夫婦ともに50歳、今からマンション購入は現実的?|カウルのお悩み相談室

2023.03.14
夫婦ともに50歳、今からマンション購入は現実的?|カウルのお悩み相談室

いつ何どきでも、常に頭を悩ませるお金の問題。

「今、家を買うべきなの?」
「将来を考えたら、どんなお金の使い方をすべき?」
「自分の将来設計のためには、どれくらいのお金が必要?」

具体的な疑問質問から漠然とした相談まで、実際にカウルユーザーから届いたお悩みに、お金のプロが答えます!

お答えいただくのは、不動産運用にも強いファイナンシャルプランナー 森祐司さんです。

森 祐司

森祐司氏プロフィール画像

Ever Side株式会社 執行役員
不動産総合デベロッパーにて収益不動産運用のコンサルティング、生命保険会社でのライフプランナーを経て、独立系FP事務所に移籍、現職。ライフプランニング実績は800世帯超、20年30年以上先まで見据えた長期人生設計を得意分野としている
https://www.everside.life

👉 この記事ではこんな内容が読めます
⏩ 今回のご相談内容
⏩ 回答:「買うならXXXな物件がおすすめ」
⏩ 今回のお悩み・回答まとめ
⏩ FPに聞いてみた。FPってどこまで相談できるの?

今回のご相談内容

Q:「夫婦ともに50歳、幼い子ども2人。年齢的に焦っているが、金利上昇も気にかかる。今からでも購入したほうがよいか?」

今回は、50歳のご夫婦からのご相談。ご年齢が気にかかり、マンション購入に踏み切れずに焦っていらっしゃるそうです。果たして、買った方がいいか否か、プロの見解は?

Bさん:
「夫婦ともに50歳、晩婚だったため二人の娘はまだ小学1年生と幼稚園。
これまで住宅を購入した事はなく現在は都内の3LDKの賃貸マンション住まいなのですが、今からでも住宅購入をした方がいいのか悩んでいます。

今は住宅価格(特に都内のマンション価格)は高騰しており、金利の上昇も懸念される中でタイミング的にはあまりよくないと思うのですが、住宅ローンを考えると年齢的にもう猶予はないと思い焦っています(すでに手遅れかもしれませんが)。やはり余裕をもった資金計画が、何より重要だと思っています。

世帯年収は1000万円、貯蓄は2500万円。
現在の賃料は月13万円。
購入物件は4LDK以上の中古マンションか戸建て、東京駅までの通勤が60分以内で考えています。

はたして購入は現実的でしょうか?
それとも賃貸を続ける方が無難でしょうか?

ちなみに私の実家が関東の田舎にあり、定年以降はそちらに引っ越して売却、というのも想定に入れています。
ただ、駅から遠い不便な場所で家自体も老朽化しているのでその時点で住めなくなっているリスクが高いと思っています。

家とは別にして、将来的の夢としては、夫婦で旅行して回るのが理想の老後ですね」

<<Bさんプロフィール>>
■現在のお住まい:賃貸
■ご年収(世帯年収):1,100~1,200万円未満
■家族形態:ファミリー(小学生1年生と幼稚園生)
■今後大切にしていきたいこと(「家族との時間、仕事、交友関係、趣味、学び、経済力」の中から優先順位の高い順に3つ):
 1位:家族との時間
 2位:仕事
 3位:経済力


回答:「買うならXXXな物件がおすすめ」

編集部:
「Bさんは今回のご相談者のなかで、最も詳しく書いてくださいました。『焦っている』と書かれている通り、かなり悩まれているのかなと・・」

森さん:
「確かに東京のマンションは高騰し、金利も上昇懸念がありますよね。ただ、世界に視野を広げると、先進国の首都の不動産価格としては、まだまだ東京は安いほうだ、という見方もできます。『アメリカの金利上昇で住宅ローン金利が6%に』などとよく聞きますが、日本は残念ながらそこまで劇的に金利をあげられる状況ではないかと思います。詳しく解説するのは別の機会にしますが、日本の場合、仮に大きく金利を上げたとしたら経済への打撃が凄まじいものになるでしょうから」

編集部:
「では、まだしばらくは金利上昇を必要以上に懸念しなくても良いと?」

森さん:
「あくまで個人の意見ですが、金利は上がったとしても小幅なのではないかと思います。それでも、どうしても金利上昇が不安、という方は、固定金利という選択肢を選ぶのも良いでしょう。2023年3月現在、35年の長期ローンでも、1.6%〜2%程度で組める銀行が多く、これでも世界水準から考えたら十分低金利かと思います

編集部:
「金利を恐れて購入を踏みとどまる必要はないということですね。Bさんは、もしも購入された場合、定年後は売却してご実家に戻られるというプランも考えられています。そこまで含めて考えた場合の、購入へのアドバイスをいただけますか?」

森さん:
「現在50歳ということですので、例えば15年後の65歳のときに売却してご実家に移り住むのであれば、築20年程度経った、価格がこれ以上あまり下がりづらい状態になった物件を買うのはいかがでしょうか。長期保有すれば、15年後の残債よりも売却価格のほうが高くなる可能性があり、ご実家のリフォーム資金に充てられるかもしれません。

もちろん不動産市況が今後どうなるかはわかりませんが、一般的に15年という長期保有期間があれば、残債よりも高く売れることが多いように思います」

編集部:
15年保有すれば、元が取れる・・ということですか?

森さん:
例えば79歳で完済予定の29年ローンにした場合、4000万円のローンを0.5%で組むと、毎月の支払額は12.3万円程度なのですが、この金利であれば、15年後の残債は約2003万円になっています。築年数がある程度経って価格がこなれたマンションが半値になっている、という状況は考えづらいため、残債を下回る可能性は低いからです

今回のお悩み・回答まとめ

  • 日本では金利は上がったとしても小幅ではないかと考えられる
  • 購入するならば築20年程度経った、価格が下がりづらい物件を
  • 15年以上の長期保有期間があれば、残債よりも高く売れることが多い

今回は、金利状況をどう考えるか、50歳という年齢で今からでも購入すべきか、というご相談でした。

「購入した物件をX年後に売却した場合、手元にいくら残るのか」については、中古マンション売買専用アプリ「カウル」で簡単に確認することができます。ぜひご参考にしてみてくださいね。

FPに聞いてみた。FPってどこまで相談できるの?

今回お悩みにお答えいただいた森さんはファイナンシャルプランナー(FP)として活動されています。
>>詳しくはこちら

住宅購入や資産運用、家計管理など暮らしにまつわるお金について検索すれば、必ずといっていいほど出てくる「FP」ですが、実際に利用されている方は欧米と比較して日本ではまだまだ一般的とは言えません。

そこで、FPに向いている人や利用のコツについて、森さんにズバリ聞いてみました。

FPへの相談、どんな人が向いている?

編集部:
「Ever SideさんのHPでは、FPについて『お客さまのマネープランの計画と実行をお手伝いするお金の相談相手』とおっしゃられています。一口に『暮らしのお金の相談』といっても、一体どこからどこまで相談していいのでしょう? どんな方が向いていますか?」

森さん:
「まず、FPへの相談が合っている方は、何より『お悩みを抱える人』です。

  • 時間がなく1つの窓口に、お金まわりの相談をすべてお任せしたい方
  • セカンドオピニオンが欲しい方(不動産業者に〇千万円の住宅を提案されているが、価格が適正か診断してほしい、など)
  • 悩み事が複合的な方(家と家計管理、保険、投資、税金など複数の要素が絡んでいる)
  • ライフプランを一緒に考えて欲しい方


反対に、あまりおすすめしないのはこんな方です。

  • ネットや書籍でご自分で情報をかなり調べており、それらに対してしっかり自信を持って自分でライフプランニングをしている方

こうした方はまずはご自分で立てたライフプランを実行されてみて、その過程で適宜修正されていくのがよろしいのではないかと思います」

FPへ相談する時のコツってあるの?

編集部:
「なるほど、相談できるだけの具体的な準備が必要なのかと思っていたのですが、逆に整理されていない状態でいいんですね。では、実際にFPさんに相談する時の上手な相談方法や心構えみたいなものはありますか?」

森さん:
「私がご提案する際には、まずは相談内容をとにかくすべてお聞きします。とにかくしゃべっていただきます。その上で、入るお金、出るお金で何があるかをすべて聞きます。

そこで一旦私の方で持ち帰らせていただき、後日改めて課題、対策、取り組むべきことをご提案する、という流れです。

最初のご相談(※無料)では、『一番今日解決したい優先事項』を聞きますが、ケガに例えると、お客様が気付いていない場所から出血している、というケースもありえます。お話を聞くなかでそれがわかった場合は、そこの対処を最優先にすべき、など対処法をご提案させていただくので、まずはご安心してお話しいただければと思います」

※Ever Sideさんでは初回相談は無料。これは、まずはお互いのすり合わせを行う必要があるため。相談者側はFPはこういうものという経験をし、FP側は相談内容に対応できるかを確認し、相談金額を含めて双方依頼に対する合意形成をとる。
>>ご相談の流れ

編集部:
「今の段階では整理がついていなくてもOK、見通しをよくすることをゴールとして、お金にまつわることを棚卸しするところからまずは始める。その伴走者や指導役としてFPがいる、ということですね」

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マンションジャーナル編集部

中古マンション売買アプリ「カウル」を提供する「Housmart(ハウスマート)」が、購入や売却に必要な基礎知識・ノウハウ、資産価値の高い中古マンションの物件情報詳細、ディベロッパーや街などの不動産情報をお届けします。