転職・海外駐在・賃貸契約・住宅ローン審査落ち…難題を乗り越えてつかんだ、初めての中古マンション購入|板橋区・30代・単身

2023.08.21
転職・海外駐在・賃貸契約・住宅ローン審査落ち…難題を乗り越えてつかんだ、初めての中古マンション購入|板橋区・30代・単身

本事例の成功のポイント

*市場の実態把握が肝心。海外駐在中からマメに情報収集して、相場や価格の下がり具合までを把握

*将来の住み替えや賃貸に出すことを想定して、希望条件は資産価値に全振りして限定的に

*仲介担当者を一人自分側に立てて、窓口を一本化。物件ごとに異なる業者とやり取りするストレスを排除


「そのうちマンションを購入したい」「そろそろ考える時期かな」・・そう思っていても、住まい探しは準備しないといけないことも多く、なかなか踏み出しづらいもの。

また、いざ探し始めたものの、「ずっと探しているけど、なかなか理想の物件が出てこない…」と悩んでしまうことも。

理想の住まいを手にした方は、どうやってその物件を見つけたのか? きっかけや探し方、資金計画など、成功も失敗も、リアルな体験談を伺いました。

>>【関連記事】まずは住宅ローン選びから!理想の中古マンションを無駄なく最短で買う方法

今回ご紹介するのは、板橋区で中古マンションを購入された単身の女性。なんと海外駐在中に、リモートを駆使して物件をチェック。帰国前から情報収集をきっちり行うことで、賃貸物件契約も帰国後一週間で完了させ、想定外の資金計画の見直しにも動じずに、購入を達成! 複雑な条件下でも着実に進められたのは、頼れるプロを専任として味方につけたことと、無駄を徹底して省くことにあったようです。

《プロフィール》
家族構成:Aさん(単身)
購入時の年齢:33歳
職業:会社員
世帯年収:880万円
それまでの購入経験:なし(以前の住まい:賃貸・家賃補助あり)


《購入物件》
最寄り駅:板橋区 板橋区役所前(都営三田線)まで徒歩5分、下板橋駅(東武東上線)まで徒歩6分、板橋駅(JR埼京線)まで徒歩10分(3駅3路線利用可能)
間取り:1LDK
面積:46㎡
築年数:築16年(購入時)
購入価格:3,750万


転職を機に家賃補助がなくなったため、購入に踏み切った

ー Aさんは、昨年10月に中古マンションを購入されたとのこと。「転職をして会社の家賃補助がなくなった」ことが購入に踏み切ったきっかけだったとお聞きしていますが・・

「購入の3ヶ月前の7月に転職をしたんですが・・実は私、その1ヶ月前まで海外に駐在をしていまして・・海外にいた前職の時にリモートで日本の会社への転職活動をして、まずは転職先が決まったのですが、その転職先には家賃補助がなかったんです。『日本に帰った時の住居をどうしようかな』と考えた時に、やっぱり家賃補助がなくて賃料を全額とられてしまうのは、かなり負担に感じて・・それで、購入を視野に入れようと思いました。

転職先が決まったのは転職する半年ほど前の1月だったので、その段階で家賃補助がなくなることはわかっていました。なので、その時点で購入用の物件を探し始めました」

ー 海外からリモートで転職活動も、物件探しもされたんですね・・! 日本へ帰国したいという意志から、転職をされたのですか?

「いえ、家庭の事情で日本に戻ることになりまして。それも踏まえて、日本に帰るのであれば同じ会社の東京の部署よりは、転職して新しいところに行こうかなって考えたんです」

帰国前からネットで日々検索。エリアは地縁のある場所で

ー 海外の地からの、日本での転職活動とマンション購入活動。どちらも大変だったのではないかと・・。具体的にどのように家探しを進められたのでしょうか?

「そうですね。まずはSUUMOとかポータルサイトで物件を探していました。最初は情報収集していたような感じですね。私が住みたいエリアはどれぐらいの金額なのかとか、 価格の下がり具合などを日々チェックしていました」

ー 「住みたいエリア」はどのように選定していきましたか?

「エリアについては、板橋区で探していました。その理由も、私が板橋区生まれで、地元だということ。あとは、先ほど家庭の事情で日本に帰国したと申し上げたんですけど、父親の住んでいるところの近くがいいなと考えて、板橋区にしようと思ったんです。

社会人になりたての時に三田線沿線に住んでいたこともありましたし、馴染みがありまして」

ー ということは、そこが気に入ったから、そのまま賃貸物件と同じエリアにしたということですか?

「そういうわけでもなく・・ただその時に三田線が便利だなと思ったので、エリア選びの時の1つの選択肢として残そうとは思いました」

ー そこに絞って探された、ということではなく、結果的に賃貸物件と近いエリアになった、ということですね。
板橋区であること以外に、マスト条件として決めていらっしゃったことはありますか?

「まずは場所ですね。板橋区の中でも、利便性の良い駅を特定しておりまして。東武東上線であれば、急行が止まる成増駅とお隣の和光市駅、ここは埼玉なんですけど・・この2駅ですね。加えて、三田線の板橋本町から新板橋ぐらいまでの間を中心に、その周りでもしいい物件があれば・・という感じでした。 

その他のマスト条件としては、駅から徒歩5分ぐらいの駅近物件であること。あとは、築年数も20年以内がマストで、できれば15年とか10年前半ぐらいが希望でした」

ー 物件の専有部に関わる点では、条件はなかったんでしょうか。

「そうですね。角部屋だったり、南向きとかっていうところにこだわりはなく。ただ、高層階。高層階というか、2階以上っていうのはありましたね。

ー 2階以上、の理由は?

「えっと・・虫が嫌いで(笑) あと、実は私、人生で1階に住んだことがないんですね。実家もマンションだったので」

ー 駅徒歩5分というのは、ご自分の利便性というよりは、どちらかというと資産性の観点から設定していたんでしょうか?

「そうですね。購入した物件は、結果的に1LDKだったんですけど、私は今独身なので、今後何か起きた時・・結婚するなり、もうちょっと広い家に住みたいなって思った時に売りやすくするとか、売れなくても貸せるような条件のところが、いいなっていうところは考えてました」

専任の仲介担当者をつけて窓口を一本化、業者とのやり取りの負担を軽減

ー 海外からの物件探しについてどのように進めたか、もう少し詳しく伺っても良いでしょうか?

「はい。購入に際しては、東急リバブルにお世話になっていました。東急リバブルのホームページを見て、板橋区の良さそうな物件の売り出し情報が出たらお願いしますというようなボタンをいくつかクリックして・・東急リバブルの担当者から、情報があったら連携すると連絡があり、メール交換が始まりました。それが3月ぐらいなので、まだ海外にいる間ですね。

その担当者とは、こういう条件で家を探してるんです、という情報を伝えた上で、売り出し物件が出たら連携していただいたり、私の方でもSUUMOを見て気になる物件を伝えるなど、メール上でやり取りをしていました。

あと、それと並行して、海外にいながら物件を購入する進め方というのを、東急リバブルさんと確認をしていて。いろいろ確認していただいたんですけれども、結果的にはやっぱりスケジュールとか手続き面を考えると、海外にいながら購入を実現するのは難しいということになったので、一旦それは見送りにしました。 

それで、6月に正式に帰国した際に、東急リバブルさんの方に対面で挨拶に行って、じゃあ改めて内見などを進めましょうという流れになりました」

ー その担当の方以外には、特に日本の営業担当者とやり取りはされていなかったんでしょうか?

「そうですね、めずらしいパターンだったので・・実はもう1社、地元で店舗が複数ある不動産屋さんは、もうお手上げという感じで、『できません』って言われてしまいました。確認もしてくれなかった(笑) 東急リバブルさんは大手だったからなのか、割とご存知の方で、最初から最後まで付き合っていただきました」

ー どちらかというと、いろんなポータルサイト類をたくさん使ったというよりは、不動産営業担当者という個人を頼りにされていたんでしょうか?

「いえ、むしろですね、私はポータルサイトをめちゃくちゃ見ていました。売り主側の仲介とか、それぞれの業者さんと逐一やり取りするのが煩わしいので、こちら側にも仲介を立てて、全部その人を窓口にやり取りしていただいた、という感じですね。なので、私がSUUMOなりHOME'Sなり、各種ポータルサイトを見た上でピックアップして、『この物件が気になってます』っていうのを、そのリバブルの担当者に伝えると、あとは全部やってくれるって感じですね」

ー 先ほど、海外にいながら購入を実現するのは一旦断念したということでしたが、日本に帰国してから実際に物件を内覧しに行く、というステップがあったということですか?

「はい、そうです。帰国してから今の購入物件が見つかるまでは賃貸に住んでいました。賃貸期間は帰国した6月から引っ越しが完了する12月まで、半年くらいですね」

ー 賃貸物件についても、帰国してすぐに探したのでしょうか?

「いえ、賃貸に関しては、海外からリモート内見で決めました。契約自体は帰国してから書面を交わした形なので、1週間ぐらいはホテル住まいでしたが・・ ただ、そこまでのやり取りはすべて海外からメールや電話でリモートで行えました」

まさかの住宅ローン審査落ち・・資金計画を練り直してリベンジ

ー 最終的な購入物件を決めるまでに、内覧は何件ぐらいされましたか?

「けっこういろいろ行ったので・・10件ぐらいでしょうか。海外にいる間に見ていたものはすでに売れていたので、 日本に帰ってきてから改めて探して出てきたものを順次内覧に行くような感じでした」

ー その10件から実際に購入された物件に決まるまでに、どんな過程があったんでしょうか?

「実は、この過程で資金計画が大きく変わっていまして・・。

8件、9件見た中で気に入った物件が実はあったんです。それが、私が賃貸で住んでいた分譲マンションの別部屋でした。そこが気に入って、購入申し込みと住宅ローンの申し込みをしたんですけど・・落ちたんですね」

ー なんと・・ローン審査が通らなかった理由は・・?

「辿ってみると、実は私は海外に住んでいる間にカードの支払いが滞っていたらしく・・私も忘れてたんですけど」

ー ああ・・クレジットカードの支払い不備が理由になることは、実はよくあるパターンなんですよね・・

「なので、住宅ローンが借りられないことになってしまった。それも来年の夏ぐらいまで借りられないので、当時の時点から数えると2年後にならないと住宅ローンが借りられません、と。私の最初に立てた予算が1回白紙になったんです」

ー 購入予算についてはご自分で計算されたんでしょうか?

「そうですね。SUUMOのシミュレーションの計算機能を使って・・当初は、自分の貯蓄額と、今後の月々の給料で計算して、月々の支払いが12〜13万円ぐらいかな、と計算してました。管理費、修繕積立金、ローンの利息なども含めて支払っていくのが、行っても14〜15万ぐらいだと考えると、貯蓄金額と頭金を入れられる金額を調整して、物件金額は6000万円前後で考えてました・・白紙になるまでは」

ー それでもやはり購入を諦めなかったのですね・・!

「持ち家の夢が諦められず、なんとか自分の貯金の中で買える物件ってどれぐらいだろうっていうのを試算し直して。で、4000万円までだったらいけるっていうのを出して、もう1回チャレンジした一件目が、今住んでいる物件です」

ー ということは、仕切り直しからはスピード決着ってことですね。

「そうですね。仕切り直し後に見たい物件はまたリバブルの担当者の方に3、4件あげていました。そのうちの1件が今の私が住んでる物件なんですけど、実は最初はそこまで興味はなくって。

でも、その担当者には同時に母の物件も探してもらっていて、母の物件を一緒に内見に行ってる時に、『仕切り直し後の希望の物件が今すぐに見られるんで、一緒に行っちゃいませんか』って言われて・・半ば無理やり連れていかれたら、『あ、けっこうよかった』と。いずれは見に行く予定だったんですけど、あのタイミングで行くことはちょっと想定外だったので、担当者の方に感謝です」

現金一括購入で値引き交渉。物件の気になる点も担当者を味方につけて解決

ー 購入申し込みを決めるまではどれくらいありましたか?

「申込書を入れたのは、内覧から3日か4日後ぐらいですね。現金一括で買うので、値引き交渉してもらったんです。

最初100万円ぐらいで値引き金額を提示したら、さすがに無理だから30万円で、という返答がきて。それで1日ぐらいは考えました。なので、トータルで3日ぐらいだと思います。

この物件、私が問い合わせる前、当初は3900万円くらいで売り出されていて。その当時は住宅ローンを借りる想定でいたので、物件は見ていたけれど視野には入ってなかったんですが、金額だけはなんとなく覚えていたんです。それが1ヶ月か1ヶ月半ぐらいして、ちょうど私が仕切り直しをしたタイミングで、3780万円に値下がりしていたので、ちょうどいい、と。そこから30万円引いていただいた形です。業者がリフォームするために1回買い取って、再販するような物件だったので、たぶん最初は高めの価格で出してたんだと思います」

ー 現金一括購入で、リフォーム済みの物件だということだと、それ以外に費用は特にはかかっていませんか?

「あ、購入時はリフォームが済んでいたので綺麗な状態でしたが、私の方で一部お風呂のドアを付け替えるとか、洗濯機の上に棚をつけるとか、簡単なリフォームはやりましたね。大した金額じゃないですけど」

ー リフォーム発注先の業者はどうやって決めましたか?

「リフォームの一括査定サイト、『ホームプロ』を使いました。2社に実際に現地見積もりに来てもらって、そのうちの1社が親身になっていい提案を出してくれたので、そちらに決めました」

ー 単純に価格が安かった方ではなく、提案内容自体も比べたんでしょうか?

「そうですね。私の場合はそうでした。

依頼内容は、洗濯機の上にまったく棚がなくてタオルとかが置けないような状態だったんで、棚をつけたいというオーダーをしたんですけど。ちょっと狭いところだったので、吊り戸棚にしちゃうと圧迫感があるよねという話もしてたんですね。その中で、1社はやっぱり釣り戸棚ぐらいしか提案がなかったのですが、もう1社は『釣り戸棚だとこんな感じで、扉がないもので、1段にするとか、2段にするとか、そういうのもできますよ』とオプションの提案も出してくれたんです。そちらの方がいいなと思って、その提案に決めました​​」

ー 無事に物件も決まったというところですが、引き渡しまでにトラブルや想定外のことはありましたか?

「そうですね・・私が内見した時も、契約をした時も、リフォームが完全に終わっている状況ではなかったんですね。それで、二重サッシになりますと言われていたんですけど・・内見した時に、どう見ても二重じゃなくって。で、『これは、二重サッシになるんですよね』っていう確認をあとでリバブルの担当者経由で、業者にしてもらったんです。そうしたら、『もうすでに二重です』っていう嘘を言われたことがあって。 リバブルの担当者も、『いや、これは明らかに違うから、強く確認しときますね』っていうことで、確認していただきました。結果的に、そのあと数日後に訂正はされたんですけど、『え〜』というのはありました(笑) まあ、これで二重サッシじゃなかったら、もっと価格下げてって言ってたので、なってよかったなって思います」

将来的には広い物件に住み替えて、今の家は賃貸に

ー 購入された後に、気持ちの変化とか、もしくは行動の変化みたいなところで感じていることはありますか?

「とにかく、月々の支払い額が少ない、というところに心の余裕が少し生まれますかね。あとは、ちょっと気になるところがあったら、自分でリフォーム業者に頼んでリフォームすることができるっていうのは、すごく楽だなって思うので、今後はいろいろ変えてみようって 思います。

もうすでにクロスはすべて張り替えられているし、洗面台やトイレも綺麗になってるので、あまり今すぐ手をつけるところはないかなと思ってます。でも、将来的にはちょっとフローリングが気になるかな。・・そこまで目立つほどではないんですが、貸すことになったらちょっとな・・という感じですね」

ー それ以外で、今後を見据えた時の住まいのプランはありますか?

「やっぱり自分はもうちょっと広い家に引っ越して、今の家は貸すっていう方向が1番強いかなと思ってますね。住宅ローンも来年の8月には借りられるようになるので。借りられるようになるからって、すぐに次の物件を買うかっていうと、ちょっとそれはやらないと思うんですけど、まあ、2〜3年か3〜4年とかしたら住み替えて、今の物件を貸す方向でいきたいなって思ってます」

不動産って面白い。購入後の今も2日に1回の物件チェックが習慣に

ー 購入をきっかけに不動産に興味を持つ方って、けっこういらっしゃるのですが、Aさんはいかがでしょう? 不動産って面白いなって思われたりしますか?

「すごく思いますね。 宅建の資格を取りたいとまでは思わなかったんですけど、でも、すごく興味はあったので・・買ってからもずっと、ほぼほぼ2日に1回ぐらい、いろんなポータルサイトをまだ見ていますね。お気に入り登録した条件でも、新着情報とかを見てます。

どこの街に資産性があるのかな、とか、どういう物件に資産性があって、どういう物件が人気なのかな、みたいな情報は、やっぱり知りたいですね。私のように住み替えを検討していて、今の家を賃貸に出すような場合だと、あまりにも価格が下がりやすい物件とかだと、今後も買う意味がないので・・カウルだと、結構メルマガとかでそういう情報も出したりしてるので、けっこう見てます。

私、三田線の板橋本町とか、板橋区役所前、新板橋、この辺りに決めたきっかけの1つは、実はカウルのメルマガで『今、お買い得エリア』のうちの1つに板橋が入っていたからっていうのがあります。もともとエリアとして気になってはいたし、住んでいたこともあったので、もちろん視野には入っていたけど・・自分の中でも、後押しの材料となったのはカウルからの情報でしたね」

ー ありがとうございます!そう言っていただけると、冥利に尽きます・・! 今後も、中古マンションのトレンド分析や、特定エリアをレコメンドする企画は引き続きやっていきたいと思います。

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いかがでしたでしょうか。
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マンションジャーナル編集部

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