品川シーサイドエリアの中古マンション市況｜トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回１エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、品川シーサイドエリアをPICKUP。
オフィスビルや工業のイメージが強い湾岸のこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか？
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る品川シーサイドエリア

最高価格：1億5000万円　最低価格：1980万円
平均価格帯：約7380万円
販売物件数：92
※2023年4月現在

↑ 平均価格と売出戸数

↑ 平均価格と平均平米単価

このエリアを一言で

👉築30年まで平均価格7000万円台後半で安定
👉市場の90%が50㎡以上、特に60㎡台物件が豊富
👉売出物件は少なく若め。65%が築20年以下

今回は、品川シーサイドエリアをピックアップ。品川シーサイド駅（東京臨海高速鉄道りんかい線）が位置する品川区東品川には、品川シーサイド駅のほか、天王洲アイル駅（りんかい線、東京モノレール）が通る。
物件の位置によっては、京急本線の青物横丁駅、新馬場駅、北品川駅も徒歩圏内で利用できる。

平均価格と平均平米単価のグラフを見ると、築30年以下の物件の平均価格は、約7500~8500万円の高価格帯で安定している。一方、築30-40年は平均価格が1億円弱と飛び抜けているのが分かる。これは、100平米以上の億超え物件が価格を上げていることが要因である。一方、築40-50年では価格が急落しているようにも見えるが、これはこの年代のマンションが本エリアにおいては小さめサイズになるためである（築0-10年は平均65.5㎡、築10-20年は平均68.8㎡、築20-30年は平均76.8㎡、築40-50年は平均53.6㎡）。

江戸時代には東海道第一番目の宿場として栄えた後に、近代工業地帯として発展した品川。東品川は元々あった日本たばこ産業の品川工場跡地を、1990年代終わりから日本たばこ産業と都市基盤整備公団（現UR都市機構）が「品川シーサイドフォレスト」と周辺エリアを名づけて品川シーサイド駅と一体で都市開発を実施。現在の高層マンションやショッピングセンター等の複合施設が立ち並ぶ現在の街並みになった。

品川エリアでは都内でも指折り規模の再開発案件が進んでいる。高輪ゲートウェイシティ（仮称）がその代表格だ。品川駅と新駅である高輪ゲートウェイ駅をつなぐ周辺地区の再開発として、国際ビジネスの交流推進を目的に国際会議に対応したカンファレンスや外国人のための居住滞在地域、宿泊施設が完成する計画。また、駅と街全体をつなぐ歩行者広場デッキの建設も予定され、住宅・商業・ビジネスの街として今後益々の発展が期待される。

品川シーサイド駅から品川駅までは電車で約15分、羽田空港までも車で15分程度と、空の便への交通アクセスにも恵まれている。国内外の出張が多いビジネスパーソンや旅行が多いファミリーにも人気が高く、将来的な手堅いニーズが見込まれるエリアだ。

エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。
築年数が5年に満たないザ・プライムパークス品川シーサイドザタワーは2021年9月以降、平米単価が上昇し現在は130万円台後半に。築20年強のクレストフォルム品川キャナルガーデンは15万円程の幅で上下を繰り返しており、築年数40年超えのシャルマン東品川の平米単価は2022年6月に平米単価85万円台まで上昇したものの、現在は65万円台に落ち着いています。

👉プライムパークス品川シーサイドザタワー（総戸数817、2019年竣工）
👉クレストフォルム品川キャナルガーデン （総戸数43、2001年竣工）
👉シャルマン東品川（総戸数142、1980年竣工）

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

今回は街としてのオリジナリティや価値が高まりつつあるエリアの代表例として、品川シーサイド周辺エリアをピックアップしました。

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回１エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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