松原・東松原エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.12.15
松原・東松原エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、松原・東松原エリアをPICKUP。
新宿・渋谷まで10分以内ながら緑多き低層住宅街が広がるこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る松原・東松原エリア

最高価格:1億2980万円 最低価格:680万円
平均価格帯:約4899万円
販売物件数:48
※2023年12月現在





↑ 平均価格と売出戸数



↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件数は少ない。築40-50年が市場全体で33%を占める
👉平米数は40㎡台と80㎡台の売り出しが多め
👉築10-20年は80㎡以上の億超え物件が価格を押し上げ
👉小・中規模マンションがメイン

今回は、世田谷区の松原・東松原エリアをピックアップ。住所としては、松原駅と東松原駅に挟まれた「松原」となる。世田谷区の北側に位置し、杉並区と接する。松原駅(東急世田谷線)・下高井戸駅(京王線・東急世田谷線)・明大前駅(京王井の頭線・京王線)・東松原駅(井の頭線)の4駅が徒歩圏内で利用でき、アドレス内の南側であれば梅ヶ丘駅(小田急線)が最寄駅となる。
                                           
◾️この街の歴史・街並み・特色
「松原」の名は、元禄10年から16年間(1697年〜1713年)ごろまで遡ることができると言われる。本エリア周辺は閑静な住宅街となっており、緑道や公園も多い。松原1丁目・3丁目・4丁目・5丁目を中心に第1種低層住居専用地域が多く占めるため、戸建の比率が高いことも特徴だ。

◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件は少なめ。これは前述した通り、戸建中心のエリアであるため。築40-50年の物件が市場全体の33%を占める。築10-20年の平均物件価格が9608万円と高めである理由は、平米数が90㎡以上・1億円超えの「ユニーブル世田谷明大前」が平均価格を押し上げているため。売り出し物件の多くは下高井戸駅と明大前駅の周辺、首都高4号線沿いに集まっている。北側の首都高4号線近辺は別だが、より南側、松原アドレスの中心は第1種低層住居専用地域に指定されている部分が多いため、戸数が小規模の低層マンションが多くなっている。

同じ世田谷区の三軒茶屋エリアと比較すると、全体的に松原・東松原エリアの方が安め。築50-60年で見ると平米単価で20万円ほどの差が出ており、松原・東松原の方が求めやすい価格帯になっている(三軒茶屋は89万円/㎡、松原・東松原は69万円/㎡。三軒茶屋は2023年8月調査時点の数値)。

◾️今後の発展の見込み、再開発予定
本エリアでは、明大前駅のリニューアルが行われる予定。京王線の「笹塚」駅から「仙川」駅にかけて連続立体交差事業が2013年から着手されており、京王線高架化に伴い明大前駅を含め、代田橋駅・下高井戸駅・桜上水駅・上北沢駅・芦花公園駅・千歳烏山駅の合計7駅がリニューアルされる(竣工日は未定)。この事業では、 鉄道を高架化することで25ヵ所の踏切を撤去し、7箇所の都市計画道路を立体化する。あわせて側道も整備される予定だ。明大前駅は、ホーム2面・4線の駅になる見通し。また、この再開発事業と合わせて世田谷区では明大前駅周辺地区の街づくりを進めるための「明大前駅周辺地区地区街づくり計画」及び「明大前駅駅前広場周辺地区地区計画」を策定、計画的な街づくりが進む。

◾️この街の住みやすさ
5駅4路線が利用できる当エリアでは、京王線・京王井の頭線を利用すれば渋谷駅と新宿駅まで10分以内でアクセス可能。明大前駅から渋谷駅まで約10分(井の頭線)、新宿駅まで約7分(京王線)と乗り換えなしで行くことができる。

最寄駅が複数ある当エリアでは、駅を中心にスーパーや商店街が集まるので使い分けることができる。松原駅からすぐの場所には「オオゼキ松原店」が、徒歩3分の場所には24時間営業の「まいばすけっと松原駅前店」がある。また、松原駅前には「赤堤商店街」がありお惣菜や洋服店、カフェもあるため用途に合わせて買い物が楽しめる。下高井戸駅から約5分の場所には、スーパーの「西友下高井戸店」がある。梅ヶ丘駅の北口を出てすぐある場所には、23時まで営業の「Odakyu OX 梅ヶ丘店」があり上質な食品が揃う。また、梅ヶ丘駅から2分程歩くと約190店舗並ぶ「梅ヶ丘商店街」があり、八百屋・魚屋・肉屋が揃う他、季節ごとのイベントも行われるため地元住民で賑わう。東松原駅前には、「東松原駅商店街」があり、商店街の中にはスーパーの「パルケ 松原店」も揃い買い物にも便利だ。明大前駅には「京王ストアエクスプレス明大前店」や、24時間営業の「スーパーマーケット リコス 松原1丁目店」がある。

当エリアには遊具・健康器具が揃った公園もある。松原駅近くには、遊具やベンチが備わった「赤松公園」があり、子どもたちがのびのびと遊べる場所がある。東松原駅の近くには「羽根木公園」があり野球場やテニスコートなどスポーツ施設が備わるほか、春は梅・桜の名所であり、四季に触れながら子どもから大人まで散策や運動、リフレッシュができる。羽根木公園内には「世田谷区立梅丘図書館」があり、散歩の時に立ち寄って読書が楽しめる。東松原駅の近くにはスポーツクラブ「エニタイムフィットネス 東松原店」もある。

渋谷駅・新宿駅の2大ターミナル駅へのアクセスの良さがありながら、生活に必要な買い物スポットは確保され、落ち着いた居住環境が守られている松原エリア。明大前駅のリニューアルや街づくりの計画があるため、駅を中心とした交通利便性や生活利便性の向上にも期待ができる。都内主要駅まで近い立地で、公園や緑が多く閑静な住宅地で暮らしたい・・そんな方におすすめなエリアだ。物件数は少ないので、狙い撃ちする人は売り出し状況をこまめにチェックするなどして見逃さないようにしたい。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築16年のパークハウス世田谷松原は、2023年7月に98万円/㎡から2023年9月には114万円/㎡まで上昇。その後114〜115万円/㎡の間を維持、2023年12月現在は平米単価114万円/㎡台に。築51年の三田松原コーポは、2023年2月に50万円/㎡から2023年4月には70万円/㎡まで上昇。その後も上昇を続け、2023年6月には76万円/㎡に。その後、下落傾向に転じ2023年11月に63万円/㎡まで下落したものの、再び上昇。2023年12月現在は平米単価69万円/㎡台に。築48年のサンドエル松原は、2023年7月に92万円/㎡から下落し始め、2023年9月は78万円/㎡まで下落。2023年10月に78万円/㎡から2023年12月現在は平米単価82万円/㎡台に。

👉パークハウス世田谷松原(総戸数41、2007年竣工)
👉三田松原コーポ(総戸数34、1972年竣工)
👉サンドエル松原(総戸数84、1975年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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