を担当したのは韓国の双竜(サンヨン)建設。清水建設など、日本の大手ゼネコンも建設に名乗りを上げましたが、完成図を見て「これは無理!!」と受注を断念したといいます。そこで声を上げたのが双竜建設。韓国の手抜き工事はよく話題になっていますが、韓国、シンガポールのいずれも地震がほとんどない国であり、こちらも理由で受注を決断したものかと思われます。夜のビル群は圧巻の一言。23時に撮影したにも関わらずこの輝き。シンガポール躍進の理由を感じます。
シンガポールのマンションは傾いているのか
マリーナベイサンズはこのような結果に終わってしまいましたが、他の建築物は大丈夫なのでしょうか。シンガポールにはマリーナベイサンズ以外にも変わったデザインの建物がたくさんあります。ここは不動産会社らしくコンドミニアム、いわゆるマンションで傾きを検証してみましょう。マリーナベイ・レジデンス



スプリングリーフタワー






ザ・インターレース
最後にシンガポールの建築物で一番楽しみにしていたコンドミニアムを。その名を「The Interlace」。




終わりに
実際に現地に来てみて実感が強まったのですが、本当に高層ビルが多かったです。東京の都市部をググッと凝縮したかのような印象があります。「丸の内レベル100」でした。マリーナベイサンズについては残念でしたが、屋上プールは一度は体験してみたいですね…。高級マンションのセキュリティの強さには驚かされました。。日本のマンションでもすごいセキュリティだと感じていましたが、それ以上のものがありました。これも日本が平和ということの表れかもしれません。(写真撮影:おはら)
株式会社Housmart
マンションジャーナル編集部
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