間取りのPSとは? MBとは? マンションの略語を解説
マンションの間取り図に使われている「PS」「MB」などの略語。それが指す意味がわからず、戸惑ったことはありませんか?
本記事では、マンション間取り図の押さえておくべき略語とそれが指し示すものを一覧でご紹介。さらに、それぞれのワードや間取り図上の表現について、詳しく解説していきます。前半では間取り図の基本的な見方についても解説しています。一覧と合わせて、物件を探す際の参考にしてみてください。
監修者:針山昌幸
間取り図の見方
間取り図とは
間取り図とは、住宅や部屋の情報を記した平面図のことを指します。部屋の配置や広さ、窓やドアの位置が記載されており、部屋の基本情報やレイアウトを確認することができます。間取り図では、狭いスペースで簡潔にわかりやすく、たくさんの情報を伝えるために、しばしば略語や記号が使用されます。
間取り図からわかること
間取り図で読み取ることができる情報は、大きく以下の4つに分けることができます。
- 部屋の配置
- 窓・ドアの位置
- 収納の位置・家具の配置場所
- 部屋の向き
1.部屋の配置
間取り図から読みとることができる最も大事な要素が、物件における部屋の配置パターン(間取り)と、各部屋の広さや用途です。一般的には1R、1K、2DK、3LDKなど、数字とアルファベットで示されます。快適な暮らしのためには、住む人数や家族構成に合った間取りを選ぶことが重要です。
2.窓・ドアの位置
間取り図には、窓やドアの位置が示されており、部屋の通気性や日当たりの良し悪しを判断することができます。
3.収納の位置・家具の配置場所
部屋の中に収納スペースがいくつあるか、それがどれくらいのサイズかをおおまかにつかむことができます。収納の多さや位置(玄関に大容量のシューズインクローゼットが欲しい、寝室にウォークインクローゼットが欲しい、など)にこだわりがある方は、希望に沿った物件であるか、内覧前に間取り図から判断しましょう。また、間取り図に描かれている部屋のレイアウトから、家具の配置場所をイメージすることもできます。
4.部屋の向き
部屋の配置や広さを知ることに加えて、部屋が東西南北のどちらに向いているかも間取り図で確認できます。部屋の日当たり状況をイメージすることができます。ただし、実際には「北向きだけど、隣の建物との離隔がとれているから想像したよりも明るかった」「南向きで良いと思ったけれど、日光が入りすぎた」など、方角だけでの判断は難しいため、あくまでも参考にとどめて見学時に現地で確認するようにしましょう。
マンション間取り図の略語一覧
特にマンションの間取り図で使用される略語と、それらが示すものを一覧にまとめました。それぞれについて一覧の後に解説しているので、合わせてご覧ください。
1.「S」
小さな部屋に書かれていることが多い「S」のマークは「納戸(Service room)」の略です。
納戸とは、もともとは収納用に設けられた屋内の物置部屋を指す言葉。不動産広告においては、建築基準法上の採光や換気の規定を満たさない部屋のことを「納戸」と表示します。窓がない・もしくはあっても小さい(床面積の7分の1未満)スペースについては部屋として使えるほどの広さがあったとしても、「部屋」として表記することができません。そのため、納戸、あるいはサービスルームとして記載されています。
サービスルームについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、もっと知りたいという方は合わせてご覧ください。
2.「N」
間取り図で、「納戸」を示し、サービスルームと同義の言葉を指します。
3.「DEN」
「DEN」とは、英語で「ほら穴」を意味する言葉であり、その由来から、書斎や趣味の部屋、キッズスペースなど、多目的に使える比較的小さな部屋を指します。採光や換気、天井高など諸条件を満たさないために建築基準法上で「部屋」と記載することができないスペースに対して使用される場合も多く、その場合「サービスルーム」や「納戸」と同様の意味となります。
4.「LDK」
リビング(L)、ダイニング(D)、キッチン(K)を合わせた言葉で、これらのスペースが1つの空間になった間取りを指します。
5.「DK」
DKはダイニング(D)と(K)が1つになった間取りを指します。
6.「LD」
リビング(L)とキッチン(K)が一体となった間取りを指します。
7.「K」
8.「BR」
9.「WC」
「WC」は「トイレ(Water Closet)」を意味する略語です。通常、間取り図では便器の形状のデザインで描かれることも多いため、この略語はおわかりになる方も多いかもしれませんね。
10.「Void」
Voidとは、英語で「空」「空白」「無」を意味する単語であり、建物の吹き抜けや開放的な空間を指します。マンションではめずらしく、メゾネットタイプの物件などで見かける表記です。
11.「PS」
「PS」は「パイプスペース(Pipe Space)」の略です。マンション全体を通る水道管等をはじめとした各種配管が通っている場所になります。収納用途として活用することはできないスペースであり、普段の生活の中であまり意識することはないでしょう。
12.「MB」
13.「R」
キッチンに書かれている「R」のマークは冷蔵庫の略です。「リフリジレイター(Refrigerator)」の頭文字です。 また、ワンルームマンション等においては部屋の真ん中にRと書かれているようなケースも稀にありますが、この場合の「R」は「ルーム(Room)」を意味することとなります。
14.「W」
洗面所にある「W」のマーク。これは「洗濯機(Washing machine)」の意味であり、洗濯機を置く場所を表します。
15.「WIC」
「WIC」は、ウォークイン・クローゼットの略語。「ウォークインクローゼット(Walk In Closet)」の頭文字です。「WINCL」「WCL」などと表記されることもあります。
16.「SB」
玄関の横に書いてある「SB」は靴箱の略で、「シューズボックス(Shoes Box)」の頭文字を取ったものです。ちょうど靴を一足納められる程度の奥行きの靴箱が造作されているようなスペースになります。
17.「CL」
クローゼット(CL)を表す表記で、押入れや収納スペースのことを指します。
18.「SIC」
シューズインクローゼットは、靴のまま入れるように土間になった収納スペース。シューズボックス(SB)よりも収納容量が大きく、靴以外にもアウトドア用品やベビーカーなど、部屋の中に入れるのを避けたい泥などの汚れがつきやすいものを収納するのに便利です。
19.「DR」
DRはDressing Roomの略で、主に化粧台が置かれる部屋を指します。
20.「UB」
ユニットバスとは、浴室の壁、床、天井、浴槽などのパーツがあらかじめ一体となった状態で製造され、施工現場で組み立てられる浴室のことです。つまり、壁、天井、床、浴槽が一体化した一体型の浴室です。
21.「CF」
「CF」は、クッションフロア(cushionfloor)の略で、塩化ビニールなどの柔らかい素材でできた床材のことを指します。タイルやフローリング(木材系)を模した見た目のものもあり、実際のタイル材やフローリング材に比べて落とした物が壊れにくい・キズがつきにくい・水に強く掃除しやすいなどのメリットがあります。キッチンや洗面所、トイレの床材としてよく使われ、賃貸物件などではリビングや廊下の床にも使用されることがあります。
22.「J」
「J」は、日本の住宅において「畳数」を表す単位です。たとえば、「4J」は「四畳」を意味し、また「4.5J」は「四畳半」を表します。
床暖房
略語ではありませんが、間取り図を見るとリビングが点線で囲まれていることがあります。上記のイメージ図のように綺麗な四角になっておらず、いびつな形になっていることもあります。この点線は床暖房があることを示しています。
下がり天井
こちらも略語ではありませんが、間取り図の端に点線があることがあります。この点線は「下がり天井」を表しています。梁などがあり、他の天井よりも一段低くなっている場所を表しています。
下がり天井があると家具が上手く置けなかったり、圧迫感が出てしまうことがあるので要注意です。
略語を覚えて効率よく理想の物件を見つけよう
間取り図の略語や見方を理解することで、部屋の広さや配置、間取りの詳細イメージを把握しやすくなります。ポータルサイトやアプリで物件を探す際に読み取れる情報が増えるので、より効率的に理想のマンションを見つけることができるようになります。ぜひこの記事を参考に間取りを見て、マンション探しをしてみてくださいね。
マンションジャーナル編集部
「Housmart(ハウスマート)」が、購入や売却に必要な基礎知識・ノウハウ、資産価値の高い中古マンションの物件情報詳細、ディベロッパーや街などの不動産情報をお届けします。