ベランダとバルコニーの違いとは?利用上の注意点も解説
2015.11.11
マンションの物件案内でよく見かける、「バルコニー」と「ベランダ」という表記。その違い、ご存知でしょうか?
この2つ、建物の形が多様化している近年は特に区別されずに使われていることも少なくありません。が、建築用語としてきちんと違いがあるのです。
今回はバルコニーとベランダの定義やそれぞれの違い、そして知っておくべき利用上の注意点についてご紹介します。
ベランダとは、建物の外側にある、屋根付きの歩行可能なスペースのことを指します。昔の日本家屋にある縁側も、洋風に言うとベランダということになりますね。一戸建ての2階にある洗濯物を干したりする屋根付きのスペース、といえばイメージしやすいでしょうか。
マンションの場合は、1階でも上に屋根があればベランダと呼びます。大抵のマンションでは上の階のベランダ部分が、下の階の屋根という構造になっています。なので、建物の側面がフラットになっており凹凸のないタイプのマンションであれば、すべて「ベランダ」ということになります。
しかし、マンションの物件概要等を見ると、屋根付きにもかかわらずバルコニーと表示されているケースを多く見かけます。建築用語としてはベランダなのですが、何だか紛らわしいですね。
多くの場合、ベランダよりバルコニーの方が広い面積があります。これは通常、ベランダの屋根が上の階のベランダ部分であるのに対して、バルコニーは屋根がない分だけ外側にせり出して造られているためです。よく最上階の住戸で見かける下の階の屋根を利用した広いスペースは、「ルーフバルコニー」と呼ばれています。 >>【参考記事】ルーフバルコニーの使い方!〜メリット・デメリットを紹介します〜
気持ちとしては専有部分ではあるのですが、あくまでもベランダ・バルコニーはマンションの共用共有部分であるため、利用には気をつけなければなりません。 一つ目として、バルコニーへの物の置き方。隣との境は「隔て板」、「蹴破り戸」、「ベランダ隔」などと呼ばれる薄い板で仕切られ、火災などの災害時に避難路として使うために簡単に蹴破れるように作られています。非常時には、ベランダやバルコニーは避難通路になります。そのため、通路を塞ぐような物を置いてはいけないことになっているのです。 2つ目として、利用の仕方。マンションによっては、落下防止や美観の観点から、布団を干すことを禁止しているところも。自宅において屋外の空気に接することができるスペースなのでつい自由に使いたくなるところですが、大きな声や大勢で騒ぐ、喫煙やバーベキュー、花火など匂いが出る行為にも注意が必要です。 マンションによってはあらかじめ禁止されているところもあるので、事前に管理規約をしっかり確認してトラブルを防ぎましょう。 >>【参考記事】中古マンション購入で起こりやすいトラブルと解決策を解説!
ルーフバルコニーは室外ではありますが、その名の通り階下の住戸にとっては屋根です。つまり、下の階の天井に位置しているということです。階下の住人への影響を考慮して、お互いに気持ちよく住まえるように心がけたいものですね。
>>間取り図の略語「MB」「PS」「R」「WC」って一体どんな意味?>>
>>【南向きだけじゃない?】9割の人が勘違いしている「日当たり」の真実とは>>
この2つ、建物の形が多様化している近年は特に区別されずに使われていることも少なくありません。が、建築用語としてきちんと違いがあるのです。
今回はバルコニーとベランダの定義やそれぞれの違い、そして知っておくべき利用上の注意点についてご紹介します。
監修者:針山昌幸
ベランダとバルコニーの違い
ではまずは早速、2つの用語の違いについて見ていきましょう。ベランダとは
ベランダとは、建物の外側にある、屋根付きの歩行可能なスペースのことを指します。昔の日本家屋にある縁側も、洋風に言うとベランダということになりますね。一戸建ての2階にある洗濯物を干したりする屋根付きのスペース、といえばイメージしやすいでしょうか。
マンションの場合は、1階でも上に屋根があればベランダと呼びます。大抵のマンションでは上の階のベランダ部分が、下の階の屋根という構造になっています。なので、建物の側面がフラットになっており凹凸のないタイプのマンションであれば、すべて「ベランダ」ということになります。
しかし、マンションの物件概要等を見ると、屋根付きにもかかわらずバルコニーと表示されているケースを多く見かけます。建築用語としてはベランダなのですが、何だか紛らわしいですね。
バルコニーとは
ベランダには屋根があるのに対して、バルコニーは屋根がありません。バルコニーは2階以上で手すりがある屋根のないスペースのことです。多くの場合、ベランダよりバルコニーの方が広い面積があります。これは通常、ベランダの屋根が上の階のベランダ部分であるのに対して、バルコニーは屋根がない分だけ外側にせり出して造られているためです。よく最上階の住戸で見かける下の階の屋根を利用した広いスペースは、「ルーフバルコニー」と呼ばれています。 >>【参考記事】ルーフバルコニーの使い方!〜メリット・デメリットを紹介します〜
番外編:テラス
また、マンションの1階で屋根のないスペースはテラスと呼びます。マンションによってはテラスに加えて専用庭が付いていることもありますが、別途に使用料が必要なケースが多いですね。↑(写真上)テラス席。まれにマンションにも付いています。マンションのベランダやバルコニーの利用上の注意点とは
ベランダやバルコニーはその部屋の住人が優先的に使用する権利を持っていますが、実は窓から内側の専有部分とは区別された共用部分です。気持ちとしては専有部分ではあるのですが、あくまでもベランダ・バルコニーはマンションの共用共有部分であるため、利用には気をつけなければなりません。 一つ目として、バルコニーへの物の置き方。隣との境は「隔て板」、「蹴破り戸」、「ベランダ隔」などと呼ばれる薄い板で仕切られ、火災などの災害時に避難路として使うために簡単に蹴破れるように作られています。非常時には、ベランダやバルコニーは避難通路になります。そのため、通路を塞ぐような物を置いてはいけないことになっているのです。 2つ目として、利用の仕方。マンションによっては、落下防止や美観の観点から、布団を干すことを禁止しているところも。自宅において屋外の空気に接することができるスペースなのでつい自由に使いたくなるところですが、大きな声や大勢で騒ぐ、喫煙やバーベキュー、花火など匂いが出る行為にも注意が必要です。 マンションによってはあらかじめ禁止されているところもあるので、事前に管理規約をしっかり確認してトラブルを防ぎましょう。 >>【参考記事】中古マンション購入で起こりやすいトラブルと解決策を解説!
まとめ
ベランダでもバルコニーでも、大切なのはその使い方です。マンションという集合住宅では、たとえ専有部分であっても上下左右の住人に対する気遣いは大切です。共用部分であるベランダやバルコニーの使用についてはルールを守った使い方をしなければなりません。ルーフバルコニーは室外ではありますが、その名の通り階下の住戸にとっては屋根です。つまり、下の階の天井に位置しているということです。階下の住人への影響を考慮して、お互いに気持ちよく住まえるように心がけたいものですね。
>>間取り図の略語「MB」「PS」「R」「WC」って一体どんな意味?>>
>>【南向きだけじゃない?】9割の人が勘違いしている「日当たり」の真実とは>>
株式会社Housmart
マンションジャーナル編集部
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