高輪エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.03.30
高輪エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、高輪エリアをPICKUP。
言わずと知れた高級住宅街。セレブのステータスイメージすらあるこのエリアの、不動産マーケットは今どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る高輪エリア

最高価格:5億円 最低価格:1520万円
平均価格帯:約1億1300万円
販売物件数:147
※2023年3月現在

高輪エリアの平均価格と売出戸数のグラフ

↑ 平均価格と売出戸数



高輪エリアの平均価格と平均平米単価のグラフ


↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉100㎡超えが全体の14%強を占める超VIPエリア
👉一方で、30~40㎡に満たない物件はリーズナブル
👉住宅エリアなので売出物件数は多め
👉築20年以下が全体の50%、築50年以上の築古も約30%

今回は、港区の高輪エリアをピックアップ。高輪アドレスは、品川駅西口に接する。エリア内には、ビッグターミナル駅である品川駅のほか、高輪ゲートウェイ駅(JR)、高輪台駅(浅草線)、白金高輪駅(三田線、南北線)、泉岳寺駅(浅草線、京急本線)の5つの駅を含む。

邸宅地としての歴史は古く、江戸時代に下屋敷がおかれたことに端を発する。ターミナル駅のすぐそばではあるが、エリアの主な用途地域が第1種中高層住居専用地域、第2種住居地域など住宅地ベースであることもあり、売り出し物件は多い。ここ数年で建設された築浅マンションをはじめ築年数20年ほどのマンションが多く、平均価格帯は1億円を超える。近隣の新築マンション計画としては、旭化成不動産レジデンスによる「(仮称)港区白金台二丁目計画」が発表されている。

高輪エリアはいわゆる「ビンテージマンション」と言われる築年数を重ねた名作マンションも多いため、築50-60年でも平米単価が117万円/㎡と、築年数を経ても価格が安定している(前述のグラフを参照)。超高所得層が好んで住む傾向があるため、平米単価100㎡超えが全体売出数の14%強を占め、平米単価も188万円/㎡。この数値は他エリアと比較して圧倒的(参考:赤坂8%、代々木3.5%、西新宿0.5%)であり、データからも超高級住宅地としての立ち位置が窺える。
一方で、30㎡以下の物件は途端にリーズナブルに。「30㎡以下・築10-20年」の売出物件の平米単価は約127万円/㎡となり、新宿区西新宿の約138万円/㎡、渋谷区代々木の約132万円/㎡を下回る。「30㎡以下・築40-50年」となると、高輪で約77万円/㎡、西新宿で約76万円/㎡、代々木で約91万円/㎡となり、各エリアを求める購入層のニーズの差が表れている。よって、単身者向けの小ぶりの住戸であれば、他の都心エリアと同価格もしくはそれ以下で高輪アドレスを手にいれることも可能だ。各マンションの細かい平米単価の動向は、後述する「エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移」の項目を参照されたい。

本エリアの最も注目すべき開発予定としては、やはり高輪ゲートウェイシティ(仮称)だろう。ホテルやオフィス、商業施設が入る複合棟Ⅰが2025年3月に開業予定なのを皮切りに、全4棟の高層建築物が完成する計画だ。また、グランドプリンスホテル新高輪などがある品川駅西口地区にも、京急や西武プロパティーズによる再開発地区計画が発表されている。海外の企業誘致も見込んだオフィスやMICE、ホテルなどからなる複合施設ができる予定となっており、現在の街の雰囲気とは大きく様変わりしそうだ。

閑静な住宅地ではあるが駅前であることもあり、周辺と比べると実は犯罪発生件数は多め。街が大きく変わるとはいえ、人の出入りは増加すると考えられるため気になる方は事前にじっくり立地を検討したい。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。
一昨年に竣工したばかりのザ・パークハウス高輪タワー、築約20年の高輪ザ・レジデンスは平米単価200万円台で安定、築年数50年を超える秀和高輪レジデンスでも昨年一時期下降の兆しが見えたものの、年末から価格は上昇傾向に持ち直した。ステージファースト高輪Ⅱ、パラシオン高輪については先述の通り、コンパクトマンションのため平米単価はグッと控えめになるが価格としては安定しており、ブランド立地としての手堅いニーズが垣間見える。

👉ザ・パークハウス高輪タワー(総戸数164戸、2021年竣工)
👉高輪ザ・レジデンス(総戸数662戸、2005年竣工)
👉秀和高輪レジデンス(総戸数201戸、1970年竣工)
👉ステージファースト高輪Ⅱ(総戸数44戸、2003年竣工)
👉パラシオン高輪(総戸数92戸、1973年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

今回は都内における高級住宅地の代表例として、高輪エリアをピックアップしました。

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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