【放置すると思わぬ悪影響も】結露対策で最も有効な解決策とは?

2017.04.17
【放置すると思わぬ悪影響も】結露対策で最も有効な解決策とは?

リフォームの現場で多くのご相談を受けるのが、結露の問題です。

特にマンションの北側に面した洋室では、床がびっしょり濡れるほどの結露に悩まされる方も少なくありません。

結露を放置した結果カーテンや壁紙がカビで真っ黒になってしまい、やっとリフォーム会社へ連絡するというパターンが多いですね。

いくら壁紙を張り替えても原因である結露がそのままではまたカビがはえてしまうので、私たちはまず結露対策のご提案を行います。

プロがご提案するマンションの結露対策について、具体的にご紹介しましょう。

結露ができる原因

夏の暑い日、氷を入れたグラスの外側にびっしりと水滴がついた経験はありませんか?空気中には水蒸気という形で水分が含まれています。

暖かい空気はたくさんの水蒸気を含むことができますが、冷たい空気には少量の水蒸気しか存在できません。

暖かい空気が冷たいグラスに触れて温度が下がると、空気中に存在できなくなった分量の水蒸気が水滴となって現れます。

住宅内の結露も同じ原理で発生します。冬の寒い日、外気で冷やされた窓ガラスやサッシ、コンクリート壁に室内の暖かい空気が触れて水滴が発生し、結露となります。

気密性が高いマンションは換気が十分に行われず水蒸気がこもりやすいため、さらに結露が発生しやすい環境です。

結露を放置した時のリスク

結露で濡れたサッシのゴムパッキン、窓枠、フローリングを放置していると、黒いカビが発生します。そのカビは空気中に胞子を飛ばし、カーテンや壁紙へと増殖していきます。

木製の窓枠やフローリングは腐食してボロボロになり、カーテンや壁紙は真っ黒に。最終的に壁紙が広範囲にベロリとはがれてしまったお部屋もありました。

しかし本当に怖いのは、こういった目に見える被害ではありません。

空気中に漂うカビの胞子を吸い込むことで、喘息肺炎などの健康被害を引き起こすことがあります。

小さなお子さんや高齢者のいるご家庭は健康被害のリスクが高く、特に注意が必要です。リフォームの打合せでお宅を訪問した時、健康な大人であっても室内に入った瞬間に咳き込むことがあります。

結露のひどいお宅には共通したカビの臭いが漂っていますが、住人は慣れているため気づかないことが多いようです。

リフォームで結露を解決しよう!

マンションの結露対策をご提案する場合、結露の範囲によって2つケースに分かれます。

主に窓サッシ周りの結露に限られているケース

この場合、既存の窓の内側に樹脂サッシを設置することをおすすめします。

暖かい空気が冷えた窓ガラスやアルミサッシに直接触れないよう、空気の層を作って断熱することで結露を防ぎます。

戸建てであれば窓ガラスやサッシ自体を断熱性の高いものに交換することもできますが、マンションでは規約の関係上既存サッシの交換が難しいことがほとんどです。

内窓の設置は工事も簡単で費用も安く済みますし、サッシの製作期間を除けば半日で終わってしまいます

かかる費用のほとんどはサッシの製作代金で、現地調査で寸法を取ってメーカーに特注します。

代表的な製品にLIXILの「インプラス」やYKKの「プラマードU」などがあり、ショールームで実物を見学することが出来ます。

使用するガラスのグレードによって価格が変わりますが、工事費込みで15~20万円が目安です。

新しいマンションのほとんどはこのケースで、費用対効果の高い結露対策です。

外部に面したコンクリート壁が結露しているケース

この場合では、サッシの交換だけでは効果がなく、壁面ボードを一度解体して断熱材を吹き付ける工事をおすすめします。

  1. 室内のボード壁をはがし、外部に面するコンクリート壁を露出させます。
  2. そこに発砲ウレタンを15~25mmの厚さになるよう吹き付けていきます。(※適切な厚さは製品や地域によって異なります。)
  3. まんべんなく断熱材を吹き付けたら、新しいボードを設置し壁紙を張って仕上げます。
  4. コンクリート壁とボード壁の間に空気を含んだ発砲ウレタンの層をつくり、ちょうどコンクリートに羽毛布団をかぶせたような形になります。(発砲ウレタンを使わず、板状のスタイロフォームやスタイロ一体型のボードを使う工法もあります。)

本格的なリフォーム工事となるため、北側の壁面だけでも4日~1週間、費用は30万~が目安となります。

断熱の必要な面が広くなればなるほど費用がかかるので、事前の十分な現地調査と見積もりが必須です。

壁紙の張り替えが必要な工事なので、内装の模様替えや間取り変更など他のリフォーム工事とまとめて行うと手間や費用面でメリットがあります。

比較的築年数の長いマンションではこちらのケースが多いです。

まとめ

ちょっとした結露であれば、暮らし方を改善するだけで解決することもあります。こまめに換気を行い、洗濯物の部屋干しや加湿器の使用を控えるだけでも効果があります。

しかしマンションの性能上の問題で、なかなか解決できない結露もあります。このような場合はマンションの断熱性を高める工事で抜本的解決を図りましょう。

家族の健康とマンションの資産価値を守るために、一刻も早い対応をおすすめします。

株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

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