都立大学駅エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.06.24
都立大学駅エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、都立大学駅エリアをPICKUP。
緑豊かで閑静な高級住宅街として人気のこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る都立大学駅エリア

最高価格:1億4800万円 最低価格:910万円
平均価格帯:約5563万円
販売物件数:75
※2023年6月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件は少なく、平均総戸数34と低層マンションがメイン
👉40~60㎡の物件が中心、広め物件は少ない
👉築40年まで平均平米単価が100万円を下らない高価格帯エリア
👉築10年未満は、70~80㎡台の億ションが価格を押し上げ

今回は、目黒区の都立大学駅エリアをピックアップ。都立大学駅(東急東横線)を中心に目黒通り沿いの八雲、柿の木坂、平町、そして中根の4アドレスで見てみた。隣駅である自由が丘駅(東急東横線・大井町線)までは自転車で約7分、学芸大学駅(東急東横線)までは自転車で約8分の距離だ。

「都立大学」という駅名は、かつて東京都立大学があったことに由来する。現在その跡地は、イベントホールや図書館・体育館などが完備された都営の複合施設「めぐろ区民キャンパス」なっている。当エリアは八雲や柿の木坂を中心に高級住宅街としても根強い人気を誇るエリア。ハイセンスな個人店や飲食店も多い。一方で、「都立大学本通り親和会」など昔ながらの商店街も。また少し足を伸ばせば、活気ある商店街が魅力の学芸大学駅周辺、スイーツやグルメ、インテリアショップなどがひしめく自由が丘、どちらも楽しめるいいとこ取りな立地でもある。

本エリアは駅周辺をのぞき、大部分が第1種低層住居専用地域である。そのため、戸建てが多く、マンションも低層が中心。調査時点での売出物件を見ると、最大でも総戸数67戸、平均が31戸と中小規模マンションが主軸。そのため、必然的に売出物件数は少なくなる。また、売出物件の広さも40〜60㎡が全体の56%を占めており、90-100㎡は1件のみ、100㎡以上は一つもない、という売出状況。シングル用もファミリー用も数はかなり限られる。築10年未満の物件は平均価格が9000万円超と飛び抜けているが、これは70〜80㎡台の億超え物件が平均価格を押し上げている形だ。

本エリア周辺では、都立大学駅高架下に飲食店が並ぶ「ToritsuNade(トリツナード)」が2015年に完成するなど、駅を中心に開発が進む。都立大学駅では老朽化により、東急電鉄株式会社が事業主体となって駅の内装工事を実施。2020年3月に着工し、2023年の春頃にリニューアル予定であったが、現在も工事が進んでいる。また、隣駅である学芸大学駅でも2023年の秋から2024年の春にかけて、同じく高架下がリニューアルされる予定。老朽化に伴う耐震補強工事だけでなく高架下の雰囲気の改善、さらには駒沢通りと目黒通りをつなぐ新道の開通(補助26号線)を掲げて、「みんなでつくる学大高架下プロジェクト」として、住民や事業者、クリエイターの参加型で進められている。

都立大学駅からは東急東横線を使えば渋谷まで直通約10分、新宿三丁目まで直通約20分で行くことができる。また、都立大学駅で利用できる路線は東横線1本だが、駅前から目黒駅前(JR山手線・東急目黒線・東京メトロ南北線・都営三田線)までバスが約10分間隔で出ている。周辺には寺社仏閣が点在しており、目黒区最大のイチョウで「大いちょうの寺」として知られる常圓寺が、その代表格である。また、柿の木坂には世田谷から目黒区、大田区に流れ込む呑川の上にできた緑道「呑川柿の木坂支流緑道」がある。散歩道として整備されており、春になると桜満開の並木道になり花見スポットとして楽しめる。池でボート遊びや動物とも触れ合える碑文谷公園も散歩コース。自然環境が身近にあるエリアだ。さらに、東京23区内で比較しても犯罪件数が少なく治安は良いと言える。静かな環境で穏やかに暮らしたい人におすすめだ。駅周辺のリニューアルによって、さらに人の流入が増えることが期待される。高層住宅が建つ可能性は極めて低いので、今後も物件数は少ないままだろう。当エリアの中古マンション購入狙いの方は、物件の売り出し状況には目を光らせたい。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築13年のディアナコート八雲桜樹は、2023年2月の131万円/㎡から緩やかに下落、6月現在は平米単価121万円/㎡で落ち着いています。築37年のパシフィックパレス都立大は、2022年12月から2023年2月まで106万円/㎡台で一定、その後2023年6月現在までにやや上昇して平米単価111万円/㎡台に。築51年の自由ヶ丘スカイハイツは、2021年11月から2022年6月まで93万円台で維持していたものの、以降やや下落傾向に。2023年6月現在は平米単価87万円/㎡台となっています。

👉ディアナコート八雲桜樹(総戸数34、2010年竣工)
👉パシフィックパレス都立大(総戸数16、1986年竣工)
👉自由ヶ丘スカイハイツ(総戸数64、1972年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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