ルーフバルコニーにはデメリットがある!? 物件選びで押さえておきたいポイントと注意点

2023.07.14
ルーフバルコニーにはデメリットがある!? 物件選びで押さえておきたいポイントと注意点

広々とした屋外空間を手に入れることができる、ルーフバルコニー付きマンション。工夫次第で、家族や友人たちとの憩いの場、お子さんの遊び場、個人の趣味スペースなど、さまざまな楽しみ方ができます。

家の暮らしに彩りをもたらしてくれるルーフバルコニーですが、デメリットや注意点もあります。

本記事では、ルーフバルコニーのメリット・デメリット、ルーフバルコニー付きマンションを購入する前に知っておきたい注意点を解説していきます。ぜひこの記事を読んで、後悔しない「ルーフバルコニーのある暮らし」を実現させてください!

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)

ルーフバルコニーとは?

ルーフバルコニーとは、階下の屋根を利用して作ったバルコニー(室外に張り出した屋根のないスペース)のことを指します。ルーフテラスとも呼ばれ、通常のバルコニーより面積が広いことが特徴です。バルコニーと似たような空間を指す言葉として、ベランダやテラス、デッキなどがありますが、それぞれ少しずつ意味が異なっています。

  • ベランダ:バルコニーと同じく室外に張り出した屋根のないスペースのことを指すが、バルコニーと異なり屋根がある
  • テラス:建物の1階部分にあり、地面よりも一段高くなっている屋外スペース。コンクリートやタイルなどが敷かれており、屋根はない
  • デッキ:室内と同じ高さに設置された屋外の床のこと。木材でつくられた「ウッドデッキ」が代表格


ベランダとバルコニーの違いを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
>>ベランダとバルコニーの違いとは?利用上の注意点も解説

ルーフバルコニーのメリット

ルーフバルコニーのメリットとして、主に5つあります。

  1. 開放的な生活環境で過ごせる
  2. 日当たりが良い
  3. スペースが広く、多目的に利用できる
  4. 部屋が広く見える
  5. 子供やペットの遊び場として活用できる

1. 開放的な生活環境で過ごせる

ルーフバルコニーは屋根がなく、日差しを遮るものが少ないため開放的な気分をいつでも味わうことができます。

2. 日当たりが良い

屋根がないため日差しを遮るものがなく、常に日光が差し込むルーフバルコニー。ベランダは屋根があるため、時間帯によっては日差しが差し込まないこともありますが、ルーフバルコニーは日当たりが良く洗濯物も乾きやすいことがメリットです。また、室内にも十分な日光が入りやすいため、居住空間全体が明るく快適になります。

3. スペースが広く、多目的に利用できる

ルーフバルコニーは面積が広いため、様々な使い方が可能です。洗濯物干しやトレーニングなどの日常的な用途に加えて、アウトドアグッズのメンテナンスやDIYなど、室内で行うのには不向きな作業も行うことができます。趣味や家事など自宅でできることの範囲が広がるため、家での暮らしがより便利で彩り豊かなものになります。

4. 部屋が広く見える

室内からルーフバルコニーへ移動する際、部屋全体が広く感じられます。同じ広さの部屋でも、ルーフバルコニーがある場合は広々とした印象を受けます。

5. 子供やペットの遊び場として活用できる

マンションに庭がなくても、ルーフバルコニーがあれば子供やペットの遊び場として活用することができます。さらに、水道が設置されているルーフバルコニーであれば、夏はビニールプールを設置するなど、目が届く場所で遊ばせられるため、親にとっても安心。

ただし、マンションの規約によってはペットを放し飼いにすることが禁じられている場合もあります。また、ルーフバルコニーでのプール遊びがNGであったり、禁じられていなくてもプール遊び後に雨水の排水用に設けられている排水溝に一気に水を流し込むことにより、水が溢れて階下や隣の住戸に迷惑をかけてしまう可能性もあります。安全性や規約違反、騒音トラブルにも配慮したうえでルーフバルコニーを遊び場として活用しましょう。

ルーフバルコニーのデメリット

ルーフバルコニーの主なデメリットは、以下の6つがあります。

  1. 管理費や修繕積立金とは別に、使用料がかかる
  2. ルーフバルコニー付きの物件は価格が高い
  3. 細かい規則がある
  4. 定期的な掃除とメンテナンスが必要
  5. 修繕や防水工事にお金がかかる
  6. 騒音トラブルなど近隣住民への配慮が必要

1. 管理費や修繕積立金とは別に、使用料がかかる

少しややこしくなりますが、ルーフバルコニーは区分所有法上、「共用部分」であり、「専用部分」とされています。

区分所有者が専用で使用する権利のある各戸を「専有部分」といいますが、ルーフバルコニーは「共用部分」に当たります。共用部分とは、個々の専有部分以外で建物の住民で共用している部分のことを指します。例えば、エレベーター、非常階段、バルコニー、エントランスはマンションの共用部分にあたります。

「共用部分」の中で、外廊下やエレベータのようにマンションの住民共同で使用する部分は「共有部分」、ベランダや1階の専用庭のように、特定の個人が専用スペースとして使える部分のことは「専用部分」と呼びます。ルーフバルコニーは、この「専用部分」にあたります。

ルーフバルコニーは共用部分のため、管理費や修繕積立金はマンション住民みんなで共通負担となります。一方で、ルーフバルコニー付き物件は、他の物件より広い共用部分を個人が独占的に使用する形になるため、そのぶんの専用使用料(ルーフバルコニー使用料)を徴収される場合があります。ちなみに、バルコニーは一般的にほぼ全住戸に等しくついているため、専用使用料を徴収されることはありません。

月々の支払いに関わってくるため、購入前には使用料の有無や金額など、しっかりと確認するようにしましょう。

2. ルーフバルコニー付きの物件は価格が高い

ルーフバルコニー付きのマンションは自宅として使用できる面積が広いため、一般的なバルコニー付きの部屋と比較して家賃や価格が高くなる傾向があります。また、ルーフバルコニーは共用部分であるため、他の部屋と比べて管理費が追加でかかる点にも注意が必要です。

3. 細かい規則がある

ルーフバルコニーは共用スペースであるため、様々な規則が適用されます。例えば、大きな荷物の置き放しや、近隣住戸に臭いを振り撒いてしまうためバーベキューを行ってはいけないなど、マンションごとに規則があります。規則に従い普段から適正な使用を心がけることが大切です。

4. 定期的な掃除とメンテナンスが必要

ルーフバルコニーを持つマンションでは、掃除とメンテナンスにより手間がかかる場合があります。なぜなら、屋根がないため、汚れが蓄積しやすいからです。

雨風の影響を受けやすいうえ、ホコリや花粉、排気ガスなどの汚れが付着しやすいため、雨水の排水管が詰まっていないか、適切に通っているかを確認し、定期的な掃除とメンテナンスをすることが重要です。

5. 修繕や防水工事にお金がかかる

ルーフバルコニーは屋根がないため台風や雨などの影響を受けやすい傾向があります。そのため、外壁と床面の劣化や防水材が剥がれに対する防水工事など、トップコートの塗り直しなどの修繕をする必要が生じてきます。この場合、ルーフバルコニーはマンションの「共用部分」にあたるため、修繕積立金は管理組合が負担することになります。ルーフバルコニー付き物件の所有者個人に負担が発生するわけではありませんが、自らも含めてマンション全体として発生する負担が大きくなることは理解しておきましょう。マンション1棟でルーフバルコニーが多くついている設計であれば、それだけマンション全体での出費が増えることになります。

6. 騒音トラブルなど近隣住民への配慮が必要

家族や友達を呼んでルーフバルコニーで音楽を聴きながらバーベキューなど楽しめるのもルーフバルコニーの魅力。一方で、食べ物のにおいや騒音などで近所トラブルが起こってしまうこともあるため、近隣住民への配慮が必要になります。

ルーフバルコニー付きマンションを購入する際の注意点

ルーフバルコニー付きマンションの購入を検討している際に注意すべき主なポイント4つをご紹介します。

  1. 雨漏りに備えて定期的な掃除をする
  2. 管理規約でルーフバルコニーの使い方を確認する
  3. 鳥の被害に気をつける
  4. 下の階や近隣住民に配慮する

1. 雨漏りに備えて定期的な掃除が必要

先ほども触れた通り、ルーフバルコニーは屋根がないため天候の影響を受けやすくなります。雨や強い風に備えて、ルーフバルコニーの定期的な掃除をすることを心がけましょう。

2. 管理規約でルーフバルコニーの使い方を確認する

ルーフバルコニーは様々な工夫次第で多様な使い方をすることできる点がメリット。しかし先述したように、ルーフバルコニーはマンションの「共有部分」であることを知っておくことが大切です。そのため、使い方に対してどのような制限があるのかをあらかじめ必ず管理規約で確認するようにしましょう。

特に「ルーフバルコニーでこんなことがしてみたい」という具体的な要望がある方は、必ずそれがNG事項とされていないか、確認するようにしましょう。

3. 鳥の被害に気をつける

マンションのベランダやバルコニーによってはハトやカラスなどが寄ってきて糞の被害を与えてしまうことも少なくありません。購入前に鳥がやってこない立地かどうかを見極めることは難しいかもしれませんが、内覧時などにマンション周辺や近隣住戸をチェックしてみたりしましょう。居住中のマンションであれば、売主さんに聞いてみるのも良いでしょう。また、住み始めた後にそうした鳥対策が必要となるかもしれない点を理解した上で購入するようにしましょう。

4. 下の階や近隣住民に配慮する

ルーフバルコニーを使用する際は、音やにおいに気をつけることが大切です。例えば、ルーフバルコニーで友達や家族とバーベキューをしたり子どもやペットと一緒に遊ぶ際には、下の階や近隣住民に対して大きな音など騒音トラブルの原因になるものはできるだけ避けるようにしましょう。

ルーフバルコニー付きマンションは、シングル、DINKs、ファミリー、どんな家族形態であっても、工夫次第で暮らしに彩りや楽しみを与えてくれる魅力的なスペースです。

そのメリットを最大限活用するためにも、「こんなはずじゃなかった」「先に知っておけば・・」と後悔することのないように、この記事ではルーフバルコニーのデメリットと合わせて知っておくべき注意点もご紹介しました。

ぜひこの記事を参考にして、希望通りのルーフバルコニー付きマンションを手に入れて、ルーバル付きマンション暮らしを謳歌してくださいね。

ルーフバルコニーの使い方について、具体的なヒントを知りたい方は、ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。

 >>マンションのルーフバルコニー使い方ガイド|使用上の注意点からおすすめの活用方法まで

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