有明エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.06.24
有明エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、有明エリアをPICKUP。
大型商業施設やオリンピック会場跡地の開発が注目を集めるこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る有明エリア

最高価格:1億3000万円 最低価格:4980万円
平均価格帯:約7867万円
販売物件数:85
※2023年6月現在



有明エリアの平均価格と売出戸数のグラフ


↑ 平均価格と売出戸数



有明エリアの平均価格と平均平米単価のグラフ


↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉売出物件数は少なく、全体の約9割が20階建以上のタワマン
👉築20年未満までの大規模マンションのみ、最小総戸数は258戸
👉DINKsやファミリー向けの50~70㎡がメイン、市場の57%を占める

今回は、有明エリアをピックアップ。ゆりかもめ(東京臨海新交通臨海線)とりんかい線が通り、有明駅(ゆりかもめ)、有明テニスの森駅(ゆりかもめ)、国際展示場駅(りんかい線)、東京ビッグサイト駅(ゆりかもめ)の4駅が最寄駅となる。

1995年にゆりかもめ・有明駅が完成した有明は、1980年代後半までは工業地帯であった。再開発によりタワーマンションが立ち並ぶ街へと変貌を遂げ、さらに、オリンピックの東京開催(2020年)により、競技会場として開発されることに。「有明北地区」は競技会場ともなった「有明アリーナ」を核として「有明アーバンスポーツパーク」として2024年開業予定で整備が進められている。一方、「有明南地区」は国内最大のコンベンションセンターである「東京ビックサイト」があり、今後はテレビ朝日とコナミがそれぞれ複合ビルを建設予定。「国際コンベンションゾーン有明」を世界に発信することをコンセプトに、ビジネスとエンターテインメントが同居するエリアに生まれ変わることが期待される。

本エリアの物件は、前述したように近年になって再開発された背景から、築20年未満に限られる。東側に隣接する東雲と市場状況は似ているが、平米単価は東雲と比較して10~20万円程度上がる。売出物件は、DINKsやファミリーに求められる50〜70㎡台の物件が主軸となっており、市場全体の57%を占める。当エリアの中古マンションは総戸数が3桁〜4桁の大規模マンションとなる。調査時点での売り出しがあったマンションの最小総戸数は258戸、平均840戸だった。総戸数が多い分、共用施設やソフトサービスが充実しているマンションも多い。その分管理費用が高くなるという側面もあるため、自分にとって必要な共用施設を備えているかはよく考えたい。

もともと有明は、先に開発が進んだ他の湾岸エリアに比べてスーパーなどが少なく、買い物利便性が近隣タワマンエリアより劣るとも言われていた。が、2020年に住友不動産による駅直結の大規模ショッピング施設「有明ガーデン」がオープンするなど、生活利便性はここ近年で大幅に改善。それに伴い、物件価格も大きく値上がりしている。当エリアを代表するブリリアマンションシリーズを手掛ける東京建物株式会社が「有明アーバンスポーツパーク」の事業候補者に決定し、いよいよ有明エリアの再開発は最終的な全体像が見えてきた形だ。パーク内にはスケートボードパークや屋内ボルダリングなどの運動施設に加えて、カフェやレストランなどの飲食施設が一体となったスポーツパークが整備される。ヘルシーなエンターテインメントシティとして東京で唯一無二の存在となりそうだ。南地区は「全国の研究開発拠点を有明に集結」させることが開発コンセプトとして掲げられていることもあり、次世代の教育環境を求めるファミリー層からの人気が高まる可能性もある。

有明エリアはバス便が発達している。都心と臨海地域を結ぶBRT(バス高速輸送システム)の運行もスタートしており、新橋から有明エリアの停留所まで15分程度でアクセスできる。今年4月28日から幹線ルート「新橋〜国際展示場・東京テレポート」が増便されたばかりで、まだ本格始動までは至っていない。今後の交通インフラの拡充による資産価値向上にも期待したい。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築4年のシティタワーズ東京ベイ セントラルタワーは、上昇を続けていたが2022年6月の平米単価148万円/㎡をピークに下降、一時は130万円/㎡台まで落ちたものの2023年6月現在は140万円/㎡台に。築13年のBrillia有明スカイタワーは、2020年6月時点の92万円/㎡から大きく上昇し、最高約130万円/㎡にまで到達。そこから徐々に下降し、2023年6月現在は117万円/㎡台に落ち着いています。築14年のシティタワー有明も全体的には上昇傾向。2020年6月時点の84万円/㎡から上昇を続け、2023年6月現在は平米単価120万円/㎡台に。

👉シティタワーズ東京ベイ セントラルタワー(総戸数1539、2019年竣工)
👉 Brillia有明スカイタワー(総戸数1089、2010年竣工)
👉シティタワー有明(総戸数483、2009年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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