知らなきゃ予想外の出費もあり得るかも!?マンションの防火について考えよう

2016.04.16
知らなきゃ予想外の出費もあり得るかも!?マンションの防火について考えよう
新築マンションの高騰の影響もあって、ここ数年は中古マンションを購入しリフォームして住む方が多くなってきています。 中古マンションをリフォームする事で、新築マンションに勝るとも劣らない住環境をより安価に入手する事ができるため、今後もこの流れがなくなることはないと思います。せっかくリフォームするわけですから、どうせならより安心して暮らせる部屋にしたいものです。 一般にリフォーム時にあまり意識される事はないのですが、この機会に災害に強いリフォームついて考えてみてはいかがでしょうか?一口に災害対策と言っても台風や地震など多岐にわたるのですが、今回は特に「防火」に目を向けてみたいと思います。

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)

マンション購入時に考える火災対策

そもそもマンションは火災に非常に強い構造になっています。 マンションの構造体である鉄筋コンクリート自体そうそう燃えるものではないですし、設計にあたって建築基準法や消防法に準拠して作られているためマンション自体は高い耐火性能を持っています。仮にマンション内のある部屋内で火災が発生したとてしても、住戸毎に壁や扉で区切られているため、マンションのほかの部屋に延焼する事はほとんどありません。ですからマンションを選ぶときに、火災対策という面では特に気にするポイントはないのですが、ひとつだけ気を付けてほしい点があります。それはほかの建物からの延焼の可能性です。マンションでの火災の場合、たしかにマンション内の他の部屋からの延焼はほとんどないのですが、隣接する建物との距離が近くそちらで火災が発生した場合、そちらから飛び火する可能性があります。 都心部のマンションでは部屋の窓から数メートル以内に他の建物がある場合もあり、そういうマンションでは他の建物からの延焼リスクがある事を考慮する必要があります。 あたらしくマンションを購入する場合、どうしてもその家がほしい理由がある場合でなければ、隣の建物との距離があまりにも近い物件は候補から外すといいでしょう。また、他の家からの延焼で被害を受けた場合には、火元となった相手側には損害賠償責任が一切発生しません。 損害の費用はすべて自分でなんとかしなくてはならない事も知識として知っておいてください。これから新しくマンションを購入する場合は「隣の建物との距離に注意する」ようにしてください。

火災に強いリフォーム工事

火災対策という面でマンション全体としてはあまり意識するポイントはないのですが、その専有部分に関してはいくつか注意すべきポイントがあります。
火災に強い内装材を用いる
一般的なマンション用の内装材は防火性能を有しているものがほとんどですから、あまり気にしなくても問題ありません。 しかし、たとえば壁紙だけ難燃性のものを用いても、その下地の石膏ボードがそうでなくては意味がありません。 フローリングなどの床材についても同様です。 リフォームを行う際には、リフォーム業者とよく相談して耐火性の高い材料を使用するようにしてください。
ガスの使用を制限する(IHコンロの採用)
一番の防火対策、それはそもそも火事を出さない事です。 そして、マンションの部屋内で火事が発生する可能性を最小限に抑えるために一番有効な方法は部屋内での火の利用を避ける事です。 タバコを吸わない家庭であれば、目に見える形で火を使う個所はキッチンのガスコンロだけのはずであり、ここをIHコンロに替える事で火事の発生する確率を大幅に下げる事ができます。 IHコンロはその使い勝手がガスコンロと多少異なるために嫌う方もいますが、火を使わない事以外にもメンテナンスの容易さ等でガスにはないメリットも存在します。災害に対する安全性をより高めるために、一度IHコンロの使用を検討してみる事をおすすめします。
火災警報器
住宅用の火災警報器については2004年にその設置が義務付けられました。 それ以降に建設されたマンションには当然火災警報器が設置されていますし、それ以前に建設されたほとんどのマンションにも火災警報器が設置されています。新しく購入した部屋に火災報知器が取り付けられていた場合、一時的にでもそれを取り外す場合や移設する場合には、管理組合への確認が必要になります。 また、その移設や設置について工事業者が指定されている場合もあります。 リフォーム時には必ず火災報知器について管理組合に確認するようにしてください。
間取り変更時の注意点
間取りを変更する場合には、非常時の避難経路を意識した間取りにするようにしてください。 火災が発生したときに部屋からの脱出経路になるのは、玄関、もしくはバルコニーのいずれかになります。 リフォーム時に部屋の間取りを変更する場合には、どの部屋からでもスムースに逃げられる事を意識した間取りにするようにしてください。 火災発生時には煙で視界が妨げられる事も多く、パニック状態に陥る事もあります。 そのようなときにもスムースに逃げられる間取りにしておく事は安全対策として非常に重要です。

まとめ

マンションは本来火災に強いものですが、上のようなポイントを押さえてリフォームを行う事で、火災に対する安全性はさらに高まります。 せっかくリフォームするのですから、ぜひ安心して暮らせる住居を手に入れるようにしてください。
株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

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