両国エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”
いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。
今回は、両国エリアをPICKUP。
江戸の文化が感じられ、相撲で全国的な知名度を誇るこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。
データで見る両国エリア
最高価格:1億1990万円 最低価格:1190万円
平均価格帯:約4244万円
販売物件数:115
※2023年7月現在
↑ 平均価格と売出戸数
↑ 平均価格と平均平米単価
このエリアを一言で
👉売出物件数は多め、市場の49%が築20年以内の物件
👉40~60㎡の広さが最も多く全体の57%を占める
👉アドレスで比較すると亀沢が最もリーズナブル
今回は、両国エリアをピックアップ。隅田川沿いに接する両国とその東部にある緑、北部にある亀沢の3アドレスで見てみた。本エリアにおける最寄駅は、両国駅(都営地下鉄大江戸線・JR総武線)、緑と亀沢の一部は錦糸町駅(JR総武線・東京メトロ半蔵門線)が最寄駅になる。また両国駅から錦糸町駅までは自転車で約8分、秋葉原駅までは隅田川を越えて約10分でアクセスできる位置関係だ。
「両国」の地名は、隅田川を境に西側と東側をつなぐために架けられた両国橋から由来している。関東大震災で焼け残った跡地には町工場が建てられ、ものづくりのまちとして変貌を遂げた。江戸時代には町屋や武家屋敷があった緑では、閉鎖された町工場がマンション等に建て替えられ、住宅地化が進むようになった。また、両国国技館や江戸東京博物館をはじめ、本エリアには江戸の文化と歴史を受け継ぐスポットも多くある。特に亀沢地区は、北斎通り沿いにすみだ北斎美術館があり墨田区の景観形成重点地区に指定されている。
本エリアの売出物件数は多めで、築20年以内の物件が市場全体の49%を占める。40〜60㎡が全体の57%と単身者やDINKs向けの物件が多い。平均価格と売出戸数のグラフを見ると築20〜30年が最も平均価格が高いが、これはこの築年レンジの売出物件がすべて50㎡以上であるため(※本調査時点)。売出物件全体をアドレス別に見ると、それぞれ平米単価は両国が88.1万円/㎡、亀沢は80.3万円 /㎡、緑は90.6万円/㎡と、亀沢アドレスが最もリーズナブル。また、売出戸数をアドレス別に見ると緑が46件と最も多い。
両国駅はJR総武線と大江戸線の2路線を利用できるため、都内までの交通利便性も高い。東京駅まで約15分(JR総武線・山手線)で行くことができるため、周辺オフィスエリアに勤める人や出張が多い人にとっても非常に便利な立地だ。両国エリアは昔からの住宅も多く、表通りを一本入れば比較的静かな昔ながらの住宅街である。1駅隣の錦糸町駅まで行けば、映画館や大型商業施設が充実しているため、まとめての買い物や休日に家族で遊びにいくことも可能。隅田川沿いを散歩したり、川を越えれば日本橋や蔵前、秋葉原などにもアクセスできるので、落ち着いた暮らしも、駅前の買い物利便も、東京の各人気エリアの面白さも享受したい人にとって抜群の好立地だ。周辺が気に入った人は、同じ墨田区でより北側の押上エリア、隅田川を挟んで西側に位置する蔵前などと、価格帯や街の雰囲気を見比べてみてもよいだろう。錦糸町の東側、亀戸になると価格はより抑えめになる。
エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移
現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。
築16年のアプレシティ両国は、2022年の8月から2023年の4月まで平米単価109万円/㎡台を維持。2023年の5月から7月現在はやや下がり、平米単価104万円/㎡台に。築38年のパークハイツ錦糸町第2は、2020年7月から2021年2月まで70万円前後で安定していた。その後、2022年8月には54万円まで下落。その後、2023年3月以降60万円台に復調。2023年7月現在は平米単価67万円/㎡に落ち着いています。築44年のバークレイ両国は、2022年の1月から2023年4月まで平米単価58〜59万円/㎡台を維持。2023年5月に57万円台まで下がり、7月現在は平米単価56万円/㎡に。
👉アプレシティ両国(総戸数34、2007年竣工)
👉パークハイツ錦糸町第2(総戸数34、1985年竣工)
👉バークレイ両国(総戸数20、1979年竣工)
気になるあのエリアの最新市況データを見る方法
連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。
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