春日・小石川エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

2023.05.03
春日・小石川エリアの中古マンション市況|トレンド分析 “住宅購入市場のいま”

いつどこで売り出されるかわからない中古マンション。
現在、どこのエリアでの売り出し物件数が多いのか。価格として手堅いのはどのエリアなのか・・etc.
住宅購入市場におけるトレンドを、毎回1エリアにフォーカスして数値ベースで考察します。
「今から買うべきエリア」を探している方はもちろん、「今購入を検討しているエリアを買うべきか」を考える参考値にもなるはず。

今回は、春日・小石川エリアをPICKUP。
江戸期から教育・学問の中心地であり、文教の街として発展したこのエリア。その不動産マーケットは今、どうなっているのか?
売り出し物件数と平米単価から分析してみます。

データで見る春日・小石川エリア

最高価格:2億4200万円 最低価格:2100万円
平均価格帯:約8016万円
販売物件数:117
※2023年4月現在

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↑ 平均価格と売出戸数


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↑ 平均価格と平均平米単価


このエリアを一言で

👉築40年以上でも億超え物件あり、平均約6000万円超の高価格帯エリア
👉億超物件は春日駅直近のタワマンか播磨坂近辺のマンションに大別
👉物件数は多め、どの年代も偏りなく売出あり

今回は、春日・小石川をピックアップ。文京区の中央に位置する小石川・春日の2アドレスを合わせたエリアで見てみた。春日通りより南側が春日アドレス、北側が小石川アドレスだ。本エリアにおける最寄り駅は春日駅(都営地下鉄三田線と大江戸線)と後楽園駅(東京メトロ丸の内線と南北線)、また小石川4丁目・5丁目付近は茗荷谷駅(丸の内線)が最寄りになる。

春日・小石川は、江戸時代に大名屋敷・武家屋敷が多くつくられたエリア。寺社仏閣も多く、明治以降は屋敷跡地に東京大学などの教育機関がつくられたことで、歴史的な文人も多く住まう現在の文教地区としての街ができあがった。小石川植物園などの歴史ある緑地も多く、落ち着いた雰囲気から高級住宅街としても人気が高い。春日駅・後楽園駅周辺の東京ドームシティや後楽園などのレジャー施設による賑やかさもあり、本エリアは江戸時代から続く閑静な雰囲気とエンターテインメントが同居している点も特徴。また、都内3区(港区、千代田区、中央区)に近接しており、落ち着いた住宅街と都心アクセスの良さを兼ね備えているためパワーカップルからも需要がある。

春日・小石川は他エリアと比較して、どの年代の物件も偏りなく売り出されている(比較対象の一例として、同じ高級価格帯の高輪では築20年以下と築50年以上が多く、勝どきでは市場の75%が築20年以下である)。

また、築40年以上の築古マンションでも100㎡超の億物件がめずらしくない。本エリアは住所によって街並みがかなり異なることもあり、億超え物件が大きく2種類に分かれる。一つは開発が進む春日・後楽園駅の駅近タワーマンション。こちらは築年数も比較的若めで住戸数が多い。もう一方は、小石川4丁目・5丁目の播磨坂を中心とした中規模ヴィンテージマンション。こちらは桜の名所であることに加え、通称「3S1K」と呼ばれる文京区の名門公立小学校の一つ、窪町小学校の学区域であることもあり、学区重視のファミリー層にも人気が高い(先述の売出物件MAPも参照)。前者は交通アクセス含めた都心利便性、後者は恵まれた住環境と教育環境を求める層、とニーズは大きく分かれるがいずれにしても高価格帯エリアであることは間違いない。築年数など物件要因よりも住所によって価格差がみられるエリアなので、細かくアドレスを見ることによって比較的リーズナブルな物件が見つかる可能性も。

本エリアでは春日駅と後楽園駅駅前で再開発が進む。区役所や展望ラウンジを備えた区の施設「文京シビックセンターの隣地が「文京ガーデン」として2023年12月に完成予定。北街区、南街区、西街区に区分けされ、住宅、オフィス、教育関連施設、商業施設とさまざまな用途ごとの建物の建設が進む。「パークコート文京小石川 ザ タワー」「文京ガーデン ザ サウス」などのマンションと複合施設はすでに一部完成しており、飲食店やスーパーマーケット、クリニックなどが利用できる。

文京区は、東京23区のなかでも治安が良い地域。『マンションジャーナル』で昨年算出した「人口あたりの犯罪発生スコア」でも、文京区はもっとも数値が低く、治安の良さがデータからも伺える。学区重視でなくとも、安心して子育てをしたいファミリー層にとって魅力的だ。先述した窪町小学校のように特定の学区を希望して物件を探す場合は、同じ町の中でも小学校通学区域が異なることがあるため、購入検討物件がどこの通学区域にあたるのか事前によく確認を。先述した駅周辺の再開発のほか、今年1月には三井不動産が「東京ドームシティ」の大規模リニューアルを発表するなど、街の変革はまだまだ終わらない。すでに教育環境面でも住環境面でも高い人気を誇る春日・小石川エリアが、将来さらなる付加価値を得て次世代の「高級住宅街」になるか期待したい。


エリア内のマンション・平米単価と販売戸数の推移

現時点で売り出し件数が多い中古マンションの平米単価と販売戸数の推移を見てみました。

築2年のパークコート文京小石川ザタワーは、平米単価270万円台という高価格で安定。築32年のフォルム小石川は現在は135万円台で推移。築60年直近の川口アパートメントは、2022年3月まで上昇傾向にあったものの、平米単価80万円に到達して以降下落に転じ、現在は54万円台に落ち着いています。播磨坂沿いの高級ヴィンテージマンション・小石川ビューパレーは、2022年4月以降平米単価が100万円台超えになり、現在は110万円台を推移しています。

👉パークコート文京小石川ザタワー(総戸数571、2021年竣工)
👉フォルム小石川(総戸数106、1990年竣工)
👉川口アパートメント(総戸数88、1964年竣工)
👉小石川ビューパレー(総戸数57、1971年竣工)

気になるあのエリアの最新市況データを見る方法

今回は春日・小石川をピックアップしました。
連載「トレンド分析 “住宅購入市場のいま”」では、今回のように毎回1エリアをPICKUPして、その売り出し状況を深堀していきます。

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マンションジャーナル編集部

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