東京の「埋め立て地」はどのように形成されてきたのか?
2017.01.24
東京湾には沢山の島や埠頭があります。
でもよく見てみるとやけに四角くて綺麗な形をしてますよね? 東京湾の埋立地それもその筈です。これらは自然に出来たわけでなく、人の手によって作られたものだからです。
海に大量の土砂を埋めて作る土地のことを「埋立地」と呼びます。
今日はそんな埋立地について、東京の土地の歴史を振り返り究明していきましょう。
監修者:針山昌幸
埋立地のパターンは3つ
埋め立てというと、海に土を入れて土地を作るイメージになりがちですが、実は3つのパターンがあります。- 浅瀬などに土砂を入れて土地を引き延ばしていくパターン
- 海などに土砂を入れて全く新しい「島」をつくるパターン
- 湿地帯や沼、池に土砂を入れて埋めてしまうパターン
昔の東京湾はもっと広かった?
さて、江戸時代から着々と埋め立てられてきた東京湾ですが、江戸時代と比べてどの位の変化があったのでしょうか? こちらの画像をご覧ください。 東京湾の埋め立てマップなんと、現在の東京湾付近はほとんど埋立地だったのです。 元々の純粋な陸地は茶色の部分だけで、他は全て埋立地です。 公式なデータによると、2008年までになんと5,730ヘクタール、千代田・中央・港・新宿の4区を合わせた面積に匹敵する面積が埋め立てられました。 こちらは1896年の写真と現在の地図を比較したものです。 約120年の間に圧倒的な変化が起きています。 1800年代と2000年代の東京湾の比較どうしてこんなに埋立地が増えたの?
さて、ではどうして東京湾はこんなにも埋立地が増えたのでしょうか?それにはちゃんと理由があります。まず一つは東京湾は非常に浅瀬なため、埋め立てがしやすかったためです。2〜4mの浅瀬が続く東京湾は非常に埋め立てがしやすかったようです。逆に、浅瀬のために大型の船などが入れなかったので埋立地を作ることによって、人の住む場所を損なうこともなく交易に適した土地を作れて一石二鳥だったようです。二つ目の理由として、埋め立てに適した土砂を調達することが容易だったことです。東京近辺は地層の関係で東京湾に堆積する土砂が多く、大型の船のために浚渫(しゅんせつ*海底や川底の土砂をさらうこと)をすることが多く、大量の土砂が発生していました。また、お城の堀を掘ったり、大地を削ったり、川底を深くしたりなど、東京中を整備するにあたって土砂が大量にあったのです。土砂を処理しつつ、新たな土地を手にいれる。ここでも一石二鳥の埋め立てだったのです。>>湾岸エリアの人気マンションをかしこく購入できるサービスとは?埋立地って住居としてどうなの?
さて、近年では湾岸地域、シーサイドなど埋立地地域でのマンションをよく見かけるようになりました。 近年まで大量に使用されていた工業地帯や倉庫地域などが廃れて住居エリアとして再開発が進んでいることが原因です。 内陸では大型の土地を仕入れることが難しくなってきたディベロッパーにとって、埋立地の広くて安い土地はまさにうってつけです。 老朽化した倉庫埋立地には高層マンションやタワーマンション、商業ビルが建てられる事が多いので、地盤改良が行われている場所が多くあります。場所によっては液状化の可能性や、避難経路に不安がある場合もあります。ハザードマップを確認し、どの程度災害リスクがあるか確認するのがお勧めです。それでも魅力的な埋立地
場所によってはリスクのある埋立地ですが、デメリットばかりでもありません。 やはり大きな土地を再開発しているだけあって綺麗な区画のなかに新しい街並みが形成されていて、街並みは非常に綺麗です。若い世帯も多く、非常に活気もあります。なんだかんだで首都圏へのアクセスが良いことも見逃せません。(月島、勝どきは銀座まで車で5分!)さらに、再開発効果とオリンピック効果によって今後の土地の値上がりには期待が高まっています。 シーサイドビューと相性の良い高層マンションからの眺めは見事の一言です。 月島からの景色 【おすすめ記事】中古マンション購入のメリット・デメリットについて売買のプロが徹底整理!中古マンションに関するトレンド情報をウォッチするなら
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株式会社Housmart
マンションジャーナル編集部
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