高年収を得る人々がタワーマンションに住む理由とは?
「ITで成功した○○氏が最上階を購入したらしい」 「人気芸能人カップルの○○夫妻も住んでいるらしい」
そんな噂も絶えず聞こえ、富裕層に大人気のタワーマンションですが、この人気にはどのような理由があるのでしょうか?
昔、一国一城の主達が、築城したお城の天守閣から領土を眺めたように、彼らは摩天楼のてっぺんから東京を眺めて自分の成功を実感しているのでしょうか?実は、タワーマンションに暮らすことは、現代の社会で成功している人にとって何ものにも代えがたい「メリット」が存在していたのです。
監修者:針山昌幸
田園調布人気の下落が示すこと
日本の高級住宅街として有名な田園調布は政界や財界の大物たちが住む場所として誰もが知っている街です。
この田園調布は、近代日本の経済と産業の礎を築いた官僚であり実業家でもある渋沢栄一が、理想的な住宅地である田園都市を開発するという目的で、1918年に設立した田園都市株式会社によって造られました。渋沢栄一の息子でこの計画に関わり、自らも田園調布に暮らした渋沢秀雄が、海外の田園都市を視察するために1919年に欧米11カ国を訪問。彼の意見によって、田園調布駅の西側にある有名な半円のエトワール型と呼ばれる道路が取り入れられました。
昭和の時代には、政界、財界、そしてスポーツ界や芸能界での成功は田園調布に家を構えることで証明される、そう言っても過言ではありませんでした。
しかし、平成の世になり、この田園調布人気は下降していると言われています。
かつては、成功者が望む良い家というのは、水害などの心配のない高台の水はけが良い地域で、広い邸宅と広い庭を造れる敷地を確保でき、都心へのアクセスも良い場所でした。田園調布はこれらにぴったりの土地柄でした。
しかし、今の田園調布の駅周辺にはこれ以上飲食店や大型店舗を増やす余裕はなく、建築の規制のために住宅街の中にはコンビニも少なく、自動販売機もありません。閑静な住宅街は、若い視点では生活に不便な場所となってしまい、これらのデメリットを嫌がる人が増えたのです。
ベッドタウンが郊外に造られていた昭和の頃なら田園調布は抜群の立地といえましたが、都心回帰で都心のど真ん中や湾岸部に高層マンションが次々建設されている今、多摩川の向こうにある田園調布は相対的に遠くに感じられてしまいます。
緑多い住宅街というイメージも、大都市東京をパノラマに見渡せたり、美しく整備された公園を借景にできる都心部の高層マンションの魅力には負けてしまい、今の成功者、一流の人たちにとっては時代遅れになってしまっているのです。
タワーマンション購入のメリット
今の時代の成功者たちが住まいに望むもの全てが備わっているのが、都心のタワーマンションといえます。
都心への抜群のアクセス
都心ヘのアクセスが抜群というよりも、タワーマンションであれば都心部そのものに住むことが可能です。東京のウォーターフロントエリアや東京駅周辺、あるいは皇居周辺や六本木など、職場に近い場所であれば仕事のフットワークを軽くしてくれます。
帝国バンクの調査によると、本社機能を郊外に移していた企業が、ここ最近都心に本社を戻す傾向にあることがわかっています。また、テレワーク、在宅勤務が比較的やりやすいIT企業でも、相手の顔が見えない中ではコミュニケーションがうまく取れないというケースも出ていることがわかり、社員をオフィスに呼び戻す動きが出ているそうです。
それに伴い、通勤費よりも安くなることから、オフィス近くに住む社員に対して家賃補助を行う企業が増えてきています。例えばIT大手のサイバーエージェントでは「2駅ルール」という家賃補助制度を作り、勤務しているオフィスの最寄駅から2駅圏内に住んでいる正社員に対して、月3万円の家賃補助を行っています。
このように、東京一極集中を回避するという政府や自治体の方針とは裏腹に、都心人気は高まる一方です。
生活の質を上げる共用施設
都心部のタワーマンションには、その地域一帯を再開発してスーパーや飲食施設を作ったり、フィットネスジムやパーティールーム、あるいはフロントサービスや保育施設を設置して居住者の暮らしやすさを実現しています。
生き馬の目を抜くような競争の世界に生きる彼らですが、タワーマンションであれば忙しい毎日の中で余計な時間を使わずとも必要なものが全て足元に揃っている生活が可能となります。
非日常を演出してくれるタワーマンション
実業界でも、スポーツ界、芸能界でも、常にライバルとの駆け引きに身を晒し、有名人として人々の耳目を集め、あるいは経営者としての大きな責任を負っている彼らにとって、住まいは唯一の寛ぎの場所と言えます。
それと同時に新たな戦略を考えたり、新しいアイデアが閃くような創造性豊かな場所でもなければなりません。そのために、生活空間といえども非日常の空間であることも望まれます。
まるでロビーをはじめとして高級ホテルのような共用施設、自宅に戻れば摩天楼から眺める大パノラマの東京・・・。非日常空間がそこにはあります。
超高層からの眺望という変わらぬ価値
田園調布のような古き時代の一流の人たちの理想的な住まいは横の広がり、広い敷地こそステイタスと言えましたが、今の時代の一流の人たちが目指すのは高みかもしれません。
広い敷地も隣にどんな建物が建つかによって、価値が損なわれる可能性もあります。しかし、タワーマンションの最上階からの眺望はまず滅多なことでは損なわれないのです。
投資物件としての価値
オリンピックを2020年に控えた東京ではタワーマンションの需要が高まっており、オリンピックが近づくにつれその勢いはますます盛んになっています。タワーマンションは日本の富裕層だけでなく、中国系をはじめとする外国人も競争のように購入していると聞きます。
もし、いつか住まいを変える時に、投資物件として一番有益なのがタワーマンションであることも、目先の利く彼らならしっかり計算済みということでしょう。
良質なコミュニティの一員となれる
タワーマンションの購入者であれば、世帯年収がある一定額以上の人々の集まりになります。マンション内に生まれるコミュニティも良質で、似たような価値観を持つ人々で形成され、無用なトラブルが避けられます。仕事に有用な新たな繋がりができる可能性もあるのです。
まとめ
一流の人が住まいにタワーマンションを選ぶ理由について考察してみました。
タワーマンションは確かに高額であることは間違いありません。ただ史上最低金利の今、憧れのタワーマンションを手に入れることが出来る千載一遇のチャンスかも知れません。
マンションジャーナル編集部
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