東中野エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.10.20
東中野エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、東中野エリアをPICKUP。
サブカルチャーの聖地であり、再開発で変化の真っ只中にいるこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る東中野エリア

最高価格:2億1000万円 最低価格:950万円
平均価格帯:約5940万円
販売物件数:76
※2023年10月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉築年数は10年未満から築60年まで幅広く揃う
👉築20年以下と築40〜60年の売り出しが多い
👉総戸数100以上の大規模マンションは少なく小〜中規模がメイン
👉平米数は40〜60㎡台の物件が最も多い

今回は、中野区の東中野エリアをピックアップ。神田川沿いに位置し、東中野駅(都営地下鉄大江戸線とJR中央総武線)が最寄りとなる。また、マンションの立地によっては落合駅(東京メトロ東西線)も徒歩圏内になる。                                               

◾️この街の歴史・街並み・特色
「中野」の地名は、武蔵野の中央に位置していたことに由来している。江戸時代には農村地帯として栄え、小麦の製造業、味噌・醤油などの醸造業が行われていた。その後宅地化が進み、1966年には商業施設と集合住宅が一つになった複合施設の先駆けとして、JR中野駅前に「中野ブロードウェイ」が開業。後に「サブカルチャーの聖地」として知られるようになり、東中野にもミニシアター「ポレポレ東中野」を筆頭格とするサブカル好きのスポットが集まる。明治大学付属中野中学校・高等学校をはじめ学校が点在するため、学生も多い。商店街など昭和〜平成初期の懐かしい雰囲気も感じさせながら、若者も多い街である。

◾️中古マンションの売り出し状況
築40-60年の物件の売り出しが多く全体の約42%を占める。築20年以下の物件も約37%と多めだ。物件面積は10〜200㎡まで揃うが、40〜60㎡台のDINKsからファミリー向け物件が中心であり、70㎡以上は僅少。築30-40年の平均価格が約8266万円と高くなっている理由は、2億円・200平米超えの物件を筆頭に100平米を超える超高額物件が売り出されているため。総戸数100以上の大規模マンションは少なく、築年数浅めを中心に多少あるものの現状ではわずか。直近・今後の新築タワーマンションの分譲(後述)により、数年後には状況が多少変わるかもしれない。

◾️今後の発展の見込み、再開発予定
当エリアでは現在、東中野駅の東口周辺で再開発が進んでいる。2022年5月31日に閉館した結婚式場「west53rd日本閣」の跡地には、住友不動産レジデンシャル株式会社と東京建物株式会社による地上25階建の分譲マンション「パークタワー東中野グランドエア」の工事が進んでいる。駅徒歩1分の好立地に2024年3月竣工予定だ。同じ敷地内には、地上30階建の「パークタワー東中野」と商業・賃貸住宅で構成された地上31階建の「ユニゾンタワー」の2棟が2007年に竣工しており、「パークタワー東中野グランドエア」で合計3棟のタワーマンションが並ぶことになる。
また、JR東中野駅から徒歩4分、落合駅から徒歩5分の場所に、住友不動産株式会社が手掛ける地上15階建のマンション「セントラルレジデンス東中野」が2023年11月上旬に完成予定だ。

◾️この街の住みやすさ
東中野駅からJR中央総武線を利用すれば新宿駅まで2駅、約4分と好立地であるほか、都営大江戸線を利用すればオフィス街である六本木や飯田橋まで乗り換えなしでアクセスできる。マンションの立地によっては、東西線が通る落合駅まで徒歩約6分と2駅3路線が利用でき交通利便性が良好だ。東中野には生活利便施設も揃っている。東中野駅西口には駅直結の「アトレヴィ東中野」があり、スーパーの「成城石井」や本屋など各種店舗が揃う。西口から徒歩1分のところにはスーパーや衣料品店が揃った「サミットストア 東中野店」やスーパーの「ライフ 東中野店」が深夜25時まで営業しているため、仕事帰りが遅くなった日も買い物先として重宝するだろう。東中野駅東口には、飲食店、高級スーパー「キッチンコート」や「ゴールドジム」が揃った「ユニゾンモール」があり、駅の西口と東口両方で使い分けができる。西口改札側には、飲食店やパン屋さん、創業から100年以上続く自家製漬物が人気の八百屋さん「丸忠商店」などがある「東中野銀座商店会」、昭和情緒溢れる飲食店が並んだ「東中野ムーンロードもあり、散策しながら買い物が楽しめる。さらに、駅のすぐ近くにはミニシアター「ポレポレ東中野」があり、ドキュメンタリーを中心とした映画が鑑賞できる。駅から徒歩7分の場所には「上の原公園」、落合駅から徒歩約6分の場所には遊具が揃った「おかのうえ公園」がある。
どこかアングラな香りも漂うところがこのエリアのオリジナリティだったが、駅前のタワーマンション建設により、街の雰囲気に変化がありそうだ。ターミナル駅へのアクセスを手にしながら、日常的な買い物なども便利に済ませられる環境が欲しい。一方で、開発によって整然としすぎた雰囲気は苦手で、ちょっとカルチャーを感じさせる繁華な空気感も欲しい・・そんなわがままが叶う稀有なエリアと言えるだろう。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築14年のライオンズ東中野は、2021年3月の114万円/㎡から翌月に130万円/㎡まで上昇。その後2023年10月現在まで、平米単価130〜135万円/㎡台で推移しています。築40年のルミエール東中野は、2023年1月に72万円/㎡から翌月には91万円/㎡台まで上昇。2023年4月までは90万円/㎡前後で維持していたが、5月から下落傾向に転じ、2023年10月現在は平米単価76万円/㎡に。築52年の東中野コーポは、2021年8月に87万円/㎡台後半から2021年11月に72万円/㎡台まで下落。2021年12月には92万円/㎡台後半まで戻り、その後は2022年5月から86〜92万円/㎡台の間で維持し、2023年10月現在は平米単価92万円/㎡に落ち着いています。

👉ライオンズ東中野(総戸数72、2009年竣工)
👉ルミエール東中野(総戸数22、1983年竣工)
👉東中野コーポ(総戸数28、1971年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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