恵比寿エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.07.28
恵比寿エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、恵比寿エリアをPICKUP。
恵比寿ガーデンプレイスなどおしゃれなお店や飲食店が充実しているこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る恵比寿エリア

最高価格:5億2900万円 最低価格:1050万円
平均価格帯:約1億1085万円
販売物件数:91
※2023年7月現在




↑ 平均価格と売出戸数




↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件の4割超が億ション
👉築30-40年は平均価格が2000万円後半と低価格帯
👉築30-40年は30㎡以下、築50-60年は30〜40㎡台の小規模物件のみ

今回は、渋谷区の恵比寿エリアをピックアップ。恵比寿駅の東側、目黒区と港区に挟まれた恵比寿1丁目〜4丁目で見てみた。最寄駅となる恵比寿駅はJR山手線・JR埼京線・湘南新宿ライン・東京メトロ日比谷線の4路線が利用できる。また、恵比寿アドレス内の立地によっては、東急東横線の代官山駅、東急目黒線・南北線・三田線が使える目黒駅までも徒歩圏内になる。

恵比寿という地名は、現在のサッポロビールの前身である日本麦酒醸造会社の工場でつくられた「エビスビール」に由来している。江戸時代には渋谷川と三田用水に挟まれる農村で、大名の下屋敷もあった。昭和時代以降に入るとビール工場は移転し、その跡地では再開発事業として「恵比寿ガーデンプレイス」が1994年に誕生。オフィスにショッピング施設、美術館やレストランといった多様な機能を一箇所に集めた大型複合施設は、当時先進的な存在として注目を集めた。

本エリアの売出物件数は築年数ごとに大きな差がある。また、売出物件の約43%が1億円超え物件という超高価格帯エリアだ。築10年以内の物件で平均平米単価が約220万円/㎡、築40-50年も約147万円/㎡と、築年数を経ても依然価格は高い。一方で、築30年を境に価格差は大きい。築10年以下と築50-60年以下で比較すると、平米単価の差は約130万円だ。この価格差を生む要因の一つとして、築30-40年は30㎡以下の物件が、築50-60年は30〜40㎡台とシングル向けの物件で構成されていることが挙げられる。築10年以下の平米単価は同じくVIPエリアとして知られる港区の高輪エリアと近しいが(高輪は約219万円/㎡)、市場に売り出されている物件の特徴はやや異なる。築年数問わず100㎡超え物件が多い高輪に対して、恵比寿では100㎡以上は全体の6%にも満たず、最も多いレンジが40〜50㎡と60〜70㎡。築30年以上の価格帯や小さめ物件が多くなる点は、六本木似ている。

恵比寿ガーデンプレイスがリニューアルオープン。新しく「センタープラザ」として、2022年11月にグランドオープンした。「ライフクリエイターズ(日々を自分らしく愉しみながら恵比寿のまちに暮らす・働く・訪れる人)」をテーマに、恵比寿初出店となる「ツタヤ ブックストア」やカフェ、アウトドアショップやホームセンター、地下2階にはスーパーマーケットの明治屋恵比寿ストアなど、普段使いできるショップも豊富に揃っている。近隣住民にとっても日常で便利に使えるラインナップなのが嬉しい。また、本エリアの西側に隣接している代官山エリアでは、東急不動産株式会社が手掛ける複合施設「フォレストゲート代官山」今年10月下旬に開業予定。「暮らす・働く・遊ぶ」をテーマに、地上10階建てには賃貸住宅とシェアオフィスが、地上2階建ては商業施設で構成されており、低階層の商業エリアではファッションや雑貨店などのアパレルショップからカフェ・レストランなどの飲食店が誕生する予定。また3階には会員制のコワーキングオフィスが設置される。「森」をイメージした外観デザインとなっており、都心部においても緑と触れ合える設計だ。

恵比寿駅の東口と西口では街の雰囲気が異なる。東口には恵比寿ガーデンプレイスや駅直結の「恵比寿アトレ」など商業施設に接続しており、モダンなイメージ。これに対し、西口駅からすぐの場所には創業してから半世紀以上ある「恵比寿銀座商店街」や駒沢通り沿いにある「駒澤通り商店街」など、居酒屋や飲食店が豊富に揃った昭和レトロな雰囲気が残る。ショッピング施設には事欠かない本エリアだが、恵比寿駅西口から徒歩2分の場所には24時間営業のスーパー「ピーコックストア恵比寿店」があるので、日常的な買い物も可能。恵比寿公園や恵比寿東公園など子どもが遊べる遊具が揃う公園もある。都心への交通利便性が抜群であることはもちろん、年代問わず単身者層からファミリーまでが過ごしやすい点が恵比寿の魅力。売出物件数は多くないため、希望条件に合致する物件が売り出されたらすぐさま問い合わせや購入判断をできるようにするなど入念な準備をしておきたい。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築4年のグランドヒルズ恵比寿は、2023年4月に平米単価301万円から2023年5月には292万円まで下落。その後も回復はしておらず、2023年7月現在は平米単価289万円/㎡に。築22年のメゾン・ド・ヴィレ恵比寿は、2023年4月に118万円/㎡から2023年5月には151万円/㎡まで上昇。5月以降も150万円台で安定し、2023年7月現在は平米単価154万円/㎡に。築40年のシャンボール恵比寿は、2022年7月に129万円から2022年8月には145万円まで上昇。2022年12月まで平米単価140万円台で維持していたものの、2023年1月には134万円/㎡まで下落。2023年7月現在では133万円/㎡と、130万円台で推移しています。

👉グランドヒルズ恵比寿(総戸数310、2019年竣工)
👉メゾン・ド・ヴィレ恵比寿(総戸数54、2001年竣工)
👉シャンボール恵比寿(総戸数126、1983年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

マンションジャーナル/カウルでは、公式メルマガを配信中。メルマガ会員になると、週に一度さまざまな連載コンテンツを受け取れるほか、お好きなエリアの最新トレンドデータがいつでもご自分でチェックできる「市況トレンドデータ powered by Housmart,Inc」を利用できます。
ぜひ住宅購入や住み替えのための情報収集、希望エリアや住まいの資産価値のチェック等にご利用ください!

市況トレンドデータ powered by Housmart,Incの画面イメージ

▲右上の「郵便番号エリア」を変更することで、任意のエリアの物件データを確認することができます

カウルメルマガ登録

株式会社Housmart
株式会社Housmart
マンションジャーナル編集部

「Housmart(ハウスマート)」が、購入や売却に必要な基礎知識・ノウハウ、資産価値の高い中古マンションの物件情報詳細、ディベロッパーや街などの不動産情報をお届けします。