なぜ、港区はこんなにも人気なのか?
2016.06.01
港区と言えば住人が「シロガネーゼ」と呼ばれる白金をはじめ、六本木、麻布、赤坂、青山、高輪など、高級住宅地が密集するエリア。実際、東京23区の平均所得水準が約429万円に対し、港区の平均所得水準は全国でも圧倒的トップの約903万円です。そこで今回は一体なぜここまで港区に富の集中が起き、不動の人気が続いているのか徹底分析しました。
監修者:針山昌幸
港区の所得と人口増加率
まずは港区における所得と人口の動向について見てみます。下記のグラフをご覧ください。 ※所得水準は「統計でみる市区町村のすがた(総務省)」、人口増加率は「東京都の人口(東京都)」より作成1997年以降の数値を表したグラフからも分かるように、特に2000年以降人口増加率が高くなり所得水準も上昇し始めます。特に所得水準は2005年からのわずか4年間で、1.4倍に跳ね上がっています。2009年以降下がっているのはリーマンショックの影響だと思われます。所得額アップの裏側
一体なぜ、港区の所得水準は2000年以降に急上昇したのでしょうか?その背景には港区の大規模な都市開発があると思われます。2003年の六本木ヒルズ開業を始め、2003〜2007年の汐留シオサイト開業、2007年の東京ミッドタウン開業、2008年の赤坂サカス開業が相次ぎ、街としての魅力が一気に増しました。↑六本木ヒルズ
↑東京ミッドタウン
これら商業施設の新規オープンはマスコミに連日大きく取り上げられ話題となり、その結果、港区が更なるブランド力を獲得する要因となりました。しかし大規模な都市開発以外にも、港区に富が集中した理由があったのです。それが人々の「ライフスタイルの変化」なのです。移り変わるライフスタイル
高度経済成長期からバブル崩壊、失われた20年を経て、大きく変わったのが『時間』と『距離』の概念です。社会が成熟し、消費も成熟してくると人々の欲求と関心は、生活維持より自己実現に変わっていきます。物質的な欲求が満たされると心の満足感の欲求が強くなり、余暇の時間をいかに充実して過ごすか、また余暇の時間をいかに作れるかが着目されるようになりました。昔の様に郊外に暮らすのではなく、都心に暮らすことで通勤時間を短くし、なるべく多く余暇を作る。また都心部の商業施設を楽しむ様な『都心ライフ』が憧れの的となり、都心移住者が年々増えていきました。ではなぜ港区が、都心ライフの中心になったのでしょうか?都市発展の四大要素すべてがそろった「港区」
都市が発展する四大要素はヒト、モノ、カネ、情報と言われています。そしてこれらの要素を全て兼ね備えているのが「高層ビル」。この高層ビルが港区には圧倒的に多いのです。港区にはなんと東京23区に立つ15階以上の高層ビルのうち18%、30階以上の高層ビル27%が集中しています。この数字は圧倒的に東京で1番です。また昼間の人口が一番多いのも実は港区。と言っても昔からではなく、2005年以降になってから昼間人口1位になりました。現在港区に集まる企業の中でも、特に集中しているのが情報通信産業で、YahooやSoftbankをはじめとするソフトウェア業です。民間放送業に至っては在京民放5局すべてが港区に本社においています。港区に働きにきている人が多いのがよくわかります。こうして見ると、港区には四大要素ヒト、モノ、カネ、情報、すべてが揃い、『東京の中の東京』、『東京の要』と言われているのも頷けます。充実した子育て支援政策
意外かもしれませんが港区には若い世代の流入が多く、特に幼児の割合が高い特徴があります。- 出産費用助成 上限60万円まで(1位)
- 区立スポーツセンター利用料 400円
- 産前産後 期間内コミュニティバス料金無料
まとめ
東京の中心区ゆえにたくさんの人が集まり、アクセスも便利で、商業施設から福祉のサービスまで充実している港区。その結果、富の集中が起き、人気を不動のものとしました。有名大学、大使館、美術館や博物館も数多く、心の豊かさを満たせる港区のブランド力は今や盤石であり、今後も『住みたい街』として不動の人気を誇ると思われます。株式会社Housmart
マンションジャーナル編集部
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