蒲田エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2024.03.08
蒲田エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、蒲田エリアをPICKUP。
工業地帯として発展し、アーケード商店街や飲み屋街、餃子などの下町グルメに温泉まで揃うエンターテインメントシティであるこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る蒲田エリア

最高価格:1億800万円 最低価格:1200万円
平均価格帯:約4030万円
販売物件数:74
※2024年2月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件数は少ない。築40-50年が突出して多い
👉物件面積は20〜30㎡台、50㎡台の売り出しが多め
👉物件価格は全体的にリーズナブル
👉平均平米単価は京急蒲田駅側になる蒲田アドレスの方が高額

今回は、大田区の蒲田エリアをピックアップ。蒲田駅(JR京浜東北線・東急多摩川線・東急池上線)を中心に蒲田・西蒲田の2アドレスで見てみた。蒲田駅のほか、JR蒲田駅東側になる蒲田アドレスは梅屋敷駅(京急本線)・京急蒲田駅(京急本線・京急空港線)、JR蒲田駅西側になる西蒲田アドレスは蓮沼駅・池上駅(どちらも東急池上線)も利用できる。
 
◾️この街の歴史・街並み・特色
蒲田エリアは、1904年に国鉄東海道本線(現在のJR京浜東北線)、1922年に池上電気鉄道線(現在の東急池上線)が開通。昔から「ものづくり」の街であった。江戸時代には海苔の養殖、麦わら細工の生産が盛んに行われ、大正時代以降になると工業地帯として発展。関東大震災をきっかけに都市部から工場が転入するようになり、町工場の集まる地域に。1920年〜1936年まで映画会社「松竹蒲田撮影所(松竹キネマ映画撮影所)」があったことから映画産業も栄えた。現在、松竹キネマ映画撮影所の跡地には「大田区民ホール・アプリコ」・「ニッセイアロマスクエアビル」が建っている。戦後、蒲田駅周辺には商店街が複数でき、駅を中心に市民の暮らしを支える商業エリアとして賑わうようになった。また、日本工学院専門学校蒲田校や東京工科大学蒲田キャンパスなどの大学・専門学校が点在。大田区の区役所・税務署などの官公庁も集まり、大田区の行政の中枢を担っている。2015年には「京急蒲田西口駅前地区第一種市街地再開発事業」により京急蒲田駅に直結した地上20階建の上層階にマンション、下層階に商業施設が入った複合ビル「あすとウィズ・プラウドシティ蒲田」ができるなど、蒲田駅・京急蒲田駅の間を含めた周辺エリアは再開発もされ、昔ながらの風景を残しながら今に即した住みやすい街並みにアップデートを続けている。

◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件数は少なく、築40-50年が突出して多いが他の築年数レンジは大差なく売り出されている。物件面積は20〜30㎡台、50㎡台が多く、10㎡台のシングル向け物件と70㎡以上のファミリー向け物件は僅少。全体的に物件価格は都内でもリーズナブルであり、アドレス別の平均平米単価を見ると、蒲田は97万円/㎡、西蒲田は80万円/㎡台と蒲田アドレスの方が高額。グラフで見ると築年数を経るごとに下降している平均平米単価の動きに反して、築50-60年の平均価格が上昇しているが、これは本エリアでは希少な70〜80㎡台の広め物件が3件含まれているため。

◾️今後の発展の見込み、再開発予定
再開発によって少しずつ暮らしやすい街として整えられてきた蒲田エリアでは、戦災復興の区画整理のまま更新されていない区域を中心に、2つの駅を合わせた「蒲田駅周辺地区」を対象としたまちづくりが進められている。契機となるのは、大田区が実現に向けて目下進めている「新空港線(蒲蒲線)」だ。JR・東急蒲田駅と京急蒲田駅を地下で結び、京急空港線に乗り入れる計画蒲蒲線が実現すれば、東急東横線や東京メトロ副都心線などへ相互直通させることで、羽田空港が渋谷・新宿・池袋の都市や和光・所沢・川越等の埼玉県方面と繋がることになる。現在は新空港線の整備主体となる第3セクター「羽田エアポートライン株式会社」が2022年10月に設立され、事業化に向けての準備が進む。

京急蒲田西口地区においては、町会、商店街、飲食店街等の代表によって構成される「京急蒲田西口地区まちづくり研究会」を主体にまちづくりの計画が進行中だ。2022年4月には、2010年に策定した「蒲田駅周辺地区グランドデザイン」が改訂され、改めて蒲田の未来図が具体的に示された。また、蒲田5丁目では、2020年3月に「蒲田駅東口駅前地区市街地再開発準備組合」が設立され、事業協力者が東急株式会社に決定している。掲げた「にぎわいあふれる多文化都市、 誰もが安心して気持ちよく過ごせる人にやさしい蒲田」 を目指し、長期計画で交通インフラも含めたダイナミックな変革が期待される。

◾️この街の住みやすさ
3路線が利用できる蒲田駅からJR京浜東北線を利用すれば品川駅まで約10分、東京駅まで約23分、横浜駅まで約18分と乗り換えなしで行くことができる。蒲田駅東口のバスロータリーでは羽田空港行きのシャトルバスも運行しているため、地方・海外出張が頻繁にある人などにとっても嬉しい。

当エリアでは、蒲田駅の西口側と東口側で買い物施設や商店街、グルメが豊富に揃う。JR蒲田駅には大型商業施設「グランデュオ蒲田」があり、雑貨店や家電量販店の「ノジマ グランデュオ蒲田店」、スーパーの「成城石井グランデュオ蒲田店」など多岐に渡るお店が揃う。隣には飲食店やユニクロ等のお店が揃った「東急プラザ蒲田」があり、24時まで営業しているスーパー「東急ストア蒲田店」もあるため仕事で帰りが遅くなった夜でも安心だ。屋上には都内で唯一の屋上観覧車である「屋上かまたえん」があり、当エリアのランドマークとなっている。蒲田駅から徒歩1分の場所には手芸用品の専門店で、蒲田が創業地である「ユザワヤ蒲田本店」がある。蒲田駅西口には「蒲田西口商店街(サンロード・サンライズ蒲田)」、京急蒲田駅には「京浜蒲田商店街あすと」があり、1年を通して様々なイベントが行われるほか、アーケード付きであるため雨の日の買い物も楽だ。他にも「蒲田西口クロス通り商店会」や、蒲田駅東口側にはグリーンアーケードが目印の「蒲田東口商店街(ぽらぷらーど)」があり、約240店舗以上のお店が軒を連ねる。蒲田駅から徒歩2分の場所には、日本工学院専門学校につながる「蒲田工学院通り商店会」があり、ラーメン屋などの飲食店が多く並び、お財布に優しい価格帯であるため学生たちからも人気だ。また、蒲田といえば安くてうまい飲み屋街でも知られる。蒲田駅東急線の高架沿いにある昭和レトロな雰囲気が漂う飲み屋街「蒲田東急駅前通りバーボンロード」で「せんべろ」も楽しんだり、餃子の名店である「你好(ニイハオ)」「歓迎(ホアンヨン)」「金春(コンパル)」など、“羽根付き餃子”発祥の「餃子の聖地」としてテレビでも紹介されるほど。さらに大田区は真っ黒な色で知られる黒湯温泉が湧き出すエリアでもあり、銭湯価格で温泉に入れる贅沢な日常を送ることができる。

蒲田駅の東口側には、行政施設や公共施設が揃う。蒲田駅の隣には「大田区役所」や、徒歩10分の場所には「大田区税務署」など官公庁が集まるため各種手続きにも便利だ。蒲田駅から徒歩7分の場所には「大田区民ホール・アプリコ」があり、コンサートや演劇などが鑑賞できる。蒲田は海のいきものをテーマにした「京浜蒲田公園」とアスレチック広場が備わった「仲蒲田公園」が、西蒲田はブロンズ銅像のモニュメントが特徴的な「西蒲田公園」があり、子どもたちが遊べる公園も揃う。

町工場を中心としたものづくりの街として発展してきた蒲田エリアは、安くてうまい飲屋街に常に人で賑わうアーケード商店街、さらには温泉と、まさに庶民のための楽園。とはいえ、現状ではその風景は変わりつつある。駅周辺は夜になると繁華街の雰囲気が目立つため、実際に治安があまりよくないエリアもある。女性単身住まいやお子さんを持つファミリーなど、気にしたい方は内覧時などによく現地周辺を歩いて自分の感覚で判断を。空の便も含めた交通アクセス利便は抜群、何より将来性も見込める蒲田エリア。前述のように、現状まだ価格は都内でもグッと抑えめで買い時と言える。アクセス利便を重視しながら、ノスタルジックな飲み屋街や飲食店で平日休日問わずリーズナブルに外食も楽しみたい、商店街などの賑わいがあるエリアに住みたい、という方にぴったりなエリアだ。

エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築5年のデュオステージ蒲田は、2023年2月に129万円/㎡から徐々に上昇し始め2023年8月には136万円/㎡まで上昇。その後、下落傾向に転じ2023年11月に134万円/㎡、2024年2月現在は平米単価130万円/㎡に。築27年の東急ドエルアルス蒲田は、2023年6月に94万円/㎡から2023年7月には101万円/㎡まで上昇。その後、徐々に下落傾向に転じ2023年11月は92万円/㎡、その後も下落が続き2024年2月現在は平米単価90.8万円/㎡に。築40年のエクセル蒲田は、2023年6月に66万円/㎡から2023年8月には77万円/㎡と約11万円/㎡上昇。その後も上昇傾向が続き、2024年1月に80万円/㎡、2024年2月現在は平米単価89万円/㎡に。

👉デュオステージ蒲田(総戸数126、2019年竣工)
👉東急ドエルアルス蒲田(総戸数46、1997年竣工)
👉エクセル蒲田(総戸数29、1980年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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