東雲エリアの中古マンション市況｜トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回１エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、東雲エリアをPICKUP。
東京臨海副都心の東側に位置し、運河沿いにタワマンが整然と並ぶこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか？
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る東雲エリア

最高価格：1億5000万円　最低価格：2320万円
平均価格帯：約7870万円
販売物件数：84
※2023年4月現在

↑ 平均価格と売出戸数

↑ 平均価格と平均平米単価

このエリアを一言で

👉100㎡以上の億超え物件が築10-20年の平均価格を押し上げ
👉全体的に価格は上昇傾向、2年で平米単価60万円台→100万円超の大幅アップも
👉売出物件数は少ない、全体の9割が大規模タワマン
👉ファミリー向け70~80㎡がメインで全体の5割を占める

今回は、東雲エリアをピックアップ。東京臨海高速鉄道りんかい線が通り、立地によっては豊洲駅（有楽町線・ゆりかもめ）、有明駅（ゆりかもめ）へも徒歩15分程度でアクセスできる。

1996年にりんかい線・東雲駅が完成した東雲は、1990年代後半までは工業地帯であった。その後、「東雲キャナルコート」という名で再開発され、運河沿いにタワーマンションが立ち並ぶ風景へと変貌を遂げた。豊洲エリアの中央部分を占める集合住宅は、UR都市機構による賃貸「東雲キャナルコート CODAN」。グッドデザイン賞はじめ数々の建築賞を受賞した独特の外観は、運河沿いのタワマン群と合わせて東雲エリアのシンボル的存在になっている。

2023年3月には、東雲キャナルコートすぐ近くに東武ストア東雲店がオープン。30~40代のファミリーをターゲットとしていることもあり、充実した惣菜エリアや22:45までの営業時間など、忙しい子育て世帯や帰宅が遅い人、外食が多い人にとっては有難い。クリニックなど医療施設が複数入るため、買い物と一緒に用事を済ませることも可能。すでに近くに24時間営業の大型スーパー・イオンがあるが、本施設の完成により、日々の買い物で用途に合わせて使い分けることができるようになる。

周辺の東京湾岸タワマン地域のもっとも東に位置する東雲は、豊洲や勝どき等ほかの湾岸エリアに比べてリーズナブルな価格帯だったが、現在は上昇傾向にある。100㎡以上の億超え物件は築10-20年のみ。30㎡以下の単身者向けマンションも若干数存在するが、売り出し物件はファミリーに人気の70~80㎡が過半数を占める。

現在本エリアを通る路線は１駅１路線のみであるが、東雲から成田空港まで片道1,300円でアクセスできるバス「AIRPORT BUS TYO-NRT」もあり、空港アクセスは良い。さらに、羽田空港とりんかい線が繋がる計画もある。橋を渡って東側に位置する辰巳には既存の都営団地の建て替え計画があり、相乗効果での街の安定的な発展が見込める可能性もあり、少し先にはなるが将来の展望も明るいエリアである。

エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

当エリアの物件は、ここ2年ほどは全体的に、現状維持か右肩上がりにゆるく上昇するか、どちらかに分かれます。築約10年となるパークタワー東雲は2020年末から右肩上がりに上昇し続け、現在は110万円台後半に。築年数20年弱のWコンフォートタワーズウエストタワー、ビーコンタワーレジデンスも上下しつつも概ねゆるやかな上昇を続け、平米単価100万円程度を維持しています。

👉パークタワー東雲（総戸数585、2013年竣工）
👉Wコンフォートタワーズウエストタワー（総戸数476、2005年竣工）
👉ビーコンタワーレジデンス（総戸数440、2008年竣工）

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

今回は東東京の湾岸タワマンエリアの中でも注目したいエリアの代表例として、東雲をピックアップしました。

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回１エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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