マンションの間取りにおける「人気の7パターン」とは?
2015.10.31
マンション選びのポイントとして「価格」「立地」に次いで重要なのが「間取り」です。「間取り」は日々のライフスタイルと密接に関わっており、長く快適に住み続けるために重視すべき大切な要素です。
しかし、自分に合った間取り、理想的な間取りを、そもそもどのように見つければよいのでしょうか?
今回は、7つの間取り黄金パターンを紹介し、さらにその中からどのような観点で間取りを選ぶべきかを紹介します。
今回は独自に人気の間取りを以下の7つのパターンに分類してそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
しかし、自分に合った間取り、理想的な間取りを、そもそもどのように見つければよいのでしょうか?
今回は、7つの間取り黄金パターンを紹介し、さらにその中からどのような観点で間取りを選ぶべきかを紹介します。
監修者:針山昌幸
間取りの黄金7パターン
マンションの歴史の中で、新築マンションデベロッパーは限られた面積を有効に活用するために試行錯誤を繰り返してきました。その結果として、今日の部屋の間取りはある程度のパターン化されることになりました。今回は独自に人気の間取りを以下の7つのパターンに分類してそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
- 田の字 縦長リビング型
- 田の字 横長リビング型
- ワイドスパン型(センターリビング型)
- タワーマンション型
- 両面バルコニー型
- センターイン型
- サービスバルコニー型
【間取りパターン別】メリット・デメリット
田の字 縦長リビング型
良くも悪くも典型的な間取りです。共用廊下が外側にあるオーソドックスなマンションに良く見られる間取りで、通常は左右を他の住戸に挟まれた中住戸です。お部屋に縦と横の線を引いたときに、リビング・寝室2部屋・和室が上下左右に別れ、田んぼの字のようになることから、このような名前が付きました。
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メリット
このタイプはマンション全体に多くの住戸数を設けることが出来るので、建築側と買い手側に共通して「コストが安い」というメリットがあります。また住戸の形がきれいで、マンションの住戸を南向きに設計することが容易なため、陽当たりの良いお部屋が多くなります。水回りがお部屋の中央に集中しているので、近隣住民との騒音トラブルを防ぐことが出来る、動線がよく家事をスムーズに行うことが出来るというメリットがあります。デメリット
共用廊下側に面しているお部屋があるため、プライバシー性が低いです。他人が通るので、窓を開けっぱなしにしづらいという方や、音の心配をなさる方もいらっしゃいます。共用廊下側の窓を閉めてしまうと、お部屋全体の風通しが悪くなってしまうので、気になってしまう方にはあまりオススメしません。田の字 横長リビング型
同じ田の字プランでも、リビングが横向きになっているパターンです。
メリット
バルコニーに面している幅が広いので縦リビングよりも採光に優れた開放的なリビングを確保することが出来ます。小さなお子様がいる方は和室を開け放して、子供部屋にするのも良いかもしれません。また、洋室2部屋がリビングから離れている分、プライバシー性が高くなります。デメリット
縦型リビングに比べ、和室の日当たりが悪い点が挙げられます。また、このタイプの和室は引き戸になっていることが多く、遮音性も低い傾向があるので和室を活用するためには工夫が必要かもしれません。ワイドスパン型(センターリビング型)
バルコニーに面したスパンの長さを生かしたプランです。通常、バルコニーのスパンは6mほどなのですが、ワイドスパン、もしくはセンターリビングと呼ばれるプランは8m以上も長さがあります。
メリット
バルコニーに面する居室を3部屋以上確保することで、風通しや日当たりの圧倒的に良い住環境を獲得することが出来ます。またリビングを中心とした間取りなのでお部屋に一体感が生まれ、家族とのコミュニケーション不足を解消する役割も果たします。子育て中のご家庭にオススメです!デメリット
一つのマンションの中で、田の字型プランより供給される住戸数が少ないこともあり、お値段は比較的高く設定されます。また、上の間取りは全てのお部屋がリビングにつながっているため、居室の独立性は低く、プライバシー性を重んじるご家族は少々気になるかもしれません。タワーマンション型
タワーマンションなどの、超高層マンションに多く見られる間取りです。
メリット
超高層マンションの魅力と言えば、アクセスの便利さとその素晴らしい眺望です!こちらのプランは、バルコニーに面したお部屋が多く設けられており、タワーマンションタイプの間取りの強みを存分に生かしています。また、タワーマンションタイプの間取りに共通してみられる特徴が高い天井です。間取り図では見落としがちですが、天井が高いと全体に開放感が出て、住み心地が格段に上がります。エレベーターがマンション中央に位置しているため、角部屋を造りやすく、プライバシー性が高く、かつ2方向に窓のある開放的な空間を作り出すことが可能です。
デメリット
周辺環境に注意を払う必要があります。周りに高層マンションが密集していると、採光や眺望に悪影響を及ぼす可能性があります。また間取りとは直接関係ありませんが、バルコニーに洗濯物や布団を干すことが禁じられているため、不便に感じたり、地震の際に地上よりも強く揺れを感じたりなど、タワーマンションならではの悩みもあるようです。>>>中古マンションをお得に購入できるサービスとは?
両面バルコニー型
お部屋の両サイドにバルコニーが2面あるという、非常に贅沢な人気の間取りです。
メリット
全ての居室がバルコニーに面しており、一戸建て並みに通風・採光に優れています。また、共用廊下に面した居室が無く、独立性が高いことも大きなメリットです。広いバルコニーは洗濯の他にもガーデニングやティーブレイクなど、様々な楽しみ方が出来そうですね。デメリット
両面バルコニーがあるお部屋は、普通に比べて設計にコストと手間がかかるので、設計側は採用したいけれど中々できないという場合が多いです。1つのマンションの中でこのような間取りに出来る数は限られており、費用が高めという点がこのタイプの弱点と言えます。センターイン型
玄関が中央に設計されている人気のタイプです。上のお部屋ではセンターインに加え、両面にバルコニーも設けられており非常に魅力的な間取りになっています。
メリット
お部屋内部の廊下面積を省いている分、お部屋や収納に余裕を持った設計が可能です。どの居室も玄関から近く、生活動線が短いので、非常に合理的な住まいです。デメリット
こちらも両面バルコニータイプと同じく、マンション全体の中での部屋数が限られています。また、外壁の量を増やす必要もあるため、やはり田の字プランに比べてコストがかかるという弱点が挙げられます。>>>中古マンションをお得に購入できるサービスとは?
サービスバルコニー型
直線上に3部屋並び、サービスバルコニーに面しているタイプです。ちなみにサービスバルコニーとは、通常奥行き1m以下のものを指し、北に面しているものが多いです。
メリット
縦に並んだ3つの洋室、そしてリビングがバルコニーに面し、非常に開放感ある間取りとなっております。サービスバルコニーは採光・通風に良いだけでなく、物置スペースとしてもとても役立ちます。また、水回りがまとまっているので、将来リフォームがしやすいという長所もあります。デメリット
洋室が2部屋リビングに面しており、引き戸になっているため、遮音性が低いのが難点です。思春期のお子様がいるご家庭や、プライバシー性を重んじるご家庭には少し合わないかもしれません。間取りの選び方
ここまで間取りの黄金7パターンとそれぞれのメリット・デメリットを紹介してきました。この中でどのように自分にあった間取りパターンを考えるのが良いのでしょうか。次は間取りの選び方について見ていきましょう。間取りは「動線」が合理的なもの選ぶべし!
「方位」「広さ」「価格」など、条件としては申し分ないはずなのに、住んで初めて「不便だな」と感じることがあります。このような不便さは事前に「動線」を確認することで予防することができます。「動線」は家での動きの流れを示した線のことで、「家事動線」と「生活動線」に二分されます。優れた間取りかどうかは、ズバリこの「動線」に現われます。一般に動線が短く、合理的であるほど暮らしやすいとされております。
【関連記事】間取り図の略語「MB」「PS」って一体なんだ?
家事動線
家事がスムーズに進行するかどうかチェックします。例えば上の間取り図は、トイレ・浴室・洗面所・キッチンが一直線につながっており、さらにキッチンからバルコニーに出ることが出来ます。
このようにキッチンや水回りがまとまっていると、家事をする際にリビング・ダイニングを横切る必要が無く、洗濯と料理を同時に行えたり、キッチンから直接バルコニーへ出て洗濯物を干せたり、と非常に便利です。
一人暮らしやDINKsなどで家事の負荷が低い世帯であれば重要ではないことがありますが、お子さんのいるファミリー世帯だと家事動線の悪い間取りに住んでしまうと家事がとても大変です。
生活動線
「短い」ということ以外に「家族同士でなるべく重ならないかどうか」もチェックします。朝起きてから玄関を出るまでの一連の動作を混雑せずに行えるか、来客があった際に部屋の散らかりが見られないか、といった点をシミュレーションしてみると案外イメージがわいてくると思います。以上のポイントを踏まえた上で、実際の生活を思い浮かべながらもう一度間取りを眺めてみてください。自分に合っているかどうかが見えてくるはずです。
まとめ
マンションの間取り黄金7パターン、いかがでしたでしょうか。間取りは意外と奥が深く、お子様の年齢、住む人数など、ライフステージによっても合う間取りは違ってきます。また、理想を追い求めすぎてコストが高くなってしまったり、ユニークな部屋に安易に飛びついて失敗してしまったりするケースもあります。
そうした失敗を防ぐためにも、間取りをチェックする際には自分や家族の生活スタイルを具体的にイメージし、暮らしやすさをしっかりと確認しましょう。
株式会社Housmart
マンションジャーナル編集部
マンションジャーナル編集部
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