中古マンションの購入・売却に最適な築年数についてそれぞれ解説!

2017.07.01
中古マンションの購入・売却に最適な築年数についてそれぞれ解説!
中古マンションを購入したり、売却するときは、「築年数」という要素について考慮することは、とても大事です。たとえ鉄筋コンクリート造だとしても、マンションは人間の体と一緒で徐々に劣化して行きますし、躯体部分以外の「設備」も同様に劣化していくからです。それゆえ、築年数が経つごとに物件そのものの価値が低下し、それに伴って資産価値(市場でどれほどの需要があるかを示します)も減少していきますから、中古マンションを売買するときの軸として「築年数」を考慮する必要性があるのです。本記事では、お得に購入・売却できる築年数について考えていきます。

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)

中古マンション購入と築年数の関係

大規模な中古マンション中古マンションの買い時を解説する前に、そもそも築年数が経過すると、マンションに対してどのような不安が出てくるかを解説します。この「不安」を把握しておかないと、マンションの買い時が分からないからです。中古マンションは実物資産ということもあり、築年数が経過すると以下の点で不安が出てきます。
  • 耐震性への不安
  • 設備の古さへの不安
  • 建物寿命への不安
  • 資産価値下落の不安
  • 住宅ローン減税の制限
上記5点は、建物的な不安と金銭的な不安のどちらも該当します。

1-1耐震性への不安

まず、中古マンションは築年数が古いほど、耐震性に対しての不安が出てきます。特に、建築基準法上、耐震基準が変わったタイミングは要注意しましょう。元々、全国の全ての建物に耐震設計が義務付けられたのは1950年からです。その後に、1964年の新潟地震、1968年の十勝沖地震の影響で1971年に1度目の改正がありました。そして、1978年の宮城県沖地震を経て1981年に大きな改正を行いました。この1981年6月の改正を境に「新耐震」と「旧耐震」に分かれます。つまり、1981年6月以降は新耐震基準を満たした新耐震物件と呼ばれ、それ以前は旧耐震物件と呼ばれます。また、その後も1995年の阪神淡路大震災を経た2000年の改正、そして2004年の新潟中越沖地震を経て2005年にも改正されています。そのため、特に旧耐震の物件は耐震性に関しての不安が強いです。中古マンションを購入するときには、耐震基準が新・旧のどちらなのかを確認する必要があります。

1-2設備の古さへの不安

また、マンションを含めて建物は築年数が経つごとに劣化していきます。特に、配管やキッチンまわりなどの「設備」は劣化しやすい部分です。ただ、設備の古さや劣化具合はその部屋の使い方などにもよるので、築年数が経っている部屋でも細かい劣化具合を調べる必要があります。また、設備に関しては「リノベーション」をすれば解決する問題でもあります。そのため、リノベーション前提で動いているのであれば。設備の不安は大部分減少します。

1-3建物寿命への不安

設備の劣化以外にも、そもそも建物自体も「住めなくなるのでは?」と不安になる人もいると思います。ただ、現在のコンクリートの耐久性は100年と言われるくらい、耐久力のある素材です。ただ、コンクリートを使っている躯体部分も、使い方によって劣化具合は変わります。躯体部分は個人個人が管理するワケではないので、管理会社や管理組合の管轄になります。そのため、建物寿命に不安がある場合には、管理会社や管理状況を確認してから購入する必要があります。

1-4資産価値下落の不安

中古マンションを購入するときには、永住せずに途中で売る可能性もあると思います。しかし、築年数が経つとマンション価格は基本的に下落していきます。そのため、そもそも築年数が経っている状態の中古マンションを購入すると、さらに資産価値の劣化が早くなるのでは?と不安になる人もいると思います。しかし、実は中古マンションは「新築プレミアム」が価格に乗っていないので、新築マンションより中古マンションの方が資産価値は落ちにくいです。新築マンションは価格が高くなっているので、住んだ瞬間に2割ほど下落すると言われるくらい「プレミアム価格」が乗っています。また、中古マンションは新築マンションよりも、圧倒的に物件数が多いです。そのため、購入するエリアを選べるので、資産価値が落ちにくいエリアの物件を買うことで、資産価値の下落をリスクヘッジできます。

1-5住宅ローン減税・控除の制限

中古マンションの購入は、住宅ローン減税も制限されます。住宅ローン減税は金銭的なメリットが大きい税制優遇なので、中古マンション購入前に仕組みを理解しておく必要があります。以下で概要を解説しますが、詳細は国税庁ホームページで確認ください。

1-5-1住宅ローン減税・控除とは?

そもそも住宅ローン減税・控除とは、年末の残高の0.7%が最大10年間(※中古住宅の場合)所得税と住民税から控除されるという税制優遇です(2022年4月に一部改正)。

1-5-2住宅ローンを受ける条件とは?

中古マンションで住宅ローン控除を受けるためには幾つかの条件を満たす必要があります。
  • 住宅の取得日から6ヶ月以内に居住すること
  • 住宅の床面積が50平方メートル以上であり、かつ、床面積の2分の1以上が自身の居住用であること。
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
  • その年の所得が合計2,000万円以下であること
  • 1982年1月1日以降に建築された住宅であること
上記の条件は、新築マンション購入時よりも厳しい条件になるので、中古マンション購入時には住宅ローン減税・控除の条件に合致しているかを確認しましょう。なお、1981年以前の物件であっても、耐震基準適合証明書などで現行の耐震基準に適合していることを示せれば、適用することができます。

中古マンションの選び方

中古マンションのエントランスつづいて、前項の点を踏まえ中古物件を選ぶ方法を解説します。中古マンションを選ぶときには、以下の4つの点に注意しましょう。
  1. 耐震性の調査は行われているか?
  2. 管理、修繕状況はどうなっているか?
  3. 資産価値はどのくらいか?
  4. 建て替えの予定はあるか?
上記4点を確認することで、「中古マンション購入時の不安」がある程度解消されます。つまり、中古マンションを築年数の観点から見た「買い時」が分かるということです。

2-1耐震性の調査

まず、耐震性を調べるには「確認済証」か「検査済証」を確認する必要があります。注意するべき点は、耐震基準が変わった年ではなく、年月日を確認済証か検査済証で確認するということです。節目である1981年と2000年で、耐震基準にどのような違いがあるかを把握しておきましょう。

2-1-1「1981年」に起こった改正

先ほどいったように、新耐震・旧耐震の基準年になっているほど1981年の改正は大きな内容でした。基本的には、新耐震基準は「数十年に一度発生する震度5程度の地震に対して損傷しない。数百年に一度程度発生する震度6~7程度の地震に対して倒壊・崩壊しない」となっています。ただ、旧耐震の物件も「改装して新耐震基準まで建物の耐震レベルを引き上げる」というルールはありません。つまり、上記のように新耐震の基準に満たないマンションは、今でもたくさんあるということです。

2-1-2「2000年」に起こった改正

2000年の改正の要点をまとめると以下の通りです。
  • 地盤調査が必須になっている
  • 躯体の結合部分のルールと厳格化
  • 耐力壁のバランス
このように、1981年ほどの改正内容ではありません。そのため、確認済証と検査済証を確認するときには、まず1981年以後の中古マンションを選びましょう。その後、2000年以降の改正後であれば、尚良いといったイメージです。

2-2管理・修繕状況の確認

つづいて、管理、修繕状況の確認をしましょう。具体的には、購入を検討している中古マンションの以下の点を確認することです。
  • これまでの修繕記録
  • 今後の修繕計画
  • 修繕積立金がどの程度あるのか
  • 内覧の際に共用部の状態を確認
上記4点は、管理会社に確認するか管理規約などの書類を確認する必要があります。管理費や修繕積立金の滞納者が多い場合は要注意です。この点は、資料を取り寄せてもらって確認しましょう。>>【関連記事】タワーマンションの管理費はなぜ高い?修繕積立金の値上がりにも注意しよう!

2-2-1これまでの修繕記録

中古マンションに行われたこれまでの修繕記録は、管理会社が記録として残しているはずです。逆にいうと記録にして残していないズサンな管理をしている管理会社であれば、その中古マンションの躯体や設備は劣化している可能性が高いです。修繕記録を確認するときには以下の点に注意しましょう。
  • 修繕の内容
  • 計画通りに進んでいるか
  • 計画変更があるのか
まずは、過去に修繕した内容を確認し、それが当初立てた計画通りに進んでいるかも併せて確認しましょう。また、仮に計画変更があった場合には、なぜ計画を変更したかの確認も必要です。たとえば、変更理由が「修繕積立金が足りない」などの場合には、今後の修繕にも影響を及ぼします。

2-2-2今後の修繕計画

また、今後の修繕計画は管理規約集に乗っています。別紙である場合が多いですが、少なくとも「長期修繕計画書」という書類があるはずです。この長期修繕計画書には、12年程度の周期に起こる「大規模修繕」以外にも、細かい修繕が記載されています。この修繕計画を見るポイントは以下の点です。
  • 30年周期で計画しているか
  • 細かい点まで計画しているか
30年周期にエレベーター工事などが起こるので、30年スパンで計画をしている方が精度は高いです。また、何物件か長期修繕計画書を見れば、細かい点まで計画されているかが分かります。

2-2-3修繕積立金がどの程度あるのか

さらに、修繕積立金がどの程度あるかも管理会社に確認しましょう。実は、引渡しまでは正確な数字を知ることができません。しかし、売主経由である程度は正確な金額を知ることができます。仲介をする不動産会社は、管理組合会計の内容を見れば、修繕金が足りているかどうかが分かります。修繕金が不足していれば、先ほど言ったように躯体や設備の劣化が激しくなる可能性があります。

2-2-4内覧の際に共用部の状態を確認

また、中古マンションを内覧するときに、以下の共用部もしっかり確認しましょう。
  • エントランス
  • エレベーター
  • 郵便受け
  • 駐輪場、駐車場
  • ゴミ置き場
共用部が汚れていたり管理が悪かったりすると、目に見えない部分も劣化している可能性があります。そのため、築年数の話以前に、住みにくい資産価値の低い中古マンションであると言えます。

2-3資産価値を調べる

つづいて、中古マンションの資産価値を調べる方法です。資産価値を調べる方法は、以下の点を確認しましょう。
  • 交通の便
  • エリアの人気
  • 施設の利便性
  • 災害へのリスク
まずは、最寄り駅や最寄り駅距離などの交通の便が重要です。ターミナル駅であったり、人気の駅であったりする場合には、資産価値が高いと言えます。また、商業施設や医療施設、教育施設が近かったり、人気があったりした方が資産価値は高いです。さらに、ハザードマップを調べて、過去の浸水履歴や地震時の倒壊予想など災害へのリスクを確認することも欠かせません。築年数と合わせて、上記の件を確認して資産価値の高いマンションを取得しましょう。

2-4建て替えの有無と内容

さいごに、中古マンションが建て替えを計画しているかを確認しましょう。中古マンションの場合は近々で建て替えする予定の場合もあり、建て替えするとなると「等価交換」であるならお得に新築マンションを取得できるかもしれません。たとえば、あるディベロッパーがマンションを買い取り、新しいマンションを建築するとします。その場合には、元々の居住者は建て替えを許可する代わりに、新しいマンションを提供されるということ(等価交換)もあります。>>【関連記事】建て替え間近の中古マンションを買うと損なのか?

マンション売却と築年数の関係

マンションは一千万円単位の商品なので、1%価格が違うだけで数十万円の違いになります。また、マンション価格は、売り出し時期など、色々な要素によって変わります。その中でも大きな要因の1つが「築年数」です。

売却にベストな築年数とは

マンションを売却するのにベストな築年数は、以下のような要素を考慮すると、結論として「築12年~15年」、その次に「築20年まで」となります。
  1. 築15年、築20年以降で下落率が大きく異なる
  2. 一般的に12年周期で大規模修繕が行われる
  3. ランニングコストの増額はマンションによって異なる
  4. 建て替えは事例として多くない
そのため、まずは大規模修繕が終わり、大きく資産価値が下落する節目の前である築12年~15年が一度目の売り時と言えるでしょう。そこに、たとえば「5年後に修繕積立金が上がる」というルールであれば、なおさら築15年以内に売却した方が良いです。仮に、築15年を過ぎていれば、次の周期は最も大きな下落幅になっていた築20年までに売却することです。築20年を過ぎれば下落率は緩やかなので、上記の点を加味しつつ競合物件が少ないときに売り出す良いでしょう。その築年数以外に、修繕積立金や管理費の上がるタイミングを加味するのがベストになります。

築年数と資産価値の下落率

マンションを売却するベストな築年数を知るためには、まず築年数によってどのくらい資産価値が下落するのかを知りましょう。その点は、耐用年数と築年数ごとの下落率が参考になります。

法定耐用年数とは?

法定耐用年数とは、建物以外にも機械や設備など、法定上で使用可能と認められる期間のことを指します。これは、減価償却といって「その建物や設備を取得した費用を何年間経費として計上できるか?」という費用を算出するのが主たる目的です。ただ、言い換えるとマンションの法定耐用年数は、国が使用可能と認めた期間とも言えます。建物の法定耐用年数は構造や用途によって決まっており、鉄筋コンクリート造のマンションなら47年と定められているのです。事実、不動産会社の査定も47年を境に、資産価値がゼロになるかどうかを判断します。そのため、一旦マンションの寿命は47年と思ってもらって構いません。そのほかの耐用年数については、国税庁が出典している「耐用年数※」を確認ください。※国税庁:耐用年数

資産価値の下落率は?

つづいて、築年数ごとの資産価値の下落率です。REINSが出典している資料によりますと、築年数ごとの平均㎡単価、および平均価格は以下の通りです。中古マンションの築年数帯別の平均平米単価築年数ごとの中古マンション価格下落率統計築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2016年)この資料を見る限り、赤字にしている築5年、築15年、築20年の節目で下落率が大きくなっているのが分かります。

大規模修繕

つづいて、大規模修繕について解説します。マンションにおいて大規模修繕は大事な資産価値維持であり、マンションの売却金額に大いに関係してきます。そのため、以下の点を理解しておきましょう。
  • 大規模修繕は何をするか?
  • 大規模修繕はいつ行うか?
  • 大規模修繕の前と後どちらが良いか?

大規模修繕は何をするか?

大規模修繕は、マンションの外観や共用部などについて、以下のような修繕を行います。
  • 外壁タイルの張り替えや補修および洗浄
  • 外壁吹き付け部分の塗り直し
  • 手すりや鉄筋部分の補修
  • バルコニーなどの防水工事
上記のように、マンション全体に関わる工事全般を行うのが、大規模修繕工事になります。大規模修繕以外にも、数年に1度のペースで細部の工事は行っています。これらの工事内容や頻度については、管理規約集に同封されている「長期修繕計画」を確認しましょう。その計画表に、全ての工事内容や頻度が細かく記載されています。

大規模修繕はいつ行うか?

大規模修繕工事を行う時期は、マンションによって異なります。ただ、一般的に大規模修繕は12年周期に行われ、エレベーター工事や機械式駐車場工事などは、30年に1回のペースで行われます。仮に、大規模修繕工事2回分の24年間で長期修繕計画表が策定されているのであれば、30年の節目で工事がないかの確認をしておきましょう。

売却するなら、大規模修繕の前と後どちらが良いか?

では、大規模修繕工事の前と後の、どちらがマンションを売却するのに良いタイミングかという点です。結論から言うと、大規模修繕工事の「後」の方が良い場合が多くなります。
大規模修繕工事の後に売却するメリット
大規模修繕の後にマンションを売却するメリットは、外観部分がきれいになっているという点です。マンションは一戸建てと違い、外観分や共用部は自分の意思だけでは修繕できません。そのため、唯一「大規模修繕」だけが、外観や共用部をきれいにしてくれる工事になるのです。外観部分は第一印象に大きく影響しますので、外観部分がきれいであれば検討者の検討度合いも上がります。
大規模修繕工事の後に売却するデメリット
一方、大規模修繕後に売却するデメリットは大規模修繕をしても大きく変わっていない場合があるという点です。つまり、「大規模修繕をしてこの外観か・・・」とガッカリされてしまう点がリスクになります。この点は、修繕をしてみないと分かりませんが、ノウハウや管理戸数が少ない管理会社はリスクが高まります。そのため、管理会社の実績である程度予想できる部分になります。

修繕積立金や管理費の値上げ

つづいて、修繕積立金や管理費の値上げについて解説します。マンションには、修繕積立金や管理費のようなランニングコストがあり、購入検討者はそのコストを加味して検討します。そのため、ランニングコストが高いと、それだけで検討を見合わせる可能性も上がるということです。まずは、ランニングコストが上がるタイミングを理解しましょう。そうすれば、ランニングコストが上がる前に、マンションの売却ができるかもしれません。

修繕積立金が上がるとき

一般的なマンションの修繕積立金は、以下のどちらかの方式になっています。
  • 段階積み上げ方式
  • 一時金方式
ただし、築年数が古いマンションだと、上記が明確に決まっていない場合があります。その場合は、過去の修繕積立金の増加額とタイミングを管理会社に聞きましょう。その増加額とタイミングで、今後の修繕積立金の増額タイミングを予想するしかありません。
段階積み上げ方式
段階積み上げ方式とは、たとえば「5年に1回○○%修繕積立金を上げる」のように、修繕積立金額を上げるタイミングと増加額を決めている方式です。現在の分譲マンションはこの段階積み上げ方式を採用しているマンションがほとんどでしょう。この方式の場合、チェックすべき点は以下2点です。
  1. いつ増額するか?
  2. 今まで増額されていたか?
まずは増額するタイミングを調べましょう。これは管理規約に記載してあります。また、管理規約で決まっていても、実際には増額せずに修繕出来ている場合もあるので、実際に増額したかどうかを管理会社に聞いてみると良いでしょう。
一時金方式
最近のマンションでは少ないですが、一時金方式を採用しているマンションもあります。一時金方式とは、「一括で○○万円徴収」など、定期的に10万円単位の修繕金を徴収する方法です。この場合は、以下の点をチェックしましょう。
  • 一時金を徴収するタイミング
  • きちんと徴収できているか
上記は、管理規約および管理会社にヒアリングすることで分かります。

管理費が上がる

管理費が上がることは、修繕積立金が上がる可能性よりは小さくなります。具体的には、以下のようなときに、管理費が上がる可能性があります。
  • 管理会社が変更になったとき
  • 駐車場などの稼働率が下がったとき
結論から言うと、修繕積立金ほど気にしなくて良いポイントです。
管理会社が変更になったとき
そもそも、管理人は管理会社が行う清掃や点検、管理人駐在に対して費用を支払っています。そのため、管理会社が変われば、そのやり方や頻度が変わるため、管理費も変更になるということです。仮に管理会社が変更になるときは、管理組合(入居者で組成)の許可が必要なので、入居者であれば把握しているはずです。
駐車場などの稼働率が下がったとき
マンション内に駐車場や駐輪場がある場合、その使用料も管理費会計に盛り込みます。駐車場や駐輪場は稼働率と呼ばれる、「このくらい借りる人がいるだろう」という目安が存在します。この稼働率は重要事項説明書などに記載されているため、今の駐車場や駐輪場の使用率が稼働率を下回っていないか、管理会社に聞いてチェックしましょう。もし、稼働率を下回っていれば、将来的に管理費が上がるリスクがあります。

管理費・修繕積立金に関する注意点

修繕積立金や管理費の注意点としては、明らかに金額が上がると分かっている場合は、購入検討者に告知するという点です。修繕積立金や管理費が上がる場合は、必ず入居者には書面などで告知されます。その告知をされているにも関わらず、その金額を購入者に伝えないと、マンション引渡し後にトラブルになるリスクがあります。そのため、ランニングコストが上がるタイミングで売却する場合は、この告知を忘れないようにしましょう。ただし、段階積み上げ方式のように、明確に重要事項説明書などに記載されているのであれば告知する必要はありません。告知すべきなのは、臨時で徴収される一時金などの金額だけです。

建て替えは行われるのか?

マンションの建て替えには以下2種類あります。
  1. 不動産ディベロッパーが主導する建替え
  2. マンション建替えの法律に従う建替え
上記の建て替えのうち、不動産ディベロッパーが主導する建替えの方が多くなります。また、マンションを建て替えるときには「マンション建替え等の円滑化に関する法律※3」の第9条にあるように、入居者の3/4以上の同意が必要です。そのため、結論をいうとマンション建替えの事例は少なく、建て替えを機にマンションの売却をすることは極めて少ないと言えるでしょう。参考までに、マンション建て替え協会が出典している資料※4によると、マンションを建て替えている事例の平均は築41年です。そのため、築40年を過ぎているマンションは、建て替えの話が出ていないかのチェックはしておいた方が良いです。※3マンション建替え等の円滑化に関する法律https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000050.html※4マンション建て替え協会 建て替え事例一覧http://m-saisei.info/tatekae/enkatsukajirei_index.html

まとめ

中古マンションを購入するときは、以下の点を抑えておきましょう。
  • 中古マンションの不安点を把握しておく
  • 中古マンションを選ぶ要素を確認する
  • 築15~20年程度の中古マンションが良い
まずは、中古マンションの不安点を把握しておきましょう。耐震性への不安や建物寿命への不安などを把握し、それに応じて中古マンションを選ぶ要素を確認しましょう。これらの点を踏まえると、築15年程度の中古マンションが最も買い時であると言えます。
株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

「Housmart(ハウスマート)」が、購入や売却に必要な基礎知識・ノウハウ、資産価値の高い中古マンションの物件情報詳細、ディベロッパーや街などの不動産情報をお届けします。