中目黒エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2024.02.22
中目黒エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、中目黒エリアをPICKUP。
目黒川沿いにお洒落な飲食店やショップが立ち並び、春には満開の桜で彩られるこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る中目黒エリア

最高価格:3億3000万円 最低価格:1050万円
平均価格帯:約7647万円
販売物件数:77
※2024年2月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件数は少ない。築10-30年、築40-60年が多め
👉物件面積は40〜60㎡台がメイン
👉築10-20年は1〜3億円超の物件が半数を占める
👉築50年超でも100万円/㎡台をくだらない高価格帯エリア

今回は、目黒区の中目黒エリアをピックアップ。目黒川沿いに広がる上目黒・中目黒の2アドレスで見てみた。中目黒駅(東京メトロ日比谷線・東急東横線)が最寄駅となる。マンションの立地によっては、代官山駅(東急電鉄東横線)と祐天寺駅(東急東横線)も利用できる。                                      
                                          
◾️この街の歴史・街並み・特色
中目黒エリアは、江戸時代は農村地帯であった。1927年に中目黒駅(東急電鉄東横線)が、1964年に東京メトロ日比谷線が開通。2000年以降、中目黒駅周辺では大規模再開発が行われ、2002年には地上25階建の複合施設「中目黒ゲートタウン」が誕生。また2009年竣工の地上45階建の高層マンション「アトラスタワー」は当エリアのランドマークとなっている。「アトラスタワー」は隣接する建物「アトラスタワーアネックス」・「中目黒アリーナ」と合わせて「ナカメアルカス (Nakamearukas) 」の名で一体開発された。また、2008年からの中目黒駅改良工事と高架橋の耐震補強工事をきっかけに中目黒駅周辺が整備され住みやすい街へと変貌をとげる。2016年11月には「中目黒高架下」が開業。高架下沿いにはお洒落なカフェ・飲食店や雑貨店が並ぶ。一方で、中目黒駅周辺には再開発前の空気感を感じさせる、昔ながらの商店街も残っている。上目黒3〜5丁目と中目黒3・5丁目は第一種低層住居専用地域に指定されており、低層マンションや戸建て住宅中心の住宅街となっている。

◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件は少なめ。築10-30年(市場全体の35%)と築40-60年(45%)が多め。物件面積は40〜60㎡台が中心。築10-20年は3億円超の高層タワーマンション「中目黒アトラスタワー」をはじめ1〜3億超の物件が半数を占める。築30-40年は現時点で最高価格である150平米超・3億円超の物件が平均平米単価を押し上げている。築40-50年は105万円/㎡、築50-60年も107万円/㎡と築年数を経ても100万円/㎡台をくだらない高価格帯エリアだ。JR目黒駅方面の下目黒の平米単価と比較してみると、下目黒の方が全体的に価格は控えめだ。また、先述したように中目黒エリアは第一種低層住居専用地域に指定されている範囲が広く、低層マンション・戸建てが多い。大規模マンションは限られるため、当エリアの売出物件数は多くない。

◾️今後の発展の見込み、再開発予定
2000年以降の大規模再開発により大きく街の姿を変えた中目黒エリアでは、住民も参加してのまちづくりが現在も活発に進む。中目黒駅の北側に位置する上目黒1丁目では、2020年12月に「中目黒駅前北地区市街地再開発準備組合」が設立され、事業協力者が丸紅都市開発株式会社と東急株式会社に決定。いよいよ具体的な都市計画に向けて動き出す段階だ。中目黒駅周辺エリアは、「中目黒駅周辺地区整備計画」・「目黒区基本計画」・「目黒区都市計画マスタープラン」を踏まえながら策定された「ナカメ未来ビジョン」のもと、中目黒駅周辺地区街づくり協議会と目黒区を中心とした公民連携によるまちづくりが進む。これは実施期間を約20年間と想定する長期的な視野に基づく構想となっており、「ナカメ」(「ナカメ未来ビジョン」では、中目黒駅を中心とした概ね半径800mの範囲と規定)に住む人や仕事等で訪れる人を中心とした繋がりが生まれるような都市計画が掲げられている。緑道や公共空間での交流が生まれるような仕掛けづくりや、中目黒と隣接する池尻大橋・代官山・祐天寺等との回遊性の促進、駅前の公開空地等を活用したイベントの開催などが掲げられ、ゆったりと歩いて散策や買い物、食事を楽しむ街の雰囲気は今後ますます活気付くだろう。

◾️この街の住みやすさ
東急電鉄東横線と東京メトロ日比谷線の2路線が利用できる中目黒駅は都内主要駅への交通利便性は良い。中目黒駅(東横線)から渋谷駅まで約3分、新宿駅まで約15分、横浜駅まで約25分と乗り換えなしで行くことができる。

中目黒エリアには買い物施設も豊富に揃う。中目黒駅の高架下沿いには本屋とカフェで併設された朝10時〜夜25時まで営業の「中目黒 蔦屋書店」があり、リラックスできる空間となっている。中目黒駅から徒歩1分の場所には「ライフ中目黒店」や24時まで営業の「東急ストア 中目黒本店」があり、夜遅くの買い物でも安心だ。中目黒駅から徒歩4分の場所にはオーガニック食材が揃った「ビオセボン(Bio c' Bon)中目黒店」がある。中目黒駅から徒歩4分の場所には「ニトリEXPRESS 中目黒店」が、徒歩11分の場所には「ドン・キホーテ中目黒本店」があり、日用品の買い出しにも不自由しない。中目黒駅から徒歩12分の場所には、焙煎機を所有するスターバックスとして世界で5番目にオープンした「スターバックス リザーブR ロースタリー 東京」があり、コーヒーの飲み比べが楽しめる。昔ながらの商店街も残っている。中目黒駅から徒歩4分の場所には約180店舗以上のお店が軒を連ねた「目黒銀座商店街」があり、飲食店や生活雑貨店、ベーカリー店などが揃う。夏になると阿波踊りの踊り手たちが通りを歩く「中目黒夏まつり」や春・秋にはフリーマーケットも開催され、地元住民で賑わう。他にも飲食店が豊富に並ぶ「中目黒駅西銀座商店街」や、中目黒駅から徒歩9分で目黒川沿いに広がる「中目黒駅前商店街」では春には桜まつりが開催され多くの人が訪れる。目黒川沿いには春になると桜並木に約800本の桜が咲き誇り、多くの観光客が訪れる。中目黒駅から徒歩12分の場所にはストリートバスケット広場が備わった「中目黒公園」があり子どもが運動できる環境が整っているほか、自然・園芸について学習できる「花とみどりの学習館」がある。

洗練されたカフェ・飲食店に洒落たショップなどの店々と、昔ながらの気取らない商店街が共存する中目黒エリア。目黒川沿いの桜並木や緑広がる中目黒公園を散策するなど自然を身近に感じることができ、ゆったりと心地よい居住環境が整う。中目黒駅周辺の都市計画やまちづくりの策定が今後も続くことからも、今後にも期待が持てる。すでに築古物件でも100万円/㎡以上を維持する人気エリアだが、将来ニーズが減り資産価値が落ちることへの不安も少ないだろう。交通利便性に優れているだけでなく飲食店も充実しており自然にも恵まれた落ち着きのある環境で暮らしたいという方におすすめできるエリアだ。

エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築25年のダイアパレス代官山は、2023年8月に180万円/㎡から2023年11月には192万円/㎡まで上昇。その後も2024年1月まで192万円/㎡台を維持し、2024年2月現在は平米単価195万円/㎡に。築32年のラミアール中目黒は、2023年9月に148万円/㎡から2023年10月には130万円/㎡まで下落。その後も下落傾向が続き、2024年1月は125万円/㎡、2024年2月現在は平米単価116万円/㎡に。築46年のマンション第二恵比須苑は、2023年5月に107万円/㎡から2023年10月には98万円/㎡まで下落。2023年11月には103万円/㎡まで回復し、2024年1月は120万円/㎡まで上昇。2024年2月現在は平米単価115万円/㎡に。

👉ダイアパレス代官山(総戸数77、1999年竣工)
👉ラミアール中目黒(総戸数41、1992年竣工)
👉マンション第二恵比須苑(総戸数102、1978年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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