2倍お得?夫婦ペアローンで住宅ローン減税・控除を利用する方法と注意点とは
2015.09.25
住宅ローンを組むと、所得税や住民税が返ってくる住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)という制度を利用することができます。一定の要件を満たすことで借入残高の1%が10年間納めた税金から還付されるというもの。大変利用価値の高い制度ですが、条件によっては夫婦共に利用することでより効果を高められる可能性があります。
監修者:針山昌幸
住宅ローン控除は税金が控除されるだけ
借入残高の1%が10年間還付される住宅ローン控除ですが、まず頭にいれておかなければならないことは、この制度は税金が控除されるだけ、ということです。住宅を購入し、2021年12月30日までに入居する場合、売主が新築マンションなど法人の場合、利用できる借入残高の上限が4000万円までなので、最大で40万円×10年間まで権利を得られますが、40万円還付の恩恵を受けるには所得税と住民税で40万円以上税金を納めている必要があります。(中古マンションなど売主が個人の場合は2000万円(合計20万円×10年間)まで)例えば年収600万円前後の方は、社会保険料控除や配偶者控除などさまざまな控除を差し引いて20万円程度を所得税で納めています。40万円−20万円で残額が20万円ですが、この残った20万円は住民税から控除することができます。ただし、住民税の控除額は最大で13万6500円まで。6万5000円分控除額が余ってしまいました。どうすれば住宅ローン控除を最大限利用することが出来るのでしょうか?住宅ローン減税はペアローンであれば夫婦別々に利用できる
住宅ローン減税は、上記のようなケースではせっかくの権利を有効活用できません。そこで、共働きである場合、ご主人、奥様それぞれ住宅ローンを組むペアローンを活用する方法があります。例えば4,000万の新築マンションで住宅ローンを組む場合、3000万円をご主人、1,000万円を奥様というふうに分ければ、それぞれご主人が年間30万円分までの税金の還付の権利を、奥様が10万円分までの税金の還付の権利を得ることができます。もしくは、4,000万円の中古マンションを購入する場合、ご主人と奥様が2,000万円ずつ住宅ローンを組み、上限金額の20万円(2000万円の1%)×2人分、という利用方法も可能です。ペアローンは産休や育休も考慮する
住宅ローン減税は、住宅ローンを組んでから10年間税額の還付を受けられる制度ですが、産休や育休で働いていない期間もその枠を消費してしまうことになります。産休や育休、子育てに専念するための休職期間を考えている場合には注意しておきましょう。まとめ
住宅ローン控除制度は数ある住宅関係の特例の中でも大きな恩恵を受けられる可能性のある制度です。ご主人だけでは控除枠を使いきれない場合、控除枠を最大限利用したい場合は、今回ご紹介した内容を参考にしてみていただけたらと思います。関連記事:住宅ローン減税・控除ってどのくらい得するの?金額と条件を徹底比較!株式会社Housmart
マンションジャーナル編集部
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