亀戸エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”
いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。
今回は、亀戸エリアをPICKUP。
歴史ある下町の雰囲気を残しつつ、再開発で居住環境も大幅アップしたこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。
データで見る亀戸エリア
最高価格:2億7800万円 最低価格:880万円
平均価格帯:約4844万円
販売物件数:151
※2023年11月現在
↑ 平均価格と売出戸数
↑ 平均価格と平均平米単価
このエリアを一言で
👉売出物件は多め、市場全体の36%が築40-50年
👉平米数は20〜30㎡台と50〜80㎡台が多め
👉物件価格は全体的にリーズナブル
👉築10年以下はタワーマンションが価格を押し上げ
今回は、江東区の亀戸エリアをピックアップ。墨田区に隣接し、亀戸駅(JR総武線・東武亀戸線)が最寄駅となる。また、隣駅の錦糸町駅まで自転車で約5分でアクセスできる立地だ。
◾️この街の歴史・街並み・特色
亀戸エリアは、かつて小さな島でその形が亀に似ていたことに由来する。江戸時代には亀戸天神社の行楽地として栄え、明治時代以降では都心に近い水運の要として繊維業や製紙・重工業で発展を遂げた。1904年に亀戸駅が開業、現在では「錦糸町・亀戸副都心」として東京都が制定する7大副都心の1つに指定されている。
◾️中古マンションの売り出し状況
本エリアの売出物件は多めで、築40-50年が市場全体で67%を占める。物件面積は10〜140㎡台まで揃うが、20〜30㎡台のシングル向けと50〜70㎡台のDINKs・ファミリー向けの物件が多めだ。同じ江東区の清澄白河エリアとJR中央・総武線で2駅隣の両国エリアと比較しても全体的に物件価格は非常にリーズナブルだ。亀戸が築10-20年で90万円/㎡、築30-40年では63万円/㎡となるのに対して、両国は築20-30年まで100万円/㎡を切らず築30-40年でも88万円/㎡、清澄白河に至っては築50-60年まで80万円/㎡を切らないなど、同じ東東京(ひがしとうきょう)エリア内で見ても、現時点でのお買い得度は抜きん出てている。築10年以下の物件の平均価格が8364万円・平米単価が143万円/㎡と高い理由は、「サンストリート亀戸」の跡地再開発で誕生したタワーマンションである「プラウドタワー亀戸クロス」が売出物件数の大半を占めているため。現時点での最高売り出し価格である100㎡超・2億円超えの物件をはじめ、それ以外の物件の平米単価が約100万円/㎡円であるのに対して「プラウドタワー亀戸クロス」は約176万円/㎡円となっており、平均価格を押し上げている。
◾️今後の発展の見込み、再開発予定
当エリアでは、2018年10月に策定された「亀戸六丁目まちづくり方針」に基づき、行政・地域住民・事業者・団体等が参加した街づくりが進められてきた。2016年に閉館した「サンストリート亀戸」の跡地に野村不動産株式会社が手掛けた大型商業施設「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」が2022年4月に開業(亀戸駅の東口から徒歩2分)。また、商業施設の隣には25階建の分譲マンション「プラウドタワー亀戸クロス」が2022年1月に竣工している。買い物はもちろんフードホール、eスポーツのイベントスペースなどまで揃う大型複合施設の誕生によって、居住環境としての利便性は大幅にアップした。周辺エリアと比較してまだ価格は控えめなので、若年層のDINKsや子育て世帯などが流入することで街が新陳代謝していくことが期待される。
◾️この街の住みやすさ
JR総武線と東武亀戸線の2路線が乗り入れる本エリアでは、都心への交通アクセスも良好だ。亀戸駅からJR総武線を利用すれば新宿駅まで約30分、秋葉原駅まで約10分と乗り換えなしでアクセスできる。また、隣駅の錦糸町駅まで自転車で約5分と近く、買い物など用途に合わせて駅の使い分けができる。亀戸駅の北口と東口にはそれぞれ生活利便施設が揃う。亀戸駅直結には、「アトレ亀戸」のショッピング施設や、地下1階にはスーパーの「成城石井 亀戸店」があり帰りの買い物先として利用できる。亀戸駅の北口から徒歩2分の場所には総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ亀戸店」や、徒歩3分の場所には24時間営業の「肉のハナマサ」、徒歩7分の場所には「業務スーパー亀戸店」など日常の買い物も便利だ。亀戸駅の北口から明治通り沿いに向かって徒歩4分の場所には、老舗店が豊富に揃った商店街「亀戸三十間通り」があり、毎週日曜は歩行者天国で賑わう。飲食店や八百屋、個人商店が揃った「亀戸五丁目中央通り商店街」では、一年を通して様々なイベントも開催され地元住民で賑わう。亀戸駅の東口から徒歩2分の場所には、2022年4月に開業した大型ショッピング施設「カメイドクロック」がある。100店舗以上のテナントで軒を連ねており、買い物はもちろんフードホール、イベントスペースも揃う。当エリアでは、歴史と文化が香る観光スポットも点在する。亀戸駅の北口から蔵前通り沿いに徒歩15分ある場所には、学問の神様、菅原道真公を祀る「亀戸天神社」がある。春は梅や藤、秋は菊と、四季折々の花が咲く花の名所であり、休日の散策も飽きない。同じく北口側には江戸時代の名所・梅屋敷をモチーフにした「亀戸梅屋敷」や、スポーツ振興の神で有名な「亀戸香取神社」など下町情緒を肌で感じることができる。北口から徒歩1分のところには遊歩道が備わった「亀戸緑道公園」や、東口から徒歩7分の場所には「竪川河川敷公園」があり、カヌーやフットサル場などスポーツ施設も利用できる(有料)。亀戸エリアでは、下町グルメも楽しめる。北口のディープな路地裏には、「亀戸餃子」や「亀戸ホルモン」などいつも行列が絶えない人気店がいくつもある。亀戸駅の東口から徒歩10分にある「江東区亀戸子ども家庭支援センター(亀戸みずべ)」では、おもちゃ・絵本が用意された子育て広場がある。子育てしている家庭を対象とした一時預かりサービスや相談、ヨガイベントの開催もされるなど、子づれファミリーにとっては嬉しい。
都心への便利なアクセス利便に加え、再開発によって駅周辺を中心に生活利便施設や住宅が建設される一方、歴史あるスポットや下町グルメは健在であるなど、独特の街並みに変貌を遂げつつある亀戸エリア。子育て支援も手厚く公園もあるため単身者層からファミリーまでが快適に過ごせる環境が整っている。
エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移
現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。
築15年の亀戸レジデンスは、2022年1月から72万円/㎡近辺で維持していたが、同年11月から徐々に上昇し始め、2023年4月には87万円/㎡まで上昇。2023年8月に73万円/㎡まで下落したものの再び上昇傾向に転じ、2023年11月現在は平米単価80万円/㎡台に。築28年の信開ダイナスティ亀戸は、2023年5月の94万円/㎡から徐々に下落し始め、2023年6月には89万円/㎡まで下落。その後も下落が続き、2023年11月現在は平米単価81万円/㎡台に。築43年のファミール亀戸は、2022年2月に74万円/㎡から2022年6月には59万円/㎡まで下落。その後、徐々に上昇し始め2022年10月には再び70万円/㎡台まで回復。その後も66〜69万円/㎡台の間で維持し、2023年11月現在は平米単価67万円/㎡台に。
👉亀戸レジデンス(総戸数700、2008年竣工)
👉信開ダイナスティ亀戸(総戸数37、1995年竣工)
👉ファミール亀戸(総戸数207、1980年竣工)
気になるあのエリアの最新市況データを見る方法
連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。
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マンションジャーナル編集部
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