晴海エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”
いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。
今回は、晴海エリアをPICKUP。
東京オリンピック選手村跡地の再開発で全国から注目を集めるこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。
データで見る晴海エリア
最高価格:3億5200万円 最低価格:4700万円
平均価格帯:約1億6091万円
販売物件数:151
※2023年10月現在
↑ 平均価格と売出戸数
↑ 平均価格と平均平米単価
このエリアを一言で
👉売出物件数は多め、築浅マンションが多く、市場の73%が築10年以下
👉平米数は40〜70㎡がメインで70㎡台が最も多い
👉築10年以下は全体の売り出し物件のうち56%が億超え物件
👉築10年以下の物件の多くは「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」で西側に集積
今回は、中央区の晴海エリアをピックアップ。晴海アドレス内に駅はなく、橋を渡って隣の勝どき駅(都営地下鉄大江戸線)が最寄りとなる。また、マンションの立地によっては月島駅(大江戸線)・市場前駅(ゆりかもめ)・新豊洲駅(ゆりかもめ)・豊洲駅(東京メトロ有楽町線・ゆりかもめ)も利用できる。
◾️この街の歴史・街並み・特色
晴海は、元々遠浅の海で大型船が入ることができなかった東京湾を浚渫し、発生した土砂によって埋め立てられ、完成した土地。この隅田川口改良工事は、明治から昭和初期にかけて行われた大掛かりなものだった。1959年には「東京国際見本市会場(東京国際貿易センター)」が開場し、江東区有明に東京国際展示場(東京ビッグサイト)が1996年に完成するまで、イベントなどの展示会場として使用された。1998年には晴海一丁目にオフィスや商業施設を備えた高層マンション「晴海アイランドトリトンスクエア」が誕生し、高層タワーマンションが並ぶ街へと変貌。その後、東京国際見本市会場の跡地は幾度かの転用を経た後、2020東京オリンピック選手村に。現在はさらにその跡地に新築マンション群「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」が建設中だ。
◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件数は多く、築10年以下の物件が市場全体で約73%を占める。物件面積は40〜70㎡台を中心に70㎡台が最も多く売り出されており、DINKsからファミリー向けまで揃う。単身者向けはほとんど売り出しがない。売り出し物件数が最も多い築10年以下は、100平米以上・3億円超えの物件を頂点に億超え物件が全体の約55%を占める。また、築10年の売り出し物件の多くは西側に集積しており、竣工前の「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の物件が早くも売り出されている。
◾️今後の発展の見込み、再開発予定
当エリアでは、三井住友不動産レジデンシャル株式会社を中心に大手ディベロッパー11社が参画し、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村の跡地の開発プロジェクト「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」が進んでいる。ここに完成するのが、昨今話題の新たな街「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」だ。計5,632戸の分譲住宅・賃貸住宅と商業施設で構成された合計24棟の高層マンション・ビル群が建設される。敷地は4つのエリアに分かれ、分譲住宅からなる街区「SEA VILLAGE」「SUN VILLAGE」「PARK VILLAGE」と、賃貸住宅からなる街区「PORT VILLAGE」、商業施設からなる街区で構成される(竣工予定は2023年秋〜2025年秋)。晴海フラッグの施設内には、認定こども園や保健センターなど行政施設が入った複合施設も建設されるほか、晴海西小学校(仮称)、晴海西中学校(仮称)が2024年に開校予定。子育て世帯や子育てを念頭においたカップルなどの暮らしやすいまちづくりが考慮されている。また、商業施設としては「三井ショッピングパーク ららテラス HARUMI FLAG」が2024年3月に開業し、大型スーパーや生活雑貨店、飲食店が入居する予定。この再開発に伴い、晴海を含む湾岸エリアと都心を結ぶ「東京BRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)」の運行も計画されており、新橋駅・虎ノ門駅までアクセスできるようになる(2024年春に本格運行を開始する予定)。
「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」の再開発が進む中、都心部と臨海地域の交通利便性の向上を目的に東京都は2022年11月に「都心部・臨海地域地下鉄」の事業計画を発表。この計画では、勝どきや晴海などの臨海地域から東京駅まで直通でアクセスできる新たな運行ルートの計画が進んでいる。具体的な竣工年月は明確ではないが、東京・新銀座・新築地・勝どき・晴海・豊洲市場・有明/東京ビッグサイトの合計7つの駅(仮称)が設置される予定。この新ルートが実現すれば、臨海地域での交通利便が大きく向上し、都心部のオフィスワーカーにとって居住エリアとしての魅力が高まることが期待できる。
◾️この街の住みやすさ
現在、晴海エリアには地下鉄がないが、交通利便性向上を目的として、台場・晴海・室町・日本橋・豊洲を繋ぐ「東京ひとめぐりバス」が2023年9月23日から2024年9月22日まで約1年間の限定運行をしているため、休みの日にお出かけする際などの移動手段として活用できる。勝どき駅から徒歩4分の場所には、地上50階建のマンションと商業施設で構成された「晴海トリトン」があり、中にはスーパーの「マルエツ プチ 晴海店」や晴海区民館、第一生命ホール(コンサートホール)が揃い日用品の買い出しには便利だ。本エリアは、公園など緑地も多い。勝どき駅から晴海大橋を渡った先には野球場が備わった「晴海臨海公園」があり、散歩をしながらベンチで一休みもできるほか、運河の向かいには豊洲の街並みが一望できる。再開発が進む晴海フラッグ周辺には「晴海ふ頭公園」があり、レインボーブリッジや東京タワーを眺められるほか、遊具が揃い緑が多く広々としているため、子どもたちも身体を動かしながら楽しく遊べる。園内にはカフェもあり、親子はもちろんカップルにもおすすめ。休日を過ごすには絶好のスポットだ。最高倍率142倍など非常に高い抽選倍率に転売など、何かと注目を集め続けるHARUMI FLAG。今後の再開発動向も含め竣工後まで目が離せない、今東京で最もホットなエリアであることは間違いない。
エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移
現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。
築7年のザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンスは、2020年10月の113万円/㎡から徐々に上昇し、2022年3月には129万円/㎡まで到達。2022年7月までに124万円/㎡まで少々下落したもののその後上昇傾向に戻ったあとは右肩上がりを維持し2023年10月現在は平米単価152万円/㎡台に。築8年のドゥ・トゥールは、2021年2月から2022年11月まで平米単価132万円/㎡台から149万円/㎡台の間で推移。その後、2023年2月から2023年5月まで150万円/㎡台で維持し、2023年7月には一時的に188万円/㎡まで上昇。2023年9月には166万円/㎡まで下落、2023年10月現在は平米単価174万円/㎡台に落ち着いています。築10年のザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンスは、2022年5月に125万円/㎡から2023年2月には137万円/㎡まで上昇。その後も130万円/㎡台を維持し、2023年8月には140万円/㎡に。2023年10月現在は平米単価142万円/㎡台まで上昇しています。
👉ザ・パークハウス晴海タワーズ ティアロレジデンス(総戸数861、2016年竣工)
👉ドゥ・トゥール(総戸数1450、2015年竣工)
👉ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス(総戸数883、2013年竣工)
気になるあのエリアの最新市況データを見る方法
連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。
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