清澄白河エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.08.18
清澄白河エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、清澄白河エリアをPICKUP。
江戸から続く下町文化にコーヒーとアート、新旧混じったカルチャーが息づくこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る清澄白河エリア

最高価格:1億2800万円 最低価格:1680万円
平均価格帯:約5320万円
販売物件数:69
※2023年8月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件数は少なめで、築20年以下もしくは築30-50年がメイン
👉DINKsやファミリーに適した50〜80㎡の物件が豊富
👉20〜30㎡も築20年以下を中心に全体の2割ほど売り出しあり

今回は江東区の清澄白河エリアをピックアップ。隅田川沿いに位置し、清澄白河駅周辺の5つのアドレス(清澄、白河、三好、平野、深川)で見てみた。清澄白河駅(東京メトロ半蔵門線・都営地下鉄大江戸線)と門前仲町駅(東京メトロ東西線・大江戸線)が最寄駅で3路線が利用できる。

◾️この街の歴史・街並み・特色
清澄白河は、江戸時代から明治時代まで水運・物流拠点として発展し、木場の倉庫や町工場が多く建てられた。1995年には木場公園の敷地内に東京都現代美術館が開館、2000年には大江戸線が当エリアにも開通し、人の往来が増加。時代の変化に伴い使われなくなった倉庫をリノベーションしたギャラリーやクリエイターのアトリエが点在するようになり、アート色が強まった。さらに天井高や川沿いの立地を生かしてコーヒー豆の焙煎所としても使われ始め、2015年の「ブルーボトルコーヒー」日本1号店がオープンするなどコーヒーの街としてのイメージが定着。別名「水掛けまつり」とも言われる豪快な深川八幡祭りなど、昔ながらの気風の良い下町情緒も健在であり、コーヒーやカフェ、アートなど現代のカルチャーとミックスされて独自色の強い街並みとなっている。

◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件数は少なめ。築年数レンジは、築20年以下もしくは築30-50年がメインとなっている。物件面積としては50〜80㎡が多く、DINKsやファミリーに適した物件が豊富。20〜30㎡の物件も全体の2割ほどあるが、ほぼ築年20年以下の物件になるのでやや割高。平均価格を見ると築20-30年が最も高くなっているが(グラフを参照)、これはこの築年数の売出物件が57〜68㎡の物件に限られるためである。売出物件数をアドレス別に見ると、5アドレスの中で最も門前仲町駅寄りに位置する深川が21件と最も多く、築40-50年の物件が多い。清澄白河駅の東側右側に位置する白河と三好では、築10-20年の物件を中心に売り出されている。清澄白河エリアの最高価格・最低価格は、台東区の蔵前エリアと近しい(蔵前は、最高価格:1億2300万円 最低価格:1080万円)。築10年以下の平米単価がどちらも130万円/㎡台であるなど平米単価で見ると共通点があるが、これは蔵前の売出物件の方が面積が小さく、シングルやDINKsに適した物件が多い傾向が影響している(清澄白河で全体の約65%を占める50〜80㎡台の物件は、蔵前では約35%しかない)。両エリアとも隅田川沿いの立地であり街の雰囲気も似ているところがあるため、どちらか一方の雰囲気が気に入った方は、両エリアを見比べて自分の家族形態にあった方を検討してみても良いだろう。

◾️この街の住みやすさ
3路線が利用できる清澄白河駅は都内までのアクセスが良好であるうえ、亀戸駅と家電量販店が充実している秋葉原駅行きのバス路線も通っているため、休みの日のお出かけや買い物にも利用できる。半蔵門線を使えば大手町まで約7分と乗り換えなしで行くことができ、大手町近辺に通勤する方には便利な立地だ。半蔵門線で1駅3分で行ける水天宮前駅からは、成田空港と羽田空港に直結しているT-CAT(東京シティエアターミナル)のリムジンバスが運行しているので、空の便へのアクセスも良好。また半蔵門線は、東武伊勢崎線と東急東横線に相互直通しており、埼玉・神奈川方面にもアクセスしやすい。清澄白河駅で下車してすぐの場所には、深川資料館通り商店街やスーパー赤札堂があり、仕事帰りの買い物場所としても便利に使える。清澄白河駅周辺だけでなく、南側の門前仲町駅にも、清澄白河駅から北側に徒歩7分程度の森下駅(都営新宿線・大江戸線)にも、飲食店が豊富に揃っているため、外食が多い人にはありがたい、都内都指定名勝に指定されている清澄庭園や隅田川沿いの「隅田川テラス」など緑地も多く、テニスコートやドッグラン、植物園が整備された木場公園がその代表格。家族で体を思い切り動かしたり散歩をしたり、緑に囲まれてゆったりとした時間を過ごすことができる。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築8年のステージグランデ清澄白河は、2023年1月に115万円/㎡から2023年2月には121万円に上昇したものの、2023年5月には119万円/㎡まで下落。その後も下落傾向が続き、2023年8月現在は平米単価116万円/㎡に。築17年のイーストコモンズ清澄白河セントラルタワーは、2022年4月時点でに105万円/㎡だったのがゆるやかに上昇を続け2022年11月には116万円/㎡に。2023年4月までに112万円/㎡まで多少下落したものの、2023年8月現在は平米単価123万円/㎡台で推移しています。築50年の深川住宅は、2023年2月に90万円/㎡から2023年3月には78万円/㎡まで下落。その後70万円/㎡台で維持し、2023年8月現在は平米単価74万円/㎡台に。


👉ステージグランデ清澄白河 (総戸数50、2015年竣工)
👉イーストコモンズ清澄白河 セントラルタワー(総戸数483、2006年竣工)
👉深川住宅(総戸数342、1973年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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