下目黒エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”
いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。
今回は、下目黒エリアをPICKUP。
桜の名所・目黒川と「インテリアストリート」と呼ばれる目黒通りの間に広がる洗練された住宅街であるこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。
データで見る下目黒エリア
最高価格:1億3480万円 最低価格:939万円
平均価格帯:約5823万円
販売物件数:107
※2023年8月現在
↑ 平均価格と売出戸数
↑ 平均価格と平均平米単価
このエリアを一言で
👉売出物件数は多め、市場の約46%が築20年以内の物件
👉80㎡台以上の億超え物件が築20-30年の平均価格を押し上げ
👉築30-40年は30㎡台の小規模物件が多め
今回は、目黒区の下目黒エリアをピックアップ。目黒駅の西口側にのびる目黒通りの南側に接し、目黒川にまたがるエリアだ。最寄駅となる目黒駅からはJR山手線・東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線・東急電鉄目黒線の4路線が利用できる。
◾️この街の歴史・街並み・特色
目黒は江戸時代に農村地帯として発展し、武家屋敷も存在していた。下目黒界隈には大鳥神社など、周辺には寺社が各所に点在しており江戸期には日本三大不動のひとつである「目黒不動尊」の門前町としても栄えた。明治時代以降になると宅地化が進むようになった。目黒通り沿いを進むと1907年〜1933年までかつて存在していた「目黒競馬場」が「元競馬場前」という名のバス停として当時の面影を残している
◾️中古マンションの売り出し状況
下目黒エリアの売出物件は、山手通りと目黒川周辺に集積している(先述の地図を参照)。築年数レンジごとにみると、築20年以内の物件(約46%)と築30〜50年(約40%)の物件に大きく分かれる。物件の広さは20〜60㎡が中心で、60㎡以上の物件は少ない。築20-30年の平均物件価格が約7530万円となっているが、これは80㎡台超えの1億円物件が平均価格を押し上げている。築30-40年の物件価格は約3353万円と他の築年数と比べて一見リーズナブルに見えるが、30㎡台のシングル向け物件が多い。前述のように60㎡以上の物件は少ないため、築年数を経ても価格が高い。1979年竣工のハイネス目黒が80㎡台で9000万〜1億150万円で売り出されている(2023年8月末現在)など、広さのある物件はニーズが高く件数も少ないため、狙っている人は売り出し状況には目を光らせておきたい。
◾️今後の発展の見込み、再開発予定
下目黒では、JR 山手線目黒駅から目黒通り沿いに向かって徒歩約18分の場所に地上11階建の複合施設「(仮称)下目黒五丁目計画」が日本郵政不動産株式会社によって建設が進んでいる。有料老人ホームと店舗の複合施設となり、1階にはスーパーマーケットが入居する。2023年10月に竣工予定だ。
◾️この街の住みやすさ
4路線が利用できる目黒駅は、山手線以外にも三田線を使えば日比谷駅や大手町駅などのオフィス街へも15分程度で行くことができるため、周辺に勤務先がある方には大変便利だ。駅直結には商業施設「アトレ」があり、「ザ・ガーデン・自由が丘」「成城石井」などのスーパーや「無印良品」「有隣堂書店」が揃っており日用品の買い物は駅で済ませることができそうだ。駅の西口を出て権之助坂沿いを歩くと昔ながらの飲食店などが並んだ「権之助商店街」があり、どこか懐かしい昭和の雰囲気が感じられる。目黒通りは、ヴィンテージ家具などのインテリアショップが軒を連ねる。「インテリアストリート」とも呼ばれ、休日の散歩先としても楽しめる通りだ。目黒川沿いは桜の名所で知られ、春の時期は桜並木がライトアップされるなど夜の花見スポットとしても人気が高い。当エリアには目黒区で最も古い公園となる「不動公園」や、12ヘクタールの広大な面積を持つ「林試の森公園」があり、ベンチでゆっくり休んだり子どもと一緒に遊ぶこともできる。ファミリーにとっても過ごしやすくおすすめだ。さらに、目黒駅周辺は映画館、美術館、博物館などのレジャー施設も充実している。目黒駅から徒歩3分のところには「目黒シネマ」があり、旧作鑑賞を含め2本立ての映画作品を手頃な価格で楽しめる。駅から徒歩7分のところには「東京都庭園美術館」があり、美術作品の鑑賞と緑豊かな庭園が同時に楽しめる。目黒駅から徒歩10分のところには屋外プールが備わった「目黒区民センター」があり、子連れファミリーにとって泳げる場所が近くにあるのも嬉しい。
エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移
現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。
築14年のイクサージュ目黒は、2023年2月時点の162万円/㎡から2023年5月には148万円/㎡まで下落。その後、また上昇傾向に転じ、2023年8月現在は平米単価154万円/㎡で推移しています。築50年のマンション下目黒苑は、2022年11月の107万円/㎡から2023年4月には97万円/㎡まで下落。2023年5月以降は再び100万円/㎡台に戻り、2023年8月現在は平米単価101万円/㎡に。築52年の目黒グリーンコープは、2022年8月の80万円/㎡から2022年9月には98万円/㎡まで上昇。その後も90万円/㎡台を維持し、2023年8月現在は平米単価95万円/㎡で安定しています。
👉イクサージュ目黒(総戸数203、2009年竣工)
👉マンション下目黒苑(総戸数28、19873年竣工)
👉目黒グリーンコープ(総戸数80、1971年竣工)
気になるあのエリアの最新市況データを見る方法
連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。
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