代々木エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”
いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。
今回は、代々木エリアをPICKUP。
交通利便性が抜群の新宿に近く、広大な代々木公園を生活圏にできるこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。
データで見る代々木エリア
最高価格:2億5000万円 最低価格:2100万円
平均価格帯:約7610万円
販売物件数:73
※2024年4月現在
↑ 平均価格と売出戸数
↑ 平均価格と平均平米単価
このエリアを一言で
👉売出物件数は少ない。築20-30年と築40-50年が多め
👉物件面積は30〜50㎡台がメイン
👉築50〜60年のレンジでも平均平米単価110万円弱
👉売り出しは新宿駅寄りの代々木1〜3丁目に集中
今回は、渋谷区の代々木エリアをピックアップ。新宿駅の南東に広がる代々木アドレスで見てみた。11路線が利用できる新宿駅に加えて代々木駅(JR中央・総武線・JR山手線・都営地下鉄大江戸線)が最寄駅となる。マンションの立地によっては、北参道駅(東京メトロ副都心線)、参宮橋駅・南新宿駅・代々木八幡駅(小田急小田原線)、代々木公園駅(東京メトロ千代田線)、初台駅(京王新線)も利用できる。
◾️この街の歴史・街並み・特色
もともと農村地帯であった代々木エリア。1890年代から1900年代初頭にかけて周辺エリアでの私鉄開業を皮切りに、開発が進んだ。2000年には都営地下鉄大江戸線が開通し、交通利便性がさらに向上。大型商業施設が揃う巨大ターミナル・新宿駅に近いほか、明治神宮や代々木公園など自然環境にも恵まれている。代々木5丁目の大部分は第2種低層住居専用地域に指定されており、落ち着いた住宅地となっている。
◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件数は少ない。築20~30年と築40~50年が多め(それぞれ、全体の約3割)。物件面積は30~50㎡台がメインで、全体の6割を占める。シングル・DINKs向けが多く、ファミリーに人気のエリアでもあるが特に70㎡以上は僅少なので、売り出し状況には目を光らせたい。築50〜60年のレンジでも平均平米単価110万円弱と、人気の高さは価格にも反映されている。アドレス別に見ると、売り出しは代々木1〜3丁目に集中している。代々木八幡駅・参宮橋駅周辺で狙っている方は長期戦覚悟で売り出し状況をウォッチする必要がありそうだ。
◾️今後の発展の見込み、再開発予定
代々木駅の西口側では、「代々木駅西口南地区市街地再開発事業」の計画が進められている。店舗、オフィス、共同住宅、駐車場で構成された地上39階建の高層ビルが建設されるほか、イベント等に使用できる駅前広場と歩行者空間も整備される予定だ。
新宿駅の西口では、小田急電鉄株式会社・東京地下鉄株式会社・東急不動産株式会社の3社を事業主体として、「新宿駅西口地区開発計画」が進められている。「小田急百貨店新宿店本館」と「新宿ミロード」の建て替え計画であり、商業店舗やオフィスなどが入った地上48階建ての超高層ビルが建設される(2024年3月に着工、2029年度に竣工予定)。また、新宿駅の西口と東口をつなぐ歩行者デッキを設置し、駅内部や新宿駅を挟んだ東西の移動をしやすくする。
◾️この街の住みやすさ
代々木駅からJR山手線を利用すれば、渋谷駅まで約5分、池袋駅まで約11分、品川駅まで約18分(いずれも直通)と交通利便性は良好だ。また、11路線が利用できる新宿駅が徒歩圏内になるため、都内を縦横無尽に動き回れる抜群のアクセス力を手にすることもできる。
代々木駅の周辺には、最寄駅ごとに買い物施設や飲食店が揃う。代々木駅からすぐある場所には、スーパーの「マルマンストア 南新宿店」や、ドラッグストアの「ココカラファインJR代々木駅前店」が揃う。代々木公園駅近くには「マルマンストア 代々木八幡店」があり、25時まで営業しているため夜遅くの買い物にも困らない。新宿駅寄りにある代々木1〜3丁目アドレスでは、新宿駅や近辺の大規模商業施設を利用することができる。新宿駅直結の「新宿高島屋」、飲食店が充実した新宿駅南口の「新宿サザンテラス」などが普段使いできる。当エリアには、2つの商店街がある。代々木駅から代々木1丁目地区周辺に住む方は「代々木商店街」を、代々木公園や参宮橋駅側に住む方は「参宮橋商店街」を利用できる。
本エリアの大きな魅力の一つが、緑豊かな公園や観光スポットだ。スポーツ施設や野外ステージ、ドッグランが備わった「代々木公園」は、都内を代表する人気の公園。平日休日問わず人で賑わう。季節ごとのイベントも楽しむことができ、大人から子どもまでがくつろげる憩いの場所となっている。新宿駅の南口から約10分歩いた場所には約58.3haの敷地に日本庭園とイギリス風景式庭園を備えた「新宿御苑」がある。四季折々の自然を楽しむことができるため、天気の良い日には友人やファミリー揃ってピクニックにも最適だ。代々木八幡駅の近くには出世運・商売繁盛・仕事運のご利益が得られることで有名な「代々木八幡宮」があり、初詣や季節ごとのお祭りなど多くの参拝客で賑わう。代々木駅の東口にある、古民家10棟と倉庫を改築した「ほぼ新宿のれん街」では、おしゃれなカフェや懐かしい居酒屋などセンス溢れるお店が軒を並べる。明治天皇と昭憲皇太后をお祀りする「明治神宮」に寄り添う立地でもあり、ビッグターミナル駅を徒歩圏内にしながら賑わいも安らぎも手にできる稀有なエリアだ。
明治神宮・代々木公園・新宿御苑の広々とした緑地を散歩コースにできるだけでなく新宿や渋谷にも近い抜群の立地を誇る代々木エリア。代々木駅西口で進む再開発や、新しく生まれ変わる代々木公園が2025年までに共用を開始予定であるなど、仕事・遊びに加えて住み心地にもアップグレードがかかることは間違いなしだ。都内屈指の巨大ターミナル駅・新宿駅も整備されることでますます便利になり、資産価値の向上にも期待ができる。代々木アドレス内で新宿駅寄りか、代々木公園寄りかによって、街の雰囲気は大きく異なる。落ち着いた雰囲気のある住宅街に住むことも可能。都心からどこにでもアクセスしやすい交通利便を重視するだけでなく、バリエーションに富んだ個性的なお店や、緑広がる公園も生活圏にしたライフスタイルが欲しいという方におすすめできるエリアだ。
エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移
現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。
築22年のファミール新宿グランスィートタワーは、2023年9月に213万円/㎡から2024年3月には230万円/㎡まで上昇。2024年2月には162万円/㎡まで下落。その後、2024年3月には206万円/㎡まで上昇し、2024年4月現在は平米単価206.1万円/㎡に。築35年のワコーレ代々木2は、2023年10月に97万円/㎡から2023年11月に93万円/㎡まで下落し、2024年1月まで93万円/㎡台を維持。2024年2月には95万円/㎡まで上昇、2024年4月現在は平米単価96万円/㎡で推移しています。築46年のドルミ代々木は、2023年6月に115万円/㎡から下落し始め、2023年10月には104万円/㎡まで下落。その後、上昇傾向に転じ2024年1月には再び115万円/㎡まで回復。2024年3月に119万円/㎡、2024年4月現在は平米単価113万円/㎡に。
👉ファミール新宿グランスィートタワー(総戸数116、2002年竣工)
👉ワコーレ代々木2(総戸数20、1989年竣工)
👉ドルミ代々木(総戸数94、1978年竣工)
気になるあのエリアの最新市況データを見る方法
連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。
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マンションジャーナル編集部
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