2023年最新データ発表!住宅購入における人気エリアに変化の兆し|都心偏重から地方移住も視野に
住宅購入者にとって、最も重要な条件ともいえるのが、エリア。首都圏における住まいの希望エリア・人気エリアが変わってきているようです。
今回、アンケート調査によって住まいに関わるニーズの変化が浮き彫りになりました。
2023年最新データとして、その結果をお伝えします。
調査結果概要
【調査結果サマリー】
■「城西エリア」が2位の「都心3区」に5%の差をつけて希望エリアトップに
■昨年実施時と比較し、「その他」(自由回答)が4.8%増加。自由回答の中身は、関東圏よりも地方の県名が目立つ。
■都心3区や城南エリア、横浜など都心エリアの人気に減退が見られる。湾岸エリアも減少
<調査内容>
・調査対象:メルマガ会員 合計689名
・調査期間:2022年12月26日〜2023年1月9日
・調査方法:会員に対するアンケート
人気トップが都心3区から城西エリアへ
株式会社Housmartは、会員に対してアンケートを実施。希望エリアや居住形態など、現在の住まい購入に関する意識調査を行いました。
その結果、物件の希望エリアの1位が都心3区から城西エリアに変わるなど、希望エリアが都心偏重から地方含めて幅広く検討する傾向へ変化していることがわかりました。
■今、住宅購入を希望しているエリア
(※複数回答可・3つまで)
<選択肢>
城西=新宿区,世田谷区,渋谷区,中野区,杉並区,練馬区
都心3区=中央区,千代田区,港区
城南=品川区,目黒区,大田区
城北=文京区,豊島区,北区,荒川区,板橋区,足立区
城東=台東区,墨田区,江東区,葛飾区,江戸川区
横浜市
東京都23区以外
川崎市
湾岸エリア(芝浦、勝どき、月島、豊洲、晴海、東雲など)
埼玉県
神奈川県(横浜市、川崎市を除く)
千葉県
文教エリア=文京区3S1K、千代田区番町小学校、港区青南小学校など、学区重視
■昨年実施時との比較
- 増加:城西、東京都23区以外、埼玉県、神奈川県(横浜市以外)、千葉県
- 減少:都心3区、城南、城東、横浜市、川崎市、湾岸エリア、文教エリア
昨年までは全体の3割を超える人が希望しておりトップを走っていた都心3区(中央区,千代田区,港区)。今年度は城西エリア(新宿区,世田谷区,渋谷区,中野区,杉並区,練馬区)が5%の差をつけて首位の座を奪う結果に。
弊社は、一都三県(一部エリアを除く)の物件情報に特化して展開しています。そのため、こうしたアンケートでは毎回、都心部の人気が非常に高く出る傾向にあります。今回の結果において、これまで不動の立ち位置だった都心3区を抑え城西エリアがトップになったことは注目すべき点です。湾岸エリアも減少しているところを見ると、都心部や人気エリアの長く続く価格高騰の影響が見られます。トップの城西エリアには再開発が進む新宿区や中野区、子育て支援に力を入れる練馬区などが含まれています。
(株式会社Housmart代表・針山)
>>参考記事:データで見る・東京で子育てしやすい区ランキング
地方を検討する層が増加
また、今回のアンケートで注目すべきところは、自由回答である「その他」。最も大きい伸び率を見せました。
<その他の回答例>
茨城県、大阪府、北海道、京都府、三重県、長崎県、沖縄県、栃木県、山形県、旭川市、新潟市、沼津市、神戸市、福岡市、名古屋市、熱海、軽井沢、高尾駅周辺、四国、別荘地、地方、県庁所在地、生活インフラの整った地方都市、同一学区 など(順不同)
回答内容を見ると、関東地方以外のエリアが多く入ってきています。広域の地域名や「地方」などの明確なエリア名がない回答も混じっており、全国レベルで幅広くエリアを検討するニーズが、首都圏在住者の中にも増えていることが伺えます。
希望住宅形態にも変化、マンションとともに戸建を並行検討か
さらに今回、希望の居住形態を尋ねる設問に対しても、同様の多様化傾向が見えました。
マンションの希望者が中古・新築ともに減少し、代わりに中古戸建・新築戸建・注文住宅の希望割合が増加しています。
首都圏のマンションの価格高騰の影響で都心離れが進んだのと、幅広くエリアを探すトレンドがここにも影響していると考えられます。
一都三県かつ中古マンションに特化してサービス展開するユーザー様であっても、地方移住や戸建を含めて自由に住まいを選ぶ傾向が見られることは、居住スタイルやライフスタイルの価値観の多様化を示しているようにも考えられます。実際に、関西をはじめ地方物件の取り扱いを求めるお声もいただいております。都心偏重から希望条件のバリエーションが拡張するニーズの変化への対応が、我々不動産関係者には今後求められてきそうです。
(株式会社Housmart代表・針山)
都心偏重から住環境多様化の時代へ
住宅購入検討者にとって、エリア選びは最も重要な条件です。今回のアンケートで、「今希望しているエリアは、探し始めと比べて変わりましたか?」という設問に対して、 「変わった」と答えた方は全体の約7割。言い換えると、探し始めた時から同エリアで物件を探し続けている人が7割以上ということになります。
①希望条件をエリアからまず考える人が多い
②エリアが最もベースとなる希望条件であり変更しづらい
逆に、希望エリアが変わったと答えた方に変わった理由を尋ねたところ、「探すうちに希望条件が変わってきたため」が最も多く、次点が「価格が上がったため」。希望条件の変更には、改めて予算の現実ラインを見極め、自分や家族にとっての優先度を整理しなおしたことでのエリア変更が考えられます。価格上昇に伴って変えざるを得なかった人が多く見受けられることも、先述の希望エリアの多様化に繋がっているように思われます。
ユーザーのニーズや価値観は、世論や市況、自然災害などの外的要因によって変わってきます。昨年2022年には、ハザードマップに関する意識が高まってきているというアンケート結果も出ています。
>>参考記事:将来を見据えた物件選びに必要な新要素とは?ハザードマップのチェックが必須の時代に
購入検討者は将来手放す(売却して住み替える)ことも見越して住宅を選択することはもちろん、現在持ち家である売主側に関してもこうした変化に目を配り、自分の資産価値をウォッチし続けることは重要と言えるでしょう。
マンションジャーナルでは、今後もこうした不動産市場の最新データに基づくトレンドウォッチ情報を引き続き配信していきます。
マンションジャーナル編集部
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