不動産の紛らわしい広告を徹底解説
2015.01.07
不動産広告には、パッと見ただけではなかなか「良い不動産」なのか「悪い不動産なのか」見分けが付きにくい広告があります。今回はそんな広告の注意して見て頂きたいチェックポイントをご紹介します。
監修者:針山昌幸
前面道路が狭過ぎないか
良くあるのは前面道路が狭過ぎる物件です。前面道路が狭い一番のデメリットは「車が通らないこと」です。自動車が通る為には前面道路の広さは最低でも3m以上欲しいところです。自動車を持っていない人でも、車が通らない物件を買うことはデメリット尽くしです。まず、救急車や消防車などが家の前まで来る事が出来ません。万が一火事になったら、消火活動にもの凄く手間取ることになります。また前面道路が狭い物件は、家の建設・リフォーム・解体にも多額の費用がかかります。工事車両を家の前まで持ってくる事が出来ないため、材料は全て手運びになり人件費が膨れ上がります。工事の種類によってはそ、もそも対応出来ない場合もありますので要注意です。道路ではなく通路のこともある
目の前の道路が狭い場合、実は道路ではなく「通路」だったというケースも多く見られます。道路と通路の違いは、道路としての基準を満たし、国が道路として認めているかどうかです。家を新しく建築する場合、道路に接していることが条件になります。家の目の前の道が「道路」ではなく「通路」の場合、家を建てる事が出来ません。道路に2m接しているか
また家を建てるための条件として、道路に「2m以上」接していることが条件になります。この規制を「接道義務(せつどうぎむ)」といいます。上の図のような形の土地だと、道路に1.5mしか接していませんので、家を建てる事が出来ません。この場合、隣地の方に相談して土地を2m以上接する様にする必要があります。車を置くなら2.5mは道路に接している必要がある
建築基準法上は道路に2m接していればいいのですが、車を置く事を考えると2.5mは道路に接していないと車は入りません。また2.5m道路に接していても、自動車の大きさや道路自体の幅によって車庫入れが難しいことがありますので、現地をよく確認してください。土地が小さ過ぎないか
40平米未満の土地は住宅ローンが付きません。銀行が「担保価値無し」と判断するためです。50平米ですと、12.1坪という大きさですから、現金で買って家を建てるにしても、間取りがとんでもないことになります。間口が狭すぎないか
土地が道路と接している長さを「間口」と言います。難しいテストのことを「間口が狭い」と言いますが、家の間口から来ている言葉です。土地の大きさが十分にあっても、間口が狭いと家が建ちません。少なくとも5mは間口が欲しいところです。土地に高低差がないか
営業マンから案内される図面からでは分からないのが現地に行ってみたら土地に高低差があったという状況です。後ろが崖だったり、隣りの家と高低差があったり、道路から敷地が盛り上がっていたりします。土地に高低差があると、土地が崩れないための擁壁(ようへき)の工事や、地盤の工事で数百万〜数千万かかってしまいます。土地の値段だけでなく、実際の工事費用を含めると相場よりも超割高になってしまうのです。近所に嫌悪施設はないか
いわゆる「嫌悪施設」と呼ばれるお墓・電波塔・火葬場などの施設がある物件は値段が安くなります。権利は所有権か、借地権か
土地には「所有権」と「借地権」の2種類があります。借地権の場合、土地の権利は地主のものとなり、その土地で生活する権利(借地権)を買う形になります。所有権の物件と比べ6〜7割の値段で買う事が出来ますが、毎月地代を支払い、家の建て替えや売買には地主の許可が必要になります。photo by pixabay株式会社Housmart
マンションジャーナル編集部
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