木材を使ってDIYをしてみようとホームセンターに出かけてみると、たくさんの種類の木材が置かれていることがわかります。サイズや値段で選んでしまいがちですが、実は種類ごとに用途の向き・不向きがあるのです。
用途によって使い分けられるように、DIYに使われる木材の種類、特徴について紹介します。
木材の種類と用途が大事な理由
なぜ用途別に木材の種類を使い分けたほうがいいのでしょうか? 木材の性質を知らずに加工を始めてしまうと、組み立ての釘打ち作業で木材が割れてしまうことがあります。
また用途に適さない木材を使って完成させた作品は、時間が経つにつれて木材が反ってしまうこともあります。他にも木材を屋外で使用するのか、屋内で使用するのかによって強度にも注意する必要があったりと、それぞれの木材の種類を把握しておくことはDIYの必須条件と言えます。
木材の種類

まずはホームセンターなどで売られている木材の種類を大まかに見ていきます。店で売られている木材は、加工状態によって大きく3種類に分けられます。
無垢材
原木から切り出されたままの状態の木材です。切り出す以外何も手を加えていないので、本来の木目や肌触りが生きています。乾燥や湿度の変化に影響されやすく、反りがでることもあります。
集成材
小さい木材を接着剤などで貼り合わせて作られた、人工の木材です。無垢材などと違い反りが起きにくく、強度が安定していて扱いやすいのが特徴です。
合板
薄い板材(ベニヤ板)を奇数枚貼り合わせた木材です。合板のことをべニヤ板ということもあるようですが、後述するように、正確にはべニヤ板は薄く切った一枚の板のことを指します。合板は強度が高く、厚さや大きさの種類も豊富です。また値段も安価なので手に入れやすい木材です。
初心者向けの木材と特徴
初心者の方にも扱いやすい木材を紹介していきます。
べニヤ板
低価格で購入でき、加工もしやすいのがベニヤ板です。ちょっとしたものをDIYするなら、釘を使わず接着剤でも組み立てることができるので、DIY初心者の方にはおすすめです。
工作材
工作材は様々なサイズ、形があり、値段も安価です。DIYの補助材で活躍することが多く、木材同士を繋げるダボ材として使用しますが、カッターなどの工具でも加工しやすいので、子供の夏休みの工作などにも活用することができます。
集成材
木材を貼り合わせて作った木材なので、木の種類ごとに色々な集成材があります。集成材は手ごろな値段で手に入り加工もしやすく、板が経年により反ってしまう心配もありません。
DIYをする方に人気が高いパイン集成材です。パインとは松の木のことで、その木目や節の模様から、カントリー系の家具によく使われています。
タンスで有名な木材である桐。桐集成材は軽くて加工がしやすいので、初心者のDIYに向いています。耐荷重はあまり高くないので、ちょっとした小物や雑貨づくりに向いています。
合板
合板は使用頻度の高い木材で、家具や床の下地材などにも利用されます。使われている木材によって、針葉樹合板、シナ合板、ラワン合板などに分類されます。
針葉樹合板は、木目が粗いのが特徴で、年輪・節がはっきりと表れています。この木目を活かした、味のあるDIY作品を楽しむことができます。
シナ合板は表と裏の板がシナ材で、中にはラワン材が入っています。木目も少なく柔らかい質感で、板を切ったときの断面が綺麗なのが特徴です。
ラワン合板
柔らかい木のラワンを使った合板で、強度が高いのが特徴です。一般的に合板やベニヤ板というと、多くの場合このラワン合板を指します。表面にささくれが多く出るため、家具の裏面など目立たない部分に使用されます。
SPF材とは、S=スプルース(トウヒ)、P=パイン(松)、F=ファー(もみの木)の木材の頭文字をとった総称で、3種類の木材が混在しています。材質は比較的柔らかいので、切断などの加工がしやすくなっています。耐水性は低いので、室内で使うのに適しています。
上級者向けの木材と特徴
次にDIY上級者の方向けの木材と特徴を紹介していきます。
無垢材
無垢材は木を丸太から切り出した状態の木材で、天然の風合いを楽しむことができます。ただ、木の割れやヒビが入りやすく、また乾燥が不十分だと反りも起きてしまいます。木の特性を理解して、使用する場所にも気を付ける必要があります。
桧
桧は針葉樹の中でも、材質としてとても優れている木材です。強度が高いので、室内の床材などに使われます。また、油分が多いため時間が経つとツヤが生まれ、最初とは違った風合いを楽しむことができます。耐水性もあるので、浴室にも使われます。