北千住エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.08.08
北千住エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、北千住エリアをPICKUP。
歴史ある宿場町と学生街としての顔をあわせ持つこのエリアその不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る北千住エリア

最高価格:9580万円 最低価格:780万円
平均価格帯:約4008万円
販売物件数:66
※2023年8月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件数は少なめ、築10年を中心に北千住駅から南側のエリアに集積している
👉全体的に物件価格は抑えめ、築10年以下が100万円/㎡超えるものの築10年以上は80万円台以下
👉平米数は50〜60㎡台が最も多い

今回は、足立区の北千住エリアをピックアップ。北千住駅周辺の7つのアドレス(千住、日ノ出町、千住旭町、柳原、千住東、千住仲町、千住河原町)で見てみた。本エリアは隅田川と荒川に挟まれたところに位置している。北千住駅はJR常磐線・東京メトロ千代田線と日比谷線・東武スカイツリーライン伊勢崎線・つくばエクスプレス線の5路線が利用できる。また、北千住駅の南側、自転車で約7分の距離にある千住大橋駅(京成本線)からは、成田空港まで直通で行くことができる。

◾️この街の歴史・街並み・特色
北千住エリアは江戸時代に旧日光街道の宿場町として栄え、その後は工場地帯として発展した。70年以上の歴史を持つ「宿場町通り商店街」など、駅周辺では宿場町であった頃の賑わいを感じることができる。足立区は東口周辺を中心に東京電機大学をはじめ複数の大学キャンパスを誘致しており、現在は昔ながらの風景を残しつつ、学生が集まる街となっている。複数路線が使える交通利便性に加えて、ルミネやマルイなどの駅前大型商業施設・商店街によって生活利便性も高いため、ファミリー層も多い。居酒屋など飲食店も多く、平日も週末も、昼も夜も活気のある街だ。

◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件数は少なめ。築40〜50年の平均物件価格が、築30〜40年よりも高いのは、築40〜50年物件の方が面積が大きいため。市場全体で占める売出物件の価格と構成で言えば、墨田区の押上が酷似している(参考:2023年3月時点で押上エリアの平均価格は4158万円、築10年以下と築30-40年の物件が多い)。北千住と押上エリアの平均平米単価を比較すると、築10年以下は若干北千住エリアの方が上回るものの、全体的には押上よりも北千住の方が平均平米単価が抑えめであることが分かる。平米数は10〜90㎡まであるが、50〜60㎡台が多い。アドレスごとの売出物件数を見ると、北千住駅の西口側に位置する千住が23件、その南側に位置する千住仲町が13件と最も多い。築10年以下の物件も、この駅から見て南側の立地に集まっている。

◾️今後の発展の見込み、再開発予定
商店街やルミネとマルイなどの商業施設は、北千住駅西口側に広がっている。東京電機大学や足立学園中学校・高等学校など学校がある以外には昔ながらの住宅が並ぶ東口でも、北街区と南街区に分けて再開発計画が進んでいる。中でも北街区では三井不動産レジデンシャル株式会社が手掛ける北千住駅前地区市街再開発事業が進行中で、地上27階建の分譲タワーマンションが建設される予定。1〜4階の低階層には商業施設や子育て施設が入り、駅周辺の道路拡幅や駅直結のペデストリアンデッキの整備計画もある。2024年12月に都市計画決定を目指している。東口周辺地区では「災害に強い」「活気とにぎわいがある」「住み続けられるまち」を目標に今後もまちづくりが取り組まれている。具体的な内容として、木造密集地域の改善、買い物のしやすい商店街づくりや歩行空間の確保や緑道整備が挙げられる。東口の駅直結ビルの再開発が完成すれば、5路線が利用できるターミナル駅での利便性がさらに向上し、より幅広い年齢層の人々が暮らしやすい街へと発展しそうだ。

◾️この街の住みやすさ
北千住駅からは千代田線を利用すれば東京駅まで約20分、日比谷線を利用すれば上野駅まで約10分と乗り換えなしで行くことができる。千葉や埼玉など郊外にも出やすいため、関東近郊に実家があり定期的に帰れる立地を求める人にはありがたい。また、北千住駅西口側は駅前の大型ショッピング施設のほか、昭和レトロな雰囲気を感じさせる宿場町通り商店街があり、毎日の買い物はもちろん、休日の街歩きや外食にも困らない。大学キャンパスが集まる東口では、書店から玩具、洋品店や精肉店といった個人商店が揃う千住旭町商店街がある。荒川沿いには荒川河川敷公園があり、天気の良い日には散歩やサイクリングなど、リラックスして楽しむことができる。物件価格帯が比較的リーズナブルであることもあり、街の年齢層は若め。都心部への交通利便性と生活利便施設は得ながらも、自然を身近に感じてゆったり暮らしたい人、のびのび子育てをしたい人には注目の立地だ。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築3年の千住ザタワーは、2023年4月の127万円から5月には137万円まで上昇。その後も130万円台を維持し、2023年8月現在は平米単価131万円/㎡/台に。築28年のフラッツ北千住は、2023年4月から6月まで維持していた90万円/㎡から2023年7月には94万円/㎡まで上昇。2023年8月現在は平米単価95万円/㎡台に。築46年の北千住ダイヤモンドマンションは2022年3月から7月まで70万円台で安定。以降、2022年8月の69万円から2023年4月には47万円までと平米単価が約20万円下落。2023年6月には再び54万円/㎡まで上昇し、2023年8月現在は平米単価55万円㎡/台で推移しています。

👉千住ザタワー(総戸数184、2020年竣工)
👉フラッツ北千住(総戸数93、1995年竣工)
👉北千住ダイヤモンドマンション(総戸数57、1977年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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