将来の住み替えも安心できる「売れる」マンション選び 4つのポイント

2022.06.09
将来の住み替えも安心できる「売れる」マンション選び 4つのポイント
マンション購入を考えるなら、将来的に「売れやすい・買い手がつきやすい」物件を選びたいもの。ライフステージの変化に伴って家族の形や勤務先・通学先が変わったりすれば、その時々で住み替えていく方が賢い選択と言えるでしょう。自由に住み替えるためには、持ち家がきちんと売れる状態であることが大前提。ですが、今の状況でベストなマンションも、将来的に「ベスト」であり続けるとは限りません。では、将来的にも売れるマンション=資産価値の高いマンションはどこで見極められるのか?この記事では、不動産のプロが将来的にも売れるマンションを見極めるための4つのポイントを解説。最新データも参照しながら、ご説明します。

売れやすいマンションの要素【①エリア・駅】

まず、一番大きな要素として挙げられるエリアから見ていきましょう。エリアで見るべきポイントは、「将来的にも街の賑わいが見込めるか、生活利便性が向上するか」です。コロナ禍を経てテレワークが浸透したことにより、自宅での滞在時間が増えました。それにより、住まいに求められる条件も変化。通勤のしやすさよりも、自宅周辺の暮らしやすさ(買い物がしやすい、カフェなどの飲食店や公園がある、など)が求められるようになっています。下記のデータをご覧ください。中古マンションをかしこく売買できるアプリ「カウル」が2022年1月にアプリで登録された希望エリア(1都3県)を前年同時期と比較したものです。
順位 2022年 2021年
1位 渋谷駅(→) 渋谷駅
2位 新宿駅(→) 新宿駅
3位 目黒駅(→) 目黒駅
4位 池袋駅(↑) 飯田橋駅
5位 横浜駅(↑) 池袋駅
6位 飯田橋駅(↓) 代々木駅
7位 自由が丘駅(↑) 恵比寿駅
8位 品川駅(→) 品川駅
9位 代々木駅(↓) 中目黒駅
10位 中目黒駅(↓) 自由が丘駅
※2022年1月時点で、希望条件として登録されたデータを前年同月時点と比較。1都3県:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県。注目したいのは、順位をあげた池袋駅と、2021年にはランキング圏外だったところからいきなり5位に浮上した横浜駅、そして順位をキープしている品川駅です。これらの駅に共通する特徴として、進行中の再開発計画があります。その点に着目しながら、3つの駅の詳細をみていきましょう。5位から4位へと順位を上げた池袋駅は、現在着々と再開発計画が進んでいます。2020年には豊島区庁舎跡地に商業施設「Hareza池袋」がオープン、造幣局跡地には池袋エリアで最大となる公園「イケ・サンパーク」が完成。すでに着工済みのものも含めて新築マンションの計画も複数案件が進行するなど、住居・商業施設・緑地環境と暮らすための街として大きく変わろうとしています。2022年1月には池袋駅の東口・西口の駅前を広場として整備し、通路でつなぐ計画も発表。既存のイメージが大きく変わる段階にあります。 出典:池袋駅周辺のまちづくり動向(豊島区)https://www.city.toshima.lg.jp/405/machizukuri/fukutoshin/saiseiiinkai/documents/011_shiryou1_ikebukuroekishuuhennomachidukuridoukou.pdf観光地としても住宅エリアとしても元々人気の高い横浜駅は、今も再開発が続き、タワーマンションの建設が今も続いています。都心へのアクセスがネックでしたが、テレワークの浸透によりエリア選択の自由度が上がったことで、さらに多くの人から注目を集めるように。みなとみらいや山下公園、赤レンガ倉庫に横浜ハンマーヘッドなど、景観のよさ・自然環境・買い物スポットが揃い、オンオフの切り替えもしやすく、今後は観光地のみならずより一層住宅エリアとしてニーズが高まっていくと考えられます。2021年と同順位を保った品川駅エリアは港南地区を中心にタワーマンションが立ち並ぶ人気エリアとして知られていますが、高輪ゲートウェイ駅周辺や品川駅西口地区をはじめまだまだ開発が続きます。高輪ゲートウェイ駅隣接エリアは4つの街区に分けられ、住居を含む4つの高層ビルが2025年にかけて完成する予定です。 出典:品川駅北周辺地区都市計画(素案)の概要(JR東日本)https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai19/siryou8.pdf 出典:高輪ゲートウェイシティ(仮称)のまちづくりについて(JR東日本)https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220421_ho01.pdfこのように、人気エリアの特徴には、憧れの土地としてのブランドネームのみではなく「暮らしやすさ」「生活が豊かになりそうか」も肝になっていることが伺えます。そして、将来性も踏まえた検討にあたっては、検討しているエリアの再開発計画を調べましょう。再開発計画を調べることで、先々までそのエリアが暮らしやすい姿を保つ青写真が描けているのか、「そのエリアの物件が将来も買い手がつくか」を予想することができます。品川駅エリア、横浜駅エリアを代表するマンション2つの資産価値を下記記事で解説しています。合わせてご覧ください。>>【徹底解説】なぜワールドシティタワーズの資産価値は高いのか?>>【徹底解説】なぜ横濱紅葉坂レジデンスの資産価値は高いのか?

売れやすいマンションの要素【②築年数】

中古マンションの購入において、無視できないのは築年数。 2021年まで住宅ローン控除の対象築年数は、築25年以内(耐火建築物の場合)。築26年以上の場合、耐震基準に適合していることを証明する必要がありました。しかし2022年より、その要件が「昭和57年以降に建築された住宅」(新耐震基準適合住宅)に緩和。首都圏で成約した中古マンションの平均築年数は年々高まっていますが、住宅ローン控除の要件緩和によりこの流れはさらに加速するといえそうです。実際、2021年度には前年に比較し、築11〜20年が減少し、逆に築26年以上が増大しました(※)。築31年以上の物件が成約物件の実に約3割を占めることになっています。築25年以下は供給(新規登録)に対して成約比率の方が上回り、供給量に対して需要の高さが伺えます。現在の供給不足・需要過多であり価格が高騰している状況においては、予算の問題から築古マンションに・・・という方が増えていることが見受けられます。 出典:(公財)東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」 出典:(公財)東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」※(公財)東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」 http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202202.pdf築年数要件が緩和されたとはいえ、「新耐震基準適合住宅」である必要性は変わりません。予算の兼ね合いで、いわゆる築古マンションの購入を検討する場合は、慎重にリスクを確認した上で検討するようにしましょう。住宅ローン控除の対象外となる可能性だけでなく、築年数を重ねているマンションは、耐震性はもちろん大規模修繕や建て替えによるコスト発生リスクも孕んでいます。購入時に自身が控除の恩恵を受けられないばかりでなく、さらに年数を重ねた際に、買い手がつきにくい(売れにくい)条件を抱えているマンションは、今はリーズナブルに思えても後々大きなリスクとなる可能性が高くなります。建て替えリスクについては、下記の解説記事で解説しています。>>建て替え間近の中古マンションを買うと損なのか?

売れやすいマンションの要素【③間取り】

時代背景によって間取りや広さにもトレンドがあります。ですが、トレンドに乗った間取りは要注意です。一過性の流行を反映した間取りや、個性が出すぎているリノベーション、流行に左右されやすいリノベーションは避けましょう。一時的にニーズが増えたり、欲しがる人が増えたとしても、それが将来的にも続く保証はないからです。例として、直近のニーズの変化をデータで見てみましょう。先述のアプリ「カウル」が会員の登録情報を分析したところ、2021年は80㎡の広さ、間取りでは4LDKの人気が伸びましたが、2022年はどちらも後退。コロナ禍で自宅滞在時間が増えた結果、広さや部屋数を求める方が増えたものの、その後物件価格が高騰し続けているため、予算との兼ね合いで広さや部屋数を妥協する方が多くいらっしゃるようです。また広さで見れば、DINKsや新婚世帯に人気の60㎡台が安定している一方で、ファミリー層に人気の70㎡台は、2021年に1.7ポイント、2022年には前年対比で0.2ポイントと緩やかな減少傾向が見られます。<調査内容> ・調査対象:中古マンションアプリ「カウル」の登録会員 ・調査期間:2020年1月1日〜2月29日、2021年1月1日〜2月28日、2022年1月1日〜2月28日 ・対象者数:2020年間取り(2,699名)/広さ(2,226名)、2021年間取り(3,121名)/広さ(2,451名)、2022年間取り(3,098名)/広さ(2,437名) ※出典:【カウル調査】3LDK、4LDKの人気が縮小。高騰を続ける中古マンション価格の影響か https://drive.google.com/file/d/1piQdiAscCK_wNYrp0ODwiNKXIVe1lXQn/viewこのように、一時的な流れでニーズが増えたとしても、それが続く保証はありません。ご自身で物件を購入する場合、今は魅力的に見える間取りであっても、「将来も魅力的に思えるか?」「将来にニーズが変わった時に、使い勝手が良いか? 可変性はあるか?」を客観的に考えてみましょう。答えがNOであれば、将来的に売れづらい物件になってしまうかもしれません。たとえば、新築マンションの商品企画でも、中古マンションのリノベーション事例でも見かける、コロナ禍の風潮を反映したワークスペースを設けた間取り。そのスペースが後々で納戸としても使えるようになっているかどうかは大きなポイントです。LDKを極端に広くとったワンルーム・1LDK、逆に細かく区切った間取りなどは、後々リノベーションしづらくなります。リノベーションで壁を壊すとしたら、目安として20万円ほどかかります。買う側の立場からすると、自分好みに変えるためにそれだけのリノベーション費用が乗ってしまうことになるため、手が出しづらくなるのです。逆に、「そのまま住めるな」と思ってもらえれば、「リフォームしなくて良いし、この物件は買いだな」と思ってもらいやすくなります。住み替えを考えているのであれば、売却で苦戦する可能性を高める間取りではないか、よく検討するようにしましょう。

売れやすいマンションの要素【④ブランドや設備等】

最後に、建物全体に関する点で求められている要素を見てみましょう。物件や建物の仕様設備などマンションの品質への関心は、上昇傾向にあります。国土交通省による令和3年度住宅市場動向調査(※)によれば、中古住宅購入者が購入物件を選んだ理由として、住宅のデザイン・広さ・設備等や、ブランド(信頼できる住宅メーカーか)をあげた人が前年度に比べて増えていました。
  • 住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから 30.2%(2020年)→38.4%(2021年)
  • 信頼できる住宅メーカーだったから 8.3%(2020年)→13.4%(2021年)
出典:令和3年度住宅市場動向調査(国土交通省)※国土交通省 令和3年度住宅市場動向調査 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001477550.pdfとはいえ、戸建と異なりマンションは物件購入時に、住宅メーカーやディベロッパーを選べる訳ではありません。リノベーションで建物本体の品質を向上させることもできません。品質が担保された物件を購入するためにできる一つの判断軸として、大手ディベロッパーや施工会社の手がけた物件や「ブランドマンション」を選ぶというのがあります。大手ディベロッパーの手がけるブランドマンションは、安定した人気があるため、売却時にも売れやすくなります。大手ディベロッパーは、安定した経営基盤を背景に信頼性の高い施工業者とのコネクションをもち品質担保のための社内ノウハウを構築しているため、一定クオリティ以上の品質が期待できます。「大手だから絶対安心」とは言い切れませんが、売却時にも、ブランドネームが一つのアドバンテージとなってくれます。マンションブランドの特徴については、下記記事で解説しています。>>人気マンションブランドを徹底比較!購入のメリット・デメリットも整理
株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

中古マンション売買アプリ「カウル」を提供する「Housmart(ハウスマート)」が、購入や売却に必要な基礎知識・ノウハウ、資産価値の高い中古マンションの物件情報詳細、ディベロッパーや街などの不動産情報をお届けします。