固定期間選択型金利の住宅ローンをお得に活用する秘訣とは

2015.09.06
固定期間選択型金利の住宅ローンをお得に活用する秘訣とは
住宅ローンの金利には借入期間中ずっと同じ金利のフラット35と、半年に一度金利の見直しのある変動金利、そして最初の数年間を固定することのできる固定期間選択型金利の3つのタイプがあります。変動金利とフラット35の良いとこ取りをしたような固定期間選択型金利ですが、実は消費者にとっては見えづらい注意点もあります。

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)

もっともバランスの良い金利タイプ?

住宅ローンの金利タイプの内、固定期間選択型金利を選ぶと、2年、3年、5年、10年、15年など、最初に選択した年数分だけ金利を固定することができます。借入期間中ずっと同じ金利のフラット35と比べると、後に変動するリスクはあるものの、金利を抑えて借入できるのでお得です。フラット35と変動金利の良いとこ取りをしたような金利タイプと言えるでしょう。

固定期間が過ぎた後はどうなるの?

固定期間選択型の金利は、最初に選んだ固定期間が過ぎた後は、もう一度固定する年数を指定するか、変動金利に移行することになります。最初に10年固定を選んだ後、10年後にまた10年固定を選ぶという方法も可能です。これを金利の再選択と言います。非常に使い勝手が良さそうに聞こえますね。しかし、ここで注意が必要です。

固定期間が過ぎた後の金利は、金利優遇が少ない

実は、住宅ローンを組む時の最初の金利は非常に大きな金利優遇幅がついています。例えば、基準金利が3%のところを優遇幅1.5%で10年固定を1.5%の金利で貸し出します。これが、金利の再選択時になると、金利の優遇幅が縮小するのです。例えば、10年後の基準金利が現在と変わらず3%であったとしても、優遇幅が0.8%になっていれば、10年固定を2.2%の金利で借りることになってしまいます。※基準金利や優遇幅は金融機関によって異なります。

最初から変動金利を選択すると、ずっと同じ優遇幅

固定金利選択型で最初に選択した年数が過ぎた後に、変動金利に移行する場合にも優遇幅は小さくなってしまいます。しかし、最初から変動金利を選択していた場合には、最初から最後まで同じ幅の優遇を受けることができるのです。比較してみると、変動金利と固定期間選択型のどちらが良いか分からなくなってしまいますね。

固定期間選択型では繰り上げ返済がカギ

固定期間選択型を有効活用するためには、繰り上げ返済をうまく使うことがカギとなります。つまり、最初に選択した期間中にお金を貯めて、優遇幅の小さくなる金利の再選択時に繰り上げ返済をするのです。こうすれば、金利が低く、期間中は変動リスクのない固定期間選択型の良いところを最大限に有効活用できます。

まとめ

住宅ローンの金利の仕組みは複雑で、金利の再選択の事など、金融機関の担当者から説明を聞いても理解できていないことが多いのではないでしょうか。今回ご紹介した内容を是非参考にしてみてください。

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マンションジャーナル編集部

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