日暮里エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.05.10
日暮里エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、日暮里エリアをPICKUP。
昭和ノスタルジーを感じさせる下町風景が残るこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る日暮里エリア

最高価格:1億6000万円 最低価格:700万円
平均価格帯:約5100万円
販売物件数:57
※2023年5月現在



↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉築20年以下の物件が6割以上
👉小規模マンションでリーズナブルな物件が豊富
👉物件数は少ないが15㎡から120㎡まで偏りなく揃う

今回は、日暮里エリアをピックアップ。荒川区に位置し、日暮里駅と西日暮里駅にまたがる西日暮里アドレスで見てみた。徒歩6分圏内の両駅で合わせて、JR山手線、JR京浜東北線、JR常磐線、日暮里・舎人ライナー、京成本線、東京メトロ千代田線が利用できる。

西日暮里が接する谷中・根津・千駄木の界隈は「谷根千」と呼ばれ、下町散策の中心地として親しまれている。夕日のスポットで知られる「夕やけだんだん」など、昭和時代のノスタルジックな街並みは映画のワンシーンのようで、どこか懐かしさを感じさせる。その中心にあるのは、1950年代から続く下町情緒あふれる「谷中銀座商店街」。散歩だけでなく惣菜など日常的な買い出しにも便利。神社仏閣が多く緑地が豊富なエリアでもあり、日暮里駅西口をでてすぐの谷中霊園は桜の名所としても有名。

本エリアの約61%は「準工業地域」であり、大正初期から続く「日暮里繊維街」に代表されるように、ものづくりを担う中小企業が今も多く残る。工業と住居、商店街が入り混じる典型的な「下町」だ。そうした歴史的背景もあり、マンション自体が少ないうえに小規模マンションが主流。そのため売出物件数は限られる。売出物件の約65%は築20年以下であり、築年数20~30年で平米単価88万円と、比較的求めやすい価格帯になっている。

これまで下町の印象が強かった日暮里エリアだが、西日暮里駅周辺で進む再開発「西日暮里駅前地区第一種市街地再開発事業」によって資産価値の向上が期待できると注目が高まっている。地上47階建て・約1000戸のタワーマンションやホールからなる大規模商業施設が2029年に完成する予定だ。これによりJR 線と日暮里・舎人ライナーの西日暮里駅間がペデストリアンデッキによって繋がり、これまで難ありだった両線間の乗換動線も改善される見込み。平米単価は都心部・山手線沿線の中ではまだ控えめだが、今後上昇する可能性が見込める「今が買い」の有望立地といえる。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築4年のベルジェンド西日暮里グランセルサスは、2022年10月時点では平米単価100万円/㎡間近だったが現在は90万円/㎡台に。築14年のステーションプラザタワーは、2021年末ごろから上昇し2022年8月に約159万円/㎡に到達して以降は、緩やかに下落傾向に。2023年5月現在は138万円/㎡に落ち着いています。築44年のエル・アルカサル西日暮里は2021年1月以降、おおむね60~67万円/㎡台の間で安定しています。

👉ベルジェンド西日暮里グランセルサス(総戸数26、2019年竣工)
👉ステーションプラザタワー(総戸数285、2009年竣工)
👉エル・アルカサル西日暮里(総戸数74、1979年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

今回は日暮里をピックアップしました。
連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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