購入希望エリアにちょうど良い価格の物件がない。物件どう選ぶべき?|カウルのお悩み相談室

2023.04.20
購入希望エリアにちょうど良い価格の物件がない。物件どう選ぶべき?|カウルのお悩み相談室

高額な買い物だけに、「失敗できない」プレッシャーがかかる住宅購入。だけど、人には相談しづらいし、自分で調べてみたものの正解がわからない・・。

専門性が求められる住宅購入の疑問は、やはり専門家に聞くのが一番です。連載企画「カウルのお悩み相談室」では、カウルユーザーから届いたリアルなお悩みに、その道のプロがズバリ答えていきます。

今回は、初めてのマンション購入を検討中の方からのご相談現在の住まい(賃貸)の近くで探しているものの、エリアとして価格が高く、希望どおりの物件が見つからないそう。将来的には住み替えて戸建てを建てたい、という夢もお持ちですが、どんな物件を選ぶべきなのか。果たして、プロの見解は?

お答えいただくのは、不動産運用にも強いファイナンシャルプランナー 森祐司さんです。

森 祐司

森祐司氏プロフィール画像

Ever Side株式会社 執行役員
不動産総合デベロッパーにて収益不動産運用のコンサルティング、生命保険会社でのライフプランナーを経て、独立系FP事務所に移籍、現職。ライフプランニング実績は800世帯超、20年30年以上先まで見据えた長期人生設計を得意分野としている
https://www.everside.life

今回のご相談内容

Q:今の居住エリアで家を買いたいが価格が高い。将来的に戸建てを建てる夢もあり、物件選びのアドバイスが欲しい

Dさん:
「住宅を購入したいと思っております。現在の住まい(賃貸)に長く住んでおり、近くでよいものがないかと調べているのですが、いかんせん、売買物件としては価格が高いエリアのため、単身ではなかなかちょうどいいものがありません。余裕をもった資金計画が肝だとは感じています。
立地は大切にしたいと思っているのですが、物件選びについてアドバイスをいただけるとありがたいです。

実は、住宅購入検討をきっかけに、老後の生活の準備をしたいと考え始めました。
一つは資金をつくること。さらに、もし住み替えの機会が持てるようでしたら、自分の設計で戸建てを建てたいという夢を持ちました。差し当たって、節約を始めています。当面の住まいの計画の見通しが立ちましたら、投資も始めたいと思っています」

<<Dさんプロフィール>>
■現在のお住まい:賃貸
■ご年収(世帯年収):1,400~1,500万円未満
■家族形態:単身
■今後大切にしていきたいこと(「家族との時間、仕事、交友関係、趣味、学び、経済力」の中から優先順位の高い順に3つ):
 1位:仕事
 2位:経済力
 3位:趣味


回答:「〇〇〇〇〇より〇〇〇〇が上回る物件を選び、戸建て建築建設の原資にしよう」

編集部:
「現在賃貸でお住まいのエリアの近くでお探しのようですね。将来的には戸建てを建てたいと節約も始めていらっしゃるとのことで、堅実に資金計画を描いていらっしゃるようにお見受けします」

森さん:
「老後に戸建てを設計とは、素晴らしい夢ですね。売買物件が高いエリアということですが、それだけ資産価値が下落しづらい人気エリアなのでは、と思われます。老後に突入するまでに、住宅ローンの残債より、売却価格が高くなりそうな物件(投資と一緒で絶対はありませんが)を選ぶとよいでしょう。

長期修繕計画(※)において、想定される修繕積立金の上昇が小幅であるかどうかも、資産価値の推移に大きく影響を与えます。資産価値が維持されれば売却資金を、次に購入する戸建て建築の原資に一部充てることができるかもしれません」
※長期修繕計画表は、不動産屋さんに依頼すると取得してくれ、一般的には良い状態なのか否かについて解説してくれます。

編集部:
「Dさんも『立地は大切にしたい』と仰っていますが、物件選びにおいて、他に注視するポイントはありますか?」

森さん:
「エリアについては、先ほどもお伝えしたように、おそらく現在お住まいのエリアが十分資産価値が見込めるのであろうと思います。

エリア以外の要素でいうと、万人受けする間取り、1階以外、駅徒歩7分以内、新耐震基準のマンションであれば、資産価値が維持されやすいかと思います。価格が手頃であっても利便性が悪く資産価値下落スピードの早い物件よりかは、多少高いと感じても好立地好条件のマンションのほうが、今回のご相談者様のご意向に合っているのではないでしょうか。

実はFP(ファイナンシャルプランナー)の間でも賃貸派、購入派は意見が分かれます。が、弊社としては住宅購入は賃貸と比べて資産性が高く、生涯支出が低いと考えています。弊社のホームページでも解説しているので、よろしければぜひご参考になさってください」

参考:住宅を購入する理由、住宅購入3つのメリットについて(Ever Side株式会社)

今回のお悩み・回答まとめ

  • 老後までに住宅ローンの残債より売却価格が上回る物件を選び、戸建て建築建設の原資にしよう
  • 買うべきは「万人受けする間取り、1階以外、駅徒歩7分以内、新耐震基準のマンション」

今回は、老後を見据えて資金をつくり、戸建て建築の夢をもつ方からのご相談でした。

「購入した物件を◯年後に売却した場合、手元にいくら残るのか」については、中古マンション売買専用アプリ「カウル」で簡単に確認することができます。価格が高い、いわゆる人気エリアはライバルが多いため、よい条件の物件はスピード勝負になります。希望条件に合致した物件が売り出された時のお知らせ機能や、チェックした物件が値下がりしたらお知らせする機能(カウルであれば「お気に入り機能」)なども活用して、「買い時」を逃さず瞬時に動けるようにしておきましょう。

また、初めての住宅購入は、どんな年齢やシチュエーションであってもたくさんの不安が出てくるもの。多くの場合、今回のケースのようにお悩みは複合的に絡み合っているため、それを丁寧に紐解いていき最適なプランを立てることが必要です。行き詰まってしまった場合は、アドバイザーとしてファイナンシャルプランナーに一度ご相談してみるのもよいでしょう。

ツールやサービス、そして情報をフル活用して、ぜひ『これだ』と思える物件をつかんでくださいね。

ファイナンシャルプランナーに相談してみる

森さんの所属するFP事務所(Ever Side株式会社)でも無料相談を受け付けています。行き詰まってしまったり、自力でのリサーチだけでは判断が難しいと感じた場合は、さまざまなケースを見てきたプロに悩みを整理してもらいましょう。解決への最短距離を示してくれるはずです。「FP(ファイナンシャルプランナー)への相談は初めて、どんなふうに相談すればいいのかわからない・・」という方は、この記事の後半で解説しているので、参考にしてみてくださいね。

参考:住宅購入FP相談室(Ever Side株式会社)

FPに聞いてみた。FPってどこまで相談できるの?なぜ相談が無料なの?

住宅購入や資産運用、家計管理など暮らしにまつわるお金について検索すれば、必ずといっていいほど出てくる「ファイナンシャルプランナー(FP)」。

「FPって、よく無料の相談窓口を見かけるけれど、強く営業されたり金融商品を売られるのでは・・?」
「聞いてもらいたい悩みはあるけれど、どこまで相談できるの?」など、興味はあるけれどよくわからない、という方も多くいらっしゃるかと思います。

そこで、FPに向いている人や利用のコツ、なぜ無料なのか等々、森さんにズバリ聞いてみました。

FPへの相談、どんな人が向いている?

編集部:
「Ever Sideさんのホームページでは、FPについて『お客さまのマネープランの計画と実行をお手伝いするお金の相談相手』とおっしゃられています。一口に『暮らしのお金の相談』といっても、一体どこからどこまで相談していいのでしょう? どんな方が向いていますか?

森さん:
「まず、FPへの相談が合っている方は、何より『お悩みを抱える人』です。具体的には、こんな方がお客様には多いですね。

  • 時間がなく1つの窓口に、お金まわりの相談をすべてお任せしたい方
  • セカンドオピニオンが欲しい方(不動産業者に〇千万円の住宅を提案されているが、価格が適正か診断してほしい、など)
  • 悩み事が複合的な方(家と家計管理、保険、投資、税金など複数の要素が絡んでいる)
  • ライフプランを一緒に考えて欲しい方


反対に、あまりおすすめしないのはこんな方です。

  • ネットや書籍でご自分で情報をかなり調べており、それらに対してしっかり自信を持って自分でライフプランニングをしている方

こうした方はまずはご自分で立てたライフプランを実行されてみて、その過程で適宜修正されていくのがよろしいのではないかと思います」

FPへ相談する時のコツってあるの?

編集部:
「なるほど、相談できるだけの具体的な準備が必要なのかと思っていたのですが、逆に整理されていない状態でいいんですね。では、実際にFPさんに相談する時の上手な相談方法や心構えみたいなものはありますか?」

森さん:
「私がご提案する際には、まずは相談内容をとにかくすべてお聞きします。とにかくしゃべっていただきます。その上で、入るお金、出るお金で何があるかをすべて聞きます。

そこで一旦私の方で持ち帰らせていただき、後日改めて課題、対策、取り組むべきことをご提案する、という流れです。

最初のご相談(※無料)では、『一番今日解決したい優先事項』を聞きますが、ケガに例えると、お客様が気付いていない場所から出血している、というケースもありえます。お話を聞くなかでそれがわかった場合は、そこの対処を最優先にすべき、など対処法をご提案させていただくので、まずはご安心してお話しいただければと思います。

また、弊社では初回相談は無料にしています。これは、まずはお互いのすり合わせを行う必要があるためです。相談者様側は「FPはこういうもの」という経験をし、FP側は相談内容に対応できるかを確認するための場が、初回相談なのです。相談金額を含めて双方で合意形成をとって初めて『ご依頼いただく』という形になりますので、ご安心ください。

住宅に限らずお金に関して何かモヤモヤを抱えていらっしゃる方は、まずはお気軽に初回相談を申し込んでみてください。流れについては、こちらのページで詳しく紹介しておりますので、合わせてご参考になさってください

参考:ご相談の流れ(Ever Side株式会社)

マンションジャーナル編集部のまとめ:「まずは話すことで解決への道が開ける」

森さんに今回お話を伺うなかで、お金の悩みはまずは解体・整理して、見通しをよくすることが大事だと痛感しました。一人や身内だけでは、なかなかお金にまつわることを棚卸しすると言われても、考えるだけでシンドイもの・・。だからこそ、伴走者や指導役としてFPがいるのですね。

ファイナンシャルプランナー(FP)の初回相談が無料なのは、両者間で合意形成するためであるというのも納得です。もしお金に関して解決したい課題をお持ち方は、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャルプランナーに相談してみる

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株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

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