西新宿エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.11.17
西新宿エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、西新宿エリアをPICKUP。
東京都庁をはじめとした摩天楼と新宿中央公園など憩いが同居するこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る西新宿エリア

最高価格:3億8800万円 最低価格:750万円
平均価格帯:約7220万円
販売物件数:162
※2023年11月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件数は多め、築40-50年が市場全体で35%を占める
👉平米数は10〜50㎡台、70〜80㎡台を中心に売り出しが多い
👉築10年以下は、大規模タワーマンションが価格を押し上げ

今回は、新宿区の西新宿エリアをピックアップ。巨大ターミナル駅である新宿駅の西側に位置し、西新宿駅(東京メトロ丸の内線)・西武新宿駅(西武鉄道新宿線)・新宿西口駅と都庁前駅(都営地下鉄大江戸線)が最寄り駅となる。また、マンションの立地によっては、西新宿五丁目駅(都営大江戸線)も立地内にある。
                                                
◾️この街の歴史・街並み・特色
江戸時代には農村が大部分を占めていた西新宿エリアは、1885年に新宿駅の開業以降に発展。1898年に開業した淀橋浄水場は、近代水道の発祥の地となった。その後、1960年には「新宿副都心計画」が策定され、淀橋浄水場の跡地には「京王プラザホテル」をはじめ超高層ビル群が次々に建設されるようになり、摩天楼の街並みへと変貌を遂げた。

◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件数は多めで、築40-50年が市場全体で35%を占める。築10-30年も合わせて41%と多めだ。物件面積は10〜50㎡台、70〜80㎡台を中心に売り出しが多く、90㎡以上の物件は僅少。築40-50年は10㎡台の物件が多めだ。築10年以下の物件価格が1億5000万円と高めであるのは、売出物件の大部分を占める「シティタワー新宿」(総戸数428戸)と「ザ・パークハウス西新宿タワー60」(総戸数954戸)の大規模タワーマンション2棟が平均価格を押し上げているため。本エリアの調査時点での売出物件は、小規模マンションから大規模マンションまで揃う。売出物件数が最も多い築40-50年は、特に新宿中央公園の西側に多く売り出されている。(中古マンション売出物件MAPを参照)。

◾️今後の発展の見込み、再開発予定
当エリアでは、官民が連携して超高層ビル街の機能更新や道路などの一体的な再編を含め、2040年を見据えた街づくりの取り組みが進んでいる。2021年3月に策定された「西新宿地区再整備方針」では、新宿駅と新宿中央公園を結ぶ「西新宿グランドモール」沿いにウォーカブルな環境の整備や、デジタル技術を活用した最先端のまちづくりが進んでいる。また、当エリアでは再開発も進行中。JR新宿駅と京王新線初台駅周辺では、野村不動産株式会社・住友商事株式会社・東京建物株式会社・一般財団法人首都圏不燃建築公社の4社が推進する「西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業」が2023年2月1日に決定。総戸数約 3,200 戸の大規模共同住宅の建設をはじめ、商業施設、子育て施設や初台駅〜新宿駅方面の歩行者デッキの整備が2031年に竣工予定だ。

◾️この街の住みやすさ
当エリアでは、西新宿駅から丸の内線を利用すれば、銀座駅や大手町駅まで乗り換えなしでアクセスできる。西新宿駅から多くの路線が通る巨大ターミナル新宿駅まで1駅と近く、用途に合わせて駅の使い分けができる。西新宿エリア周辺には、スーパーやショッピング施設も豊富に揃う。西新宿駅から徒歩約5分以内の場所には、「もとまちユニオン新宿店」があり新鮮な食材が手に入る。駅から徒歩6分の場所には、24時間営業のスーパー「マルエツプチ 西新宿六丁目店」「まいばすけっと 北新宿税務署通り店」があり、帰りが遅くなった日でも安心して買い物ができる。2023年4月にオープンした​​「イオンフードスタイル西新宿店」ではネットスーパーも利用でき、買い物に困ることはない。西新宿駅の周辺には、「小田急百貨店 新宿店」「京王百貨店 新宿店」「伊勢丹 新宿店」「新宿高島屋」の百貨店に加えて、「西武新宿ペペ」「新宿マルイ」「ルミネ新宿・ルミネエスト」などの大規模ショッピング施設も多く揃う。その他「ヨドバシカメラ 新宿西口本店」「ビックカメラ 新宿西口店」などの大規模家電量販店も充実している。商業エリアの印象が強い本エリアだが、医療機関も徒歩圏内にある。西新宿駅から徒歩6分の場所には、内科・眼科・整形外科など複数のクリニックが集まった「新宿メディカルモール」や、徒歩10分の場所には内科・循環器内科・小児科の「西新宿小林クリニック」がある。駅からすぐの場所には「東京医科大学病院」もあるため、子づれファミリーにとっても安心だ。高層ビルが並ぶ西新宿では緑も身近に楽しめる。西新宿駅から徒歩5分のところには、「新宿中央公園」がある。当エリア周辺を流れる神田川沿いには遊歩道が整備されており、水辺のウォーキングも楽しめるほか、多目的広場も備わっており、運動好きにはおすすめだ。2020年に行われた大規模改修工事では、カフェなどが入った交流拠点施設「シュクノバ(SHUKUNOVA)」があり、アウトドアヨガなど多彩なイベントも開催されるなど多くの人で賑わう。西新宿駅から徒歩6分の場所には、国内外の芸術作品を鑑賞できる「SOMPO美術館」や、戦後から続く飲屋街「思い出横丁」がある。

新宿駅そばで都心部の各主要駅までもアクセスが良好な西新宿エリア。駅周辺には多くの買い物施設、憩いのひとときができる広い公園や充実した病院・クリニックなど、単身者層からファミリーにとって住みやすい条件が揃っている。今後の再開発やまちづくりで住環境の向上に期待ができるエリアだ。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築15年のコンシェリア西新宿タワーズウエストは、2022年8月に151万円/㎡から2022年9月には141万円/㎡まで下落。その後若干上昇して2023年3月まで145万円/㎡台、2023年4月には152万円/㎡まで上昇。その後も緩やかに上昇し、2023年8月には160万円/㎡台に。2023年9月には154万円/㎡まで下落したものの、再び上昇傾向に転じ、2023年11月現在は平米単価163万円/㎡台で推移しています。築18年のシティタワー新宿新都心は、2022年9月に167万円/㎡から2022年12月には157万円/㎡、2023年1月に145万円/㎡まで下落。2023年2月には155万円/㎡まで上昇したものの、2023年5月には147万円/㎡まで下落。2023年6月に150万円/㎡から再び上昇傾向に転じ、2023年7月には179万円/㎡に。2023年8月から2023年10月まで181〜196万円/㎡台に、その後下落し2023年11月現在は平米単価186万円/㎡台に。築41年の東建ニューハイツ西新宿は、2022年4月に99万円/㎡から2022年7月には102万円/㎡まで上昇。その後も2023年1月まで100万円/㎡台を維持し、2023年3月には121万円/㎡に。その後2023年10月まで121〜115万円/㎡台に徐々に下降、2023年11月現在は平米単価110万円/㎡台で推移しています。

👉コンシェリア西新宿タワーズウエスト(総戸数612、2008年竣工)
👉シティタワー新宿新都心(総戸数262、2005年竣工)
👉東建ニューハイツ西新宿(総戸数157、1981年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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