月島・佃エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.07.13
月島・佃エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、月島・佃エリアをPICKUP。
昔懐かしい下町風景にもんじゃなど、観光地イメージの強いこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る月島・佃エリア

最高価格:1億7200万円 最低価格:4980万円
平均価格帯:約7398万円
販売物件数:96
※2023年7月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉築40年でも平均平米単価が130万円超え
👉築50年までどの年代も幅広く、面積も20〜90㎡台まで揃う
👉月島は築10年以内、佃は築20~40年を中心に億ションの売出が多い

今回は、月島・佃エリアをピックアップ。中央区アドレスで月島駅(東京メトロ有楽町線・都営地下鉄大江戸線)が最寄駅となる。また、銀座エリアまで自転車で約10分程度でアクセスできる。

月島・佃一帯は隣接する勝どきとともに明治時代につくられた埋立地。以降、工業地帯として発展し、住宅が建ち並ぶようになる。一方、佃は船舶や漁業の場として栄えた。その後⽯川島播磨重⼯業(IHI)の造船所がつくられ工業の街として賑わいを見せたが、その後工場が移転。跡地は1980年代以降、超高層住宅が立ち並ぶ「⼤川端リバーシティ21」として大規模再開発された。1988年に有楽町線、2000年に大江戸線が開業し、都心部へのアクセス利便も向上。佃と対照的に月島駅周辺は未だ下町情緒を感じさせる路地裏や木造住宅が残っており、もんじゃの店が軒を連ねる「もんじゃストリート」など地元住民と観光客で賑わっている。

本エリアの売出物件は、築50年までどの年代も幅広く売り出されている。物件面積も20〜90㎡台まで、DINKs向けからファミリー向けまで偏りなく揃う。築40年でも平均平米単価が130万円超えと高めであるが、これは、先述の佃アドレスに位置する「⼤川端リバーシティ21」のヴィンテージタワマン(1991年竣工のシティフロントタワーなど)が築年数に関わらず価格を維持しているためである。実際、今回取り上げたエリア内でも、月島の売出物件の平均価格は約6970万円であるのに対し、佃は約7700万円と、月島アドレスと佃アドレスでも価格差がある。築40-50年は平均平米単価が89万円/㎡となるが、平米数は20~30㎡台のシングル向け物件が多めだ。同じく中央区の湾岸エリアであるお隣・勝どきエリアでは、全体的な物件平均価格は月島・佃より高めであるが、築40-50年以降の平均平米単価は約80万円/㎡台と月島・佃エリアと近しくなる。小規模物件をメインに売りだされている点も同じだ。ただし、勝どきエリアは物件数自体が僅少。数年で住み替え前提のため築古マンションでも可・アドレス重視・湾岸エリアで単身向け、といった条件で探している人は、月島・佃エリアの方が物件が見つかりやすそうだ。

本エリアでは、月島3丁目周辺の北地区と南地区で大規模再開発が進んでいる。北地区では大和ハウス工業株式会社と東京建物株式会社を中心に、タワーマンションをランドマークとした再開発工事が2022年10月に着工。築年数が経った木造家屋が多いことから地域の防災向上を目的として、現在再開発が進んでいる。歩道整備や公共施設の拡充が予定されており、A街区とB街区に分かれている。A街区では、住友不動産株式会社による地上58階建て大規模タワーマンション​​「グランドシティータワー月島」が2026年に竣工予定。低階層には、保育所やデイサービス、商業施設が入居予定だ。B街区には障害者ホーム施設を含む地上6階建ての公益施設が建設される。また、歩行者空間などの道路や広場整備などが行われることで、街全体の活性化や暮らしやすさの向上が期待できる。南地区では、三井不動産レジデンシャル株式会社と野村不動産株式会社を中心に地上48階建ての共同住宅と商業施設が2027年に竣工予定だ。こちらの建物内にも保育所がつくられる。ファミリー層にとっても暮らしやすい湾岸エリアとして、月島の風景が変貌する日も近い。

月島駅から徒歩5分の場所には、「もんじゃストリート」として知られる「月島西仲通り商店街」がある。もんじゃ焼きに加えてスーパーマーケットやコンビニエンスストアも揃っており、仕事帰りに手軽に寄り道できるのは嬉しい。また月島駅から自転車で約3分にある大型商業施設の晴海トリトンスクエアも買い物先として便利に使える。月島駅は都心部へのアクセスにも恵まれており、東京駅まで電車で約15分で行くことができる。今後の再開発によって、単身者からファミリー層までが快適に暮らせる街としてアップデートがかかりそう。今のうちにチェックしておきたい。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築8年のキャピタルゲートプレイス ザ・タワーは、2021年12月から2023年1月まで平米単価193万〜189万円の間で前後を繰り返し、2023年2月から徐々に上昇。2023年7月現在は平米単価210万円/㎡台に。築25年のセンチュリーパークタワーは、2022年1月の152万円から急上昇し、2022年5月には180万円まで到達。その後、下落傾向に転じ、2023年7月現在は平米単価168万円/㎡台で推移しています。築32年のシティフロントタワーは、2022年6月の101万円から2022年7月には122万円まで急上昇。2022年9月には117万円まで下がったものの、その後右肩上がりを維持し、2023年7月現在は平米単価130万円/㎡台に。

👉キャピタルゲートプレイス ザ・タワー(総戸数702、2015年竣工)
👉センチュリーパークタワー(総戸数756、1998年竣工)
👉シティフロントタワー(総戸数290、1991年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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