新宿エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”
いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。
今回は、新宿エリアをPICKUP。
都会のオアシス的存在・新宿御苑と繁華街の喧騒が同居するこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。
データで見る新宿エリア
最高価格:1億6800万円 最低価格:1100万円
平均価格帯:約3830万円
販売物件数:110
※2023年6月現在
↑ 平均価格と売出戸数
↑ 平均価格と平均平米単価
このエリアを一言で
👉 売出物件は多め、築30年以上の築古物件が全体の75%を占める
👉築10年以下は、20㎡台の物件が多め
👉築10-20年は億超え物件が平均価格を押し上げ
今回は、新宿エリアをピックアップ。新宿駅の東側、新宿区新宿1丁目〜7丁目のエリアで見てみた。やや広範囲であることもあり、この「新宿」アドレスエリアは町によって大きく雰囲気が異なる。新宿御苑に接し新宿御苑駅(東京メトロ丸の内線)がある新宿1丁目と新宿2丁目、新宿三丁目駅を中心に伊勢丹新宿店や紀伊国屋書店など古くからの大店の構える新宿3丁目、東新宿駅が最寄りになる新宿6丁目・新宿7丁目など商業エリアのイメージが強いが、実は神社仏閣も点在しており繁華なエリアと住宅地のコントラストが強く、築古中心にマンションが多いエリアでもある。
江戸時代に甲府と日本橋を結ぶ甲州街道の宿場「内藤新宿」が設置されたことが新宿の始まり。新宿御苑の敷地内には藩主の屋敷が置かれ、明治維新後、皇室の庭園として使用されるように。現在の新宿御苑は一般公開されており、ヨーロッパ式庭園と日本式庭園、どちらも楽しむことができる。春の桜をはじめ四季折々の草花が人々を癒す、まさに都会のオアシスのような存在だ。
本エリアは築30年以上の物件が多く、市場全体で75%を占める。築10年以下は平米単価が150万円を超えているが、20㎡台の小規模物件がメインでシングル向けの物件が多い。一方、築10-20年は平均価格が約6800万円で、70〜㎡台の億ションが全体の平均価格を押し上げている。
新宿駅周辺では現在、大規模な再開発計画が複数進行中だ。今年4月の複合施設「東急歌舞伎町タワー」の開業も記憶に新しいが、中でも注目したいのが、2022年10月に着工した「小田急百貨店新宿店本館」と「新宿ミロード」の建て替え計画である「新宿駅西口地区開発計画」。小田急電鉄と東京地下鉄株式会社が主体となった事業で、商業店舗やオフィスなどが入った地上48階建ての超高層ビルが2029年までに竣工予定だ。新宿駅の西口と東口をつなぐ歩行者デッキや新宿を一望できるテラスも設置される予定。また、住友商事と三菱地所レジデンスによる地上35階建・総戸数280戸の新築分譲タワーマンション「クラッシィ新宿御苑」が2024年11月竣工予定。新宿御苑駅から徒歩4分のところに、歴史ある緑地を借景として楽しめるラグジュアリーマンションが誕生することになる。
新宿駅は1日の利用乗降客数が約350万人を記録し、世界一利用者の多い駅としてギネスにも登録されている。JR線、東京メトロ、都営地下鉄、そして私鉄各線の合計12路線が乗り入れる都内屈指の駅である。それだけに、駅構内での混雑が長年問題となってきた。新宿駅の北口と東口も今後再開発が予定されている。大規模再開発によって歩行者ネットワークが整備され、ますます便利かつ快適になる新宿の未来に今後も注目したい。
エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移
現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。
築21年のデュオ・スカーラ新宿は、2022年5月に120万円/㎡台から緩やかな上下を繰り返し、2023年4月に134万円/㎡に到達。2023年6月現在はやや下がり129万円/㎡台に。築34年のビクセル新宿は、2022年4月に80万円台からゆるやかに上昇。一時は91万円台に達した後、2023年6月現在は平米単価87〜89万円/㎡台で安定しています。築54年の四谷御苑マンションは、2022年6月から2023年4月まで80万円台で維持していたものの5月以降から70万円台に下落、6月現在は平米単価76万円/㎡台に落ち着いています。
👉デュオ・スカーラ新宿(総戸数73、2002年竣工)
👉ビクセル新宿(総戸数74、1989年竣工)
👉四谷御苑マンション(総戸数81、1969年竣工)
気になるあのエリアの最新市況データを見る方法
連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。
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