渋谷区の保育園事情を徹底解説!!

2017.07.25
渋谷区の保育園事情を徹底解説!!
渋谷区といえば、23区の中でも3大副都心の一つとして有名な街です。おしゃれなショッピングエリアが多いイメージが強く、子育てしやすい街という印象は受けないかもしれません。でも実は『ハッピーマザー出産助成金』を出していたりと、子育て支援やサポートが充実している区なのです。にも関わらず、保育園事情は東京都の中でも最も厳しい区のひとつとなっています。この記事では、そんな渋谷区の保育園事情について徹底解説します!

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
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渋谷区内の保育園

渋谷区には大きく分けて3種類の保育園が存在します。施設の種類により申込場所が異なりますので注意が必要です。また平成27年4月より『子ども・子育て支援制度』が始まったため、1号認定~3号認定までの『保育の必要性の認定』を受ける必要があります。施設の中には、この認定なしで保育園に申し込みできる施設もありますので十分に確認して下さい。

認可保育園

以下の条件を満たした人が、家庭で保育が出来ない場合に利用できる保育施設です。
  • 保護者が就労している(下越に着き48時間の就労)
  • 保護者の妊娠、出産
  • 保護者の病気、障害
  • 保護者が家族の介護、看護をしている場合
  • 保護者が災害復旧している場合
  • 保護者が求職活動している場合
  • 保護者が修学している場合
  • 児童虐待を行っているまたは再び行われる可能性がある場合
  • その他区が上記の類似と認めた場合
保育園の経営自体は区営の場合や民間委託されている場合など様々ですが、申し込みは全て渋谷区を通して行います。この中には下記の3つが含まれます。
  • 区立保育園:渋谷区が設置、運営している施設です。
  • 私立保育園:社会福祉法人、株式会社が設置、運営をしている施設です。
  • 認定こども園『保育園型』:国の指針を元に、都道府県知事が定めた認定基準を満たし、認定を受けた認可保育園です。保育が必要なお子さんと共に、3才~5才までの短時間、中時間のお子さんの預かりも受け入れています。
またこの他に、やや特殊な分類として、区立幼保一元化施設というものがあります。これは区が条例に基づき設置している認可保育園・幼稚園・認可外施設から構成される施設で、千駄谷なかよし園・山谷かきのみ園がこれに当たります。

認可外保育園

児童福祉法に定められている基準を満たしていないために、国から認可を受けていない保育園を言います。施設の広さや、保育士の数、園庭の面積などの条件が満たされない、もしくは独自の教育方法を実施している場合に、認可外保育園となります。認可外だからと言って信頼性が低いということはなく、逆にサービスが充実している場合もあります。申し込みは直接施設にすることになるので、認可保育園と比べると簡単に申し込みをすることが可能です。認可外保育園には、下記の4種の施設が含まれます。
  • 認証保育園:東京都が定めた基準を満たして、東京都が認証した施設になります。2才までの預かる施設と、5才まで預かる施設があります。
  • 私立保育室:渋谷区が定めた基準を満たし、渋谷区が指定した施設です。
  • 区立保育室:渋谷区が設置し、民間事業者に運営を委託している施設です。認証保育所に準じた基準を満たしており、認可保育園に申込みを行い、待機となった方を対象とした施設です。
  • その他:上記以外の民間事業者が運営している施設です。

待機児童の現状

渋谷区は23区の中でもワースト4位の待機児童数を出しています。そしてここ数年、待機児童は増えているのが現状です。2014年120人、2015年252人、2016年315人とどんどん増加しています。その原因としては、以下の4点が挙げられます。
  • 渋谷区の人気:通勤、通学にも交通の便が良く、高級住宅地も存在することから人気は衰えることはありません。
  • 出生率が上がっている:全国平均と比べても、渋谷区の出生率はここ11年右肩上がりとなっています。
  • 保育料が安い:施設の多くは、所得によって保育料が変わります。0円~70400円になりますが、中間所得層の保育料が23区内の中でももっとも安いのです。また認証保育園、区内保育室に入園した場合、通常ですと保育料は上がるのですが、渋谷区ではその差額を補助してくれる制度があります。
  • 魅力ある教育的取り組み:教育の取り組みとして、小学校一年生から1人に1台タブレットを配置し様々な能力を引き出すICT教育の推進や、特別な才能に着目した教育システム、しぶやイングリッシュの展開を行っています。
次に待機児童に関して渋谷区は対策を行っているかという点です。まずは待機児童対策として渋谷区では、46億3000万円の予算を用意しました。その中で認可保育園6園、認定こども園2園を開園させ、居宅訪問型保育の実施を行います。また認可外保育園施設利用者の保育料の助成も拡充させると発表しています。その結果、平成29年4月には420人もの定員増加を図ります。ただ現状としては、依然希望の保育園に入園することは厳しい状況にあり、倍率としては47%程度と言われています。今後も渋谷区の待機児童の動向が気になるところです。

保育園入園までの流れ

希望保育園に入園することはなかなか厳しい渋谷区。少しでも早く情報収集をして、『保活』を実りあるものにしたいところです。以下に入園までのスケジュールを記載します。基本的には毎年だいたい同じ時期になります。29年4月入園希望者を想定しています。ちなみに2月、3月には保育園入園の受付はありませんので、ご注意下さい。
  1. 保育利用の案内冊子をもらう:ホームページからも入手可能です。申し込みまでに事前見学を行ったり、不明点を区役所に相談しておくと、その後の流れがスムーズです。
  2. 申し込み(1次):10月24日~11月30日です。区役所仮庁舎第一庁舎西棟2階保育課窓口で申し込みが出来ます。電話・電子メール・郵送では申し込みが出来ないのでご注意下さい。11月13日のみ休日受付を行います。また4月までに出産予定の方の申し込みも受け付けています。渋谷区では申し込み受付の混雑を考慮して、予約制を開始しています。10月3日以降に電話で予約すれば、待ち時間が少なくて済むそうです。少しでも負担を軽減するために、ぜひ利用しましょう。
  3. 結果発表(1次):内定の場合には2月10日頃までに保育園より電話があります。内定にならなかった倍には『利用調整結果通知書』が送られてきます。
  4. 申し込み(2次):1次で内定がもらえなかった場合には、12月1日~2月17日までに再度申し込み申請をします。
  5. 結果発表(2次):3月10日までに結果のお知らせが来ます。
  6. 面接・健康診断:内定の書類が来た後は、決められて日時に保育園に行き面接と健康診断を受けます。園によっては委託している病院に行くこともあります。面談は顔合わせのようなものなので、緊張しなくても大丈夫です。
  7. 登園:4/1~の登園になります。最初の1ヶ月は慣らし保育になるので、お迎え時間が早くなる園が多いと思います。フルタイム勤務に戻るのは5月の連休明けくらいにしておくと、余裕を持ってお子さんも保育園に慣れることができるでしょう。

入園審査の指標とボーダーライン

渋谷区も他の区域と同じく点数制で入園順位を決定しています。ボーダーラインは44点以上。厳しい数字です。まず両親ともフルタイム勤務だとして、父20+母20=40です。これを基準に、調整指数をいかに増やすかがポイントになってきます。例えば既に有償で保育園に預けていると言うだけで+2になります。また保護者のどちらかが育児給付金をもらっているだけで+2になります。自身の点数を把握し、増やすための対策を練るようにしましょう。渋谷区では、それぞれの施設の過去の最低ライン点数を教えてくれます。自分の希望する園の最低点数を知ることで、どのような『保活』をすべきかが変わってくることでしょう。

まとめ

以上のように、渋谷区の保育園事情はとても厳しい状況です。でも少しでも多くの情報を収集し、点数を上げておくことが何よりも重要になってきますので早めの『保活』をおすすめします。子育てしやすい渋谷区が、働くお母さんにとってもっと住みよい街になることを願います。
株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

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