武蔵小山エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2024.04.20
武蔵小山エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、武蔵小山エリアをPICKUP。
都内最長のアーケード商店街とタワマンのコントラストが印象的なこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る武蔵小山エリア

最高価格:2億2000万円 最低価格:970万円
平均価格帯:約5953万円
販売物件数:61
※2024年4月現在



↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件数は少ない
👉平均平米単価は築30年未満まで100万円/㎡を下らない
👉築10年以内は200万円/㎡超えの超高価格帯
👉売り出し物件はエリア内で偏りあり

今回は、品川区の武蔵小山エリアをピックアップ。住所としては、武蔵小山駅と西小山駅(東急目黒線)の南側に広がる小山・荏原の2アドレスで見てみた。マンションの立地によっては、戸越銀座駅(東急池上線)も利用できる。
 
◾️この街の歴史・街並み・特色
武蔵小山エリアは、1923年に目黒蒲田電鉄(現在の目黒線)「小山駅」が開業。その後現在の「武蔵小山駅」へと改称された。1923年の関東大震災後に人が移り住むようになり、住宅地として発展。2000年以降の大規模再開発により「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」が2019年に、「シティタワー武蔵小山」が2021年に竣工し、タワーマンションが街の新たな象徴的風景に。1956年に開業した全長800mにも及ぶ都内で最も長いアーケード商店街「武蔵小山商店街パルム」が今も街の中心。平日休日問わず多くの買い物客で賑わう。

◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売り出し物件数は少なく、築年数は偏りなく売り出されている。平均平米単価は築30年未満までは100万円/㎡を下らない。また築50〜60年でも83万円/㎡と、築30〜60年までは10万円/㎡ほどのレンジ内で安定している。先述のタワーマンション「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」「シティタワー武蔵小山」の2棟を含む築10年以内の築浅マンションは、200万円/㎡を超える超高価格帯だ。売出物件は武蔵小山駅前や26号線通り沿い、立会道路沿いなど、エリア内でも偏りがある(前掲の売出物件MAPを参照)。

◾️今後の発展の見込み、再開発予定
本エリアでは、2006年の駅の地下化を皮切りに再開発が進められてきた。「武蔵小山パルム駅前地区第一種市街地再開発事業」では、武蔵小山駅の南口側に地上41階建のタワーマンション「パークシティ武蔵小山 ザ タワー」と、低層部には商業施設「パークシティ武蔵小山 ザ モール」が2019年に竣工している。また、武蔵小山駅前通り地区には、住友不動産株式会社により地上41階建の「シティタワー武蔵小山」が2021年に竣工し、タワーマンションが並ぶ街並みへと変貌した。
「武蔵小山商店街パルム」沿いの両脇に広がる小山3丁目地区でも再開発計画が進行中だ。2022年7月には「小山三丁目第1地区第一種市街地再開発事業」の都市計画決定が告示された。2030年を目指し、三菱地所・日鉄興和による約850戸のタワーマンションがパルム商店街の入り口に面した約1.4haの区域に建設される。また、隣接する区画では「(仮称)小山三丁目第2地区第一種市街地再開発事業」が進行中。低層部に商業施設や公益施設が設けられる地上41階建のツインタワーマンションが2030年に竣工予定だ。

◾️この街の住みやすさ
武蔵小山駅(東急目黒線)から目黒駅でJR山手線に乗り換えれば、渋谷駅まで約15分、品川駅まで約16分、新宿駅まで約23分でアクセスできるため交通利便は良好だ。

武蔵小山駅の周辺には買い物施設も豊富に揃う。武蔵小山駅直結には、商業施設の「エトモ武蔵小山」がある。2階にはスーパーの「東急ストア 武蔵小山駅ビル店」が24時まで営業しているため、帰宅時間が遅くなった夜でも安心して買い物ができる。武蔵小山駅の東口側には、「オオゼキ武蔵小山店」「成城石井 武蔵小山店」のスーパーがあり日頃の買い物は駅周辺で済ませることができる。武蔵小山駅の東口側にすぐある場所には商業施設の「パークシティ武蔵小山 ザ モール」があり、飲食店や生活雑貨店、医療施設などが揃う。当エリアには、街を象徴するアーケード商店街「武蔵小山商店街パルム」がある。全長約800mと東京屈指のアーケード商店街であり、飲食店や食料品店など約250店舗が軒を連ね雨の日でも気軽に買い物することができる。カラオケ・ゲームセンターなど娯楽施設も揃う。戸越銀座駅の近くには「戸越銀座商店街」があり、鮮魚店や惣菜店など昔ながらのお店が豊富に揃う。

武蔵小山駅から北方面へ約10分歩いたところには、総面積が約12万㎡を持つ広大な「林試の森公園」がある。春にはお花見が楽しめるほか、夏には子どもたちがじゃぶじゃぶ池で遊ぶこともできる。緑豊かな木々に囲まれており、ジョギングや散歩にも適している。花や植物を楽しめる「武蔵小山緑道公園」、飛行機型の遊具が備わった「小山台東公園」もあり、公園・緑地は豊富だ。武蔵小山駅の東口側には、「武蔵小山温泉 清水湯」があり、黒湯温泉と黄金の湯の2種類の天然温泉で疲れを癒すことができる。

昔ながらの住宅地や商店街の風景を保ちつつ、近年急速に変貌しつつある武蔵小山エリア。商店街を取り巻く再開発予定の今後の動向には注目したい。都内の交通利便性も持ちながら、商店街のような懐かしい風景の居心地のよさ、たくさんの店舗がぎゅっと集まる商業エリアを身近にしたい人におすすめ。飲食店も多いので、外食の頻度が高い人も困らないだろう。単身者からファミリーまでフィットする懐広いエリアだ。なお、武蔵小山駅の北側は、品川区と目黒区との区境にあたる。周辺への引っ越しを検討する際には、希望の行政区側であるか確認を。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築5年のパークシティ武蔵小山 ザ タワーは、2023年5月に197万円/㎡から緩やかに推移し2023年11月に201万円/㎡、2023年12月に199万円/㎡まで下落。その後、徐々に上昇し始め2024年2月に202万円/㎡、2024年4月現在は平米単価205万円/㎡に。築36年のスカイコート品川第5は、2023年7月に65万円/㎡から2023年11月に62万円/㎡まで下落。その後、2024年1月に68万円/㎡、2024年3月に71万円/㎡まで上昇。2024年4月現在は67万円/㎡に。築45年のライオンズマンション荏原は、2023年8月に99万円/㎡から2023年10月96万円/㎡まで上昇。2023年12月から2024年2月まで103万円/㎡、2024年4月現在は平米単価98万円/㎡に。

👉パークシティ武蔵小山 ザ タワー(総戸数624、2019年竣工)
👉スカイコート品川第5(総戸数14、1988年竣工)
👉ライオンズマンション荏原(総戸数47、1979年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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