今マンション買うなら「買い時」な街・2023年版【1】板橋本町エリア

2023.06.01
今マンション買うなら「買い時」な街・2023年版【1】板橋本町エリア

マンション価格が上昇し続け、予算内で理想の中古マンションを探すのが難しくなっている東京23区。すでに一部では、人気のブランド立地といえども価格が適正でないものも・・。今買うべきなのは、将来を見据えた時に売却で苦労しない資産価値の高いマンション。かつ、価格が上がりきっていないエリアのマンションです。

この記事では、2023年現在「買い時」な東京23区の3エリアをご紹介。 
今回取り上げるのは、板橋本町エリアです。

該当エリアが「買い時」な理由と合わせて、中古マンションを購入する際によくある疑問も解決できるようになっています。

  • エリアの資産価値はどのような要素で判断すればいいのか
  • 板橋本町エリアが「買い時」な理由
  • 各エリアの生活環境はどうなのか


ではさっそく見ていきましょう!


板橋本町エリアが買い時である理由についてお話いただくのは、「資産価値観点でのマンション選びのプロ」、渕ノ上 弘和さんです。

監修者:渕ノ上 弘和

渕ノ上弘和プロフィール写真

コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社 代表取締役
「管理」「建物」「土地」の側面から物件の資産価値を適正評価する「資産価値観点でのマンション選びのプロ」。わかりやすい解説に定評があり、マンション管理士・FP・不動産エージェントとして第一線に立ちながら、セミナーや企業研修、メディア執筆もこなす。
近年では株式会社MFS INVASE(不動産投資事業)事業責任者も務め、投資目線でのマンション購入のサポートも行っている
https://coam.co.jp/

なぜマンション選びで「資産価値」が重要なのか

「資産価値が落ちない、資産価値が高いマンションを買え」というのは、これまでも言われてきたことではありますが、なぜこれほど資産価値が重要といえるのか。

コロナ禍以降、テレワーク化が急激に進んだりAiがビジネスに本格参入するなど、より一層変化のスピードが増してきています。また、面積や間取り、立地など、自分や家族に合った住まいの形は常に変化しています。ライフスタイルの多様化も進むなかで、住まいも時代の変化やライフステージに合わせて柔軟に変えていくことが、今後の自分や家族の幸せを担保していくうえで重要となるでしょう。

そのためには、売れやすいマンションであることが必須条件。その判断軸になるのが、資産価値です。「資産価値が高い」とは、言い換えれば「多くの人に求められる」、「住みたい」と思われる街である、ということ。 そのための要素を兼ね備えている、もしくは兼ね備えていく予定がある=資産価値が高い、と言えます。

資産価値=「住みたい」と思われる要素があるか、で決まる

ニッチな層に受ける要素を兼ね備えている魅力的な物件や土地もありますが、あくまでも「多くの人に」求められる(求められやすい)ものでなければ、「資産価値が高い」とは言えません。
資産価値が高い物件であれば、その物件を手放した際に買い手がつきやすい、つまり負債を抱えにくくなります。資産価値が高い物件を選ぶことは、人生の選択肢を広げてくれることに繋がるのです。

板橋本町エリアが「買い時」と言える4つの理由

資産価値が高い、という軸に合わせて見たいのが、「価格が上がりきっていない」こと。それに加えて将来性も見込めるエリアを、「買い時」としています。見極める際のポイントは、「現時点での兆候をみる」ことと、「将来的な見込みをみる」の2点です。

「今が買い時」だという判断軸については、下記の4視点で見て総合的に判断しています。 
「資産価値を測るにはどの指標を参考値にすればいいのか」 「“資産価値が高い”とはどういうことか?」 などを知りたい方は、こちらの記事をお読みください。

「今が買い時」を見極める4つのチェックポイント

・都内23区で他エリアと比較してマンション価格の上昇がまだ見られていない(→高値づかみの危険性が低い)
・賃料が一定水準以上の高価格帯であり、中古マンションの物件価格が賃料と比較して安い(→現時点で購入するメリットがある)
・周辺に再開発計画があり、今後価格が維持されるもしくは上昇する見込みがある(→将来的にも賃料が維持・向上し、購入需要が見込める)
・交通利便性、生活利便性が高い(→居住エリアとして求められる必須要件を満たしている)


ではまずは、板橋本町エリアが「買い時」と言える理由を4つのポイントから見ていきましょう。

なお、本記事で取り上げる「板橋本町エリア」は、板橋本町駅(都営三田線)の徒歩圏内である板橋区本町・清水町・宮本町・大和町が中心となるエリアを指しています。

理由①中古マンションの価格帯が都内23区内でリーズナブル、かつ賃料高め

まず板橋本町駅周辺エリアは、中古マンション価格が都内の他エリアと比較して抑えめ。

カウルの独自調査では、2023年3月時点での売り出し物件において、平均価格帯は2900万円。築年数10年以下の築浅マンションが一部平米単価100万円を少し超えるものの、全体平均は71.5万円と非常にリーズナブルです。

次に指標として参考にしたいのが、現在の賃料。賃料価格は需要があることの一つのバロメーターとなります。賃料が一定水準以上高いエリアで、かつ中古マンションの価格帯が「買った方が安い」という状況であれば、現時点において自分が購入するメリットも、将来的に他の誰かが購入するメリットもあると考えられます。

板橋本町駅周辺の賃貸マンション価格は50㎡台で20万円前後。これであれば、住宅ローン低金利が続く現在、変動金利で0.5%・頭金なしで仮定してみると、月々返済が18万円弱。「買った方が得」となるわけです。

アプリ「カウル」での購入費用シミュレーションの例


渕ノ上さんからのここがポイント!
このエリアは都心部へアクセスできる三田線エリア。にもかかわらずこの平米単価は、はっきり言って「お買い得」と言えるでしょう。

強気な賃料付けは見逃せません。強気すぎてやや賃貸借契約が決まっていない物件も見られますが、賃料価格として伸びてきているのが実際です。
THE ITABASHI テラス、THE ITABASHI レジデンス、パークホームズ板橋本町は、本エリアの価格を左右するいわば「リード物件」です。いずれもここ2年ほどで平米単価を70万円から90万円台まで伸ばしています。

このエリアは、自己居住用のいわゆる「実需」での人気が伸びていることはもちろん、法人系借り上げ社宅(転勤で本社勤務となった方用)としても、50㎡以上のファミリータイプのお部屋が好調です。これは都心3区の賃料の上昇から、より広いお部屋を・・・と居住性にフォーカスした結果狙われているためです。

「買ったほうが得か」「借りたほうが得か」の観点から、資産性が強いサイクルに入っているのがこのエリアとも言え、今後が更に楽しみです。

なお詳しくは後述しますが、ただ安いだけでなく、都心部を便利に移動できるだけの交通利便性が担保されていることは必須要件です。両軸で物件を評価することが肝心です。


THE ITABASHI レジデンスの写真

THE ITABASHI レジデンス




>>THE ITABASHI テラスの平米単価と販売戸数の推移を見る

>>THE ITABASHI レジデンスの平米単価と販売戸数の推移を見る

>>パークホームズ板橋本町ステーションコンフォートの平米単価と販売戸数の推移を見る

理由②周辺エリアに再開発予定あり

板橋本町駅の足元では再開発予定は現状ありません。注視したいのはその東側、自転車で10分以内の十条駅周辺の再開発です。現在、北区が日鉄興和不動産、東急不動産とともに「十条駅西口地区第一種市街地再開発事業」として大々的に開発を進めており、今後マンション需要が伸びて価格も上昇する見込みがあります。区はまたぎますが、エリアとしては隣接しているため、板橋本町駅周辺にもその波及効果が期待できます。

駅前に集合住宅部分を含む地上39階の高層ビルが完成予定。駅前広場の機能を持つ「J& TERRACE(ジェイトテラス)」と、商業施設や北区の公共施設が入る「J& MALL(ジェイトモール)」とで構成され、集合住宅部分は「THE TOWER JUJO(ザ・タワージュウジョウ)」としてすでに販売がスタートしています。

渕ノ上さんからのここがポイント!
今回取り上げている板橋本町駅の東側を、私は「十条〜王子神谷ベルト地帯」(※編集部注)と呼んでいます。十条駅、東十条駅、王子神谷駅の西から東にかけての地域です。ここは、従前の住宅地、商店街等が建て変わることが期待でき、今後の発展が楽しみな注目エリアといえます。

購入検討時にそのマンションの適正価格を見るには、「横」の街の盛り上がりを見ましょう。横のエリアの賃料価格が高く、さらに開発予定などの要素から街の発展が見込めるのであれば、自分が購入検討しているエリアの適正価格もアタリがつきますし、どれくらいの時期に上がってきそうかも判断できるというわけです。

※「十条〜王子神谷ベルト地帯」という呼称は渕ノ上さんによる造語です。


理由③街並みが新陳代謝する余地がある

戦前から工業地域として発展してきた板橋本町駅周辺は、今でも中小規模の企業が集積しています。1968年の都営三田線の開業以降は住宅も増えて商店街もでき、職住がともにあるエリアに。現在も戸建てが多くマンションの売出件数は少ないものの、時代の変化とともに街の既存の建物の建て替えも進み、近年では新築マンションも増加中。板橋本町駅に降りたてば、首都高沿いを中心に各所で工事が進んでいることが確認できます。2023年5月現在も、日本エスコンによる新築マンション「レ・ジェイド板橋本町」などが販売中です。

中山道の写真

首都高沿いはあちこちでマンション建設中の工事現場が見られます。すでに竣工済みのものも


新築マンションの増加で新しい住民が増えればそれだけ街は活性化し、相乗効果で街の居住ニーズが増えていくことにも繋がります。

渕ノ上さんからのここがポイント!
あるエリアにおいて、昔ながらの住居・お店・ビルが新陳代謝で建て替わるとき、さらに街の魅力や勢いがストレッチします。先ほどは「再開発予定の有無やその内容をチェックすることで街の将来性を見極める」という観点でお話ししましたが、こうしたいわば自然発生的な新陳代謝が起こるかどうか、も一つの観点です。これはなかなか見極めが難しいところではありますが、近年で新築マンションの増加が見られるか、目下進められている工事案件はあるか、などが一つの指標となります。ディベロッパー各社は、マーケティング事業戦略の元で街のニーズをシビアに見定めたうえでマンションを建設するからです。同様の観点から、大手ディベロッパーによるブランド賃貸マンションがあるかどうか、も一つの指針にできるでしょう。そのエリアに高価格帯の賃貸マンションニーズがある、と読み取ることができます。

また、建て替え可能性のある建物(店舗・住宅を問わず・特に複数件まとまっている場所)等を見て、今後の発展可能性を想定することも有用ですが、かなり上級編となるので、専門家と一緒に見ることをおすすめします。


板橋本町近くの賃貸マンションの写真

板橋本町駅近くには野村不動産や東急などブランド賃貸マンションが並ぶ


理由④三田線で都心部へ直通アクセス。単身からDINKs、ファミリーまで暮らしやすい街並み

ここまで中古マンション市場から見た価格の妥当性や将来性の観点から、解説してきました。ですが、現時点で住まう上で不便があっては元も子もありません。板橋本町駅は、交通利便性も生活利便性も、どちらも十分に満たしているといえます。

都心の主要駅にスムーズアクセス

まず資産価値にも直結する交通利便性の観点では、都営三田線によって都心へ直通アクセス可能です。大手町駅まで直通22分。ターミナル駅である東京駅、その周辺のオフィスエリアまでも簡単にアクセスできることになります。
また、駅前からは池袋駅や赤羽駅方面をはじめバス便が出ています。電車と組み合わせて使うことで、都内の交通アクセスを縦横無尽に使いこなすことができるでしょう。池袋駅までは車で12分ほどなので、終電以降は池袋からタクシーで・・という人も多いそう。

板橋本町駅の写真


個人店も多い地元の商店街は買い物にも便利

また、商店街が複数あり、地元住民の日常的な買い物先として賑わっています。スーパー「ライフ」などの大型店舗ばかりでなく、個人店も多いのが特徴。焼き鳥やお弁当など、テイクアウトできる惣菜店も多いので、単身の方や共働き、育児などで忙しい方にも助かるでしょう。

ライフの写真


板橋本町商店街の写真


もともと京都と江戸を結ぶ街道である「中山道」の、江戸側に入る最初の宿・「板橋宿」として栄えた歴史的背景もあるため、派手ではなくともどこか宿場町の賑わいを感じさせるようなローカルな空気感が心地よい商店街です。

緑が多く子育て施設・支援も充実した板橋区

また、板橋区は緑地が多く、子育て支援・教育関連施設に力を入れていることもあり、のびのび子育てができる環境を求める世代から人気上昇中。ファミリー層に特にイチオシなのが、モルモットやポニーなどの動物と触れ合える板橋こども動物園。駅から徒歩17分程度の距離で、なんと無料。同敷地の東板橋公園では平日でもピクニックを楽しむ人たちが世代を問わず集い、ファミリーばかりでなくおすすめできる緑豊かな美しい公園です。

東板橋公園の写真


板橋こども動物園の写真1


板橋こども動物園の写真2


ほかにも2021年に完成し、70言語の海外絵本を所蔵するいたばしボローニャ絵本館やカフェが併設するなど先進的な設計が魅力の板橋区立中央図書館も、板橋本町駅から自転車で10分程度。以前にマンションジャーナルで行った「子育てしやすい区ランキング」でも、総合得点で板橋区は4位になるなど、大躍進。「都内で子育てをしたいが、なるべく自然に触れ合えるのびのびとした環境で育てたい」という考え方の親御さんにはぴったりです。

なお今回紹介したエリアには、名門とされる板橋区立加賀中学校の通学区が一部含まれるので、住み替えでの将来的な売却を見据える方や、子どもの教育条件を重視する方は、購入時には要チェックです。

渕ノ上さんからのここがポイント!
先ほどは、データやエビデンスに基づき「買っていいと判断できるか」という観点でお話していましたが、何より居住エリアとしての魅力があることが第一に大事です。再開発予定があっても、企業誘致などビジネス活用に偏った再開発内容では、そのエリア一体がマンション購入検討者にとって魅力的に映るかというと答えはNOです。そのため、予定された再開発の「中身」にも注視し、将来的に購入検討エリアで「マンションを買って住みたい」という人が増えるかどうか、イメージしましょう。

板橋本町は、派手ではなくとも住みやすい街といえます。私のお客様でも直近で、このエリアの中古マンションを購入された方が2組いらっしゃいました。コストパフォーマンスに優れた、「東京で今面白い中古マンションエリア」と言えるでしょう!

購入エリアの将来性や「この物件を買って良いのか?」など判断にお迷いの方、物件の購入・売却をご検討中で買うべきエリアの選定や物件の条件設定などでアドバイスが欲しい方には、無料の相談サービス「Journey(ジャーニー)」をご提供しています。投資用物件の購入を考えている方のご相談も対応しておりますので、不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。


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マンションジャーナル編集部

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